ターコイズ別館・読書録

――図書館へ行こう。

154 体が目覚めるストレッチメニュー 荒川裕志

2010-10-16 06:57:44 | あ行
 図書館より。池田書店。谷本道哉監修、石井直方監修協力。

 これはわかりやすい。オールカラー、写真たくさん。無駄なページがなく構成がうまい。ストレッチ動作それぞれに、使われる筋肉が図示される。これがいい。見ているだけで筋肉を覚えることができる。

 女性モデルさんがきれい。ただし驚くほど胸が平たい。わざとか。

#体の”コア”である体幹・股関節・肩甲骨

#(大腿四頭筋は)太もも前面にある人体最大の筋肉。

#寒い日などは、ウォーミングアップで身体を温めた後に静的ストレッチに時間をかけると身体が冷えてしまいます。(そんなときにダイナミック=動的=ストレッチ)

153 甲子園だけが高校野球ではない 岩崎夏海

2010-10-10 12:08:59 | あ行
 図書館より。廣済堂出版。

 高校野球の泣けるエピソードを集めた本。すぐ改行。すぐ一行開け。活字の苦手な若者向けの体裁である。
 21の話が収録されているが、それぞれに監修者が一言たれる。これがちょっとうるさい。

 開会式の司会にあこがれるまージャーが主役の、「そのアナウンスは誰がするのか?」がすがすがしい。

#昭和の初め頃、人々は夏になると、おしなべて白い服を着たのだという。(略)その老若男女が甲子園のスタンドを埋め尽くすから、スタジオは白色でふくれあがるようだったという。特に、一、三塁側のスタンドが雪山のようにふくれあがったことから、「アルプススタンド」という名前がつけられたのだそうだ。

 いい話だ。「スタジオ」というのがよくわからないが、いい話だ。

*自殺しようとフェンスに手をかけたらお腹が「ぐう」と鳴った。それで自殺をやめた。

#「誰のためにスポーツをするのか?」という問いが話題になったことがあった。
#(期待がプレッシャーになるという)反省から、「国のためにスポーツをするのではない」という考え方が生まれ、広まった。
#人々は、今度は「選手個人のため」と考えた。
#ところがそれでも、選手たちは満足な結果を残せなかった。理由は簡単で、人間は、自分のためと思うと、なかなか結果を出せないのだ。
#人は、「誰かのために」と思うことで、初めて力を出すことができる。だから今では「だいじな人のために」という考え方が定着している。

128 芦原すなおのビートルズ巡礼 芦原すなお

2010-07-27 20:53:13 | あ行
 図書館より。文藝春秋。

 あの『青春デンデケデケデケ』の人。書名で惹かれていつか読んでみたいと思っていたが、未読。

 うわあおもしろい。出発するまではぐだぐだだが、出発してもぐだぐだなのがいい。ロンドンではアビーロードを渡り、警察官に怒られる。リバプールでは「マジカルミステリーツアー」バスに乗る。実は私も同じ道を通ったのだ。ガイドがいる分、ずっと楽しめている。いいなあ。

 ドイツ・ハンブルクのページはつまらない。いや読むとおもしろいのだが、著者がつまらなく感じているのが伝わってきて、おもしろい。 

127 イメージ脳 乾敏郎

2010-07-27 20:48:14 | あ行
 図書館より。岩波科学ライブラリー。

 つかみにアインシュタインを持ってきて、素人さんをなんとか引っ張ろうとするが、始まってしまえば心理学・脳科学の実験手法が並ぶばかり。実験の結果を踏まえて日常の疑問を語る、というスタンスにすればおもしろくなったであろうに。例えばバーチャル・リアリティーなんて読者は期待したはずだ。

*他人がくすぐるとくすぐったいが、自分でくすぐるとくすぐったくない。それは刺激が予測から外れないからだ。

 素人向けに書こうとして、結局軽い専門書の域を出なかった書。

118 花粉症のワクチンをつくる! 石井保之

2010-06-27 15:19:30 | あ行
 図書館より。岩波科学ライブラリー。

 ひどい花粉症の私にとって、ついつい手に取った一冊。
 前半では、スギ植林の国策、衛生環境の変化、寄生虫、外来植物など原因が語られる。ここまではいい。
 後半では、Cry j1、IgE、インターロイキン、コマンダーiNKT細胞、T細胞エピトープ連結ポリペプチドなど専門用語が頻出して私の理解を越えてしまった。比喩を多用するなど(抗体を映画アルマゲドンにたとえるなど)筆者はわかりやすく書こうとしているのだが。すみません。文字を目で追っているのだが、内容は頭に入ってこない状態。

 現在花粉症療法の世界は、理論はできているので実際の開発が待たれる状態である、ということはわかった。応援しています!

*抗ヒスタミン剤は眠くなる。

116 任天堂 井上理

2010-06-24 22:45:15 | あ行
 図書館より。日本経済新聞出版社。副題、”驚き”を生む方程式。

 お世辞抜きで、すばらしい本。ゲーム好きでなくても、一度読むべきだ。
 「水平思考」「枯れた技術」「任天堂らしさ」……。こんなキーワードが何度も出てくる。繰り返されるということは、任天堂の方針がぶれていないことを意味する。
 ゲームウォッチの誕生、ハル研究所と任天堂との関係、64やゲームキューブの失敗。セガとの対比(私はセガが好きなのだが)。
 カルタ伝来以来の(戦国時代だ!)歴史が厚みを増す。繰り返すが、名著だ。

#「我々は声が大きくてゲームをいっぱい買ってくれる人の姿をつい見てしまう。そこに合わせたモノづくりをどんどんした結果、ゲームをやる人が減っているのではないか」

#「寝ている間は、絶対にファンを止めなきゃダメですよ。ファンの音がしたらお母さんが電源を抜いちゃうから」

#《ゴルフ》《ピンボール》《F1レース》
(ハル研の開発ソフト。そうだったのか!)

#宮本は、ポパイの代わりに「マリオ」を、オリーブの代わりに「ピーチ姫」を、ブルートの代わりに「ドンキーコング」の絵を描き、(略)

#これからゲームに引き込もう、という人を相手に作っているので、今、ゲームに夢中になっている人の意見は当てにならないところがある

*修理を頼んだら新品に交換され、子供が貼ったシールが丁寧に新品に貼り直しされていた

*女の子の手を握りたいからラブテスターを作った

 名言ばかりできりがない。

108 経験を盗め 糸井重里

2010-05-23 13:04:56 | あ行
 図書館より。中央公論新社。

 対談集。なのだが、ついつい手に取ってしまう書名の付け方が憎い。
 対談は毎回変わるテーマについて、二人を呼び鼎談の形で行なわれる。例えば、「独身のお話」であれば篠原勝之と橋本治、といった具合だ。
 やはり専門家のお話がおもしろい。

*体が覚えている記憶を「手続き記憶」という(How to記憶)。知識の記憶はWhat isの記憶。How toの記憶は長い間脳にとどまり、応用が利く。
*八時間睡眠が理想というが、統計であって、生物的な根拠はない。
*ファントの法則=身長と声の基本周波数の高さは反比例する。
*昭和天皇はよく「あっ、そう」と言うが、案内役の人が間違った説明をしたとき、「あっ、そ……うかな」と言ってにやりとした。

 小田島雄志は歴史上の人物だと思っていたら生きていた(すみません)。
 「ニットの貴公子」広瀬光治三のお話が楽しい。

#(水道局の人に)「ここにグラスに入った水がありますけど、これなんか、いかがです?」
「(嗅いで)持って来た方、タバコを吸われるんじゃないかな」(略)「東京の水じゃないですね」「ミネラルウォーターでしょう」
#(蒸留水の)味はよくないですよ。

#(風邪をひいたら)ほっておく。(略)体の仲のウイルスと戦っている防衛力というか、治癒力を充分に働かすためには、体を暖かくして寝ておるのが基本です。
#イヤイヤでしたよ(略)私は実はテニスが好きで、陸上競技は好きじゃなかったんです。苦しいし、ゲーム性はないし。でも、走るといつも勝つものだから、そのまま続けていたんです。(増田明美)

107 ガラスの街 ポール・オースター

2010-05-08 06:37:30 | あ行
 図書館より。新潮社。訳者はもちろん柴田元幸。

 小説デビュー作ということで、巷間言われるように、デビュー作には作家のすべてが詰まっている。
 ゴーストのような筋立て。ムーンパレスなど何度も繰り返される、消費と喪失。幻影の書に見られる、突然無情に放り出されるエンディング。

 何度読んでも作者の知性に圧倒される。
 ポール・オースターという人物が奥さんのシリとともに出てくるのがおもしろい。

105 気象のしくみと天気予報 上村喬・明石秀平

2010-05-06 06:14:23 | あ行
 図書館より。ナツメ社。図解雑学シリーズ。

 ナツメ社らしい構成。見開きの左に文章、右に図解。天気予報のベテラン二人が書いただけに、内容は精密なのだが、文章がつまらない。絵も味わいもなにもない。退屈な本である。

#一時:天気現象が連続的に起こり、その現象が起こる時間が予報帰還の1/4未満のとき
#時々:天気現象が断続的に起こり、その現象が起こる時間が予報帰還の1/2未満のとき