「事件編と捜査編とあるので難しいと思いきや簡単でしたね」やる夫は安楽椅子探偵の推理を聞くそうです 第八問:2/1の殺人者 事件編
やる夫は安楽椅子探偵の推理を聞くそうです 第八問:2/1の殺人者 捜査編
「それじゃあ、聞きましょうか。あなたの推理ってやつを」
「この話のポイントはいつ被害者のたばこに毒を盛ったかですね。一番簡単な方法は、自分のたばこを相手に渡すですが、机のひきだしに偽の遺書があったことから、この方法は使われなかったということが分かります。
次に被害者が今朝買ったであろうたばこに毒を盛ることは可能かですが、不可能といっていいでしょうね。
3階のホールに隠れていてお奉行が社長室を離れた時を狙って、部屋に忍び込んで毒を盛ることはできるかもしれませんが、2階に戻る時に誰かに発見される危険がありますし、お奉行はヘビースモーカーなので上着のポケットにたばこを入れたまま部屋を後にする可能性もあります」
「そうなると、社長室にあったたばこは事件当日にかったものではないということになるわね」「おそらく犯人は事件の前の日に社長室に忍び込み、買い置きのタバコに毒を盛り、机の引き出しに偽の遺書を入れたんだと思います」「でも、そうなると容疑者3人共犯行が可能ってことになって犯人が絞れないわよ」「そうなんですけど、そのトリックが実際に行われたとすると、1人だけ明らかにおかしなセリフを口にしている人物がいるじゃないですか」「えっ、そんなセリフあったかしら？」「 強いて言うなら煙草の箱とドラッグストアの袋を持っていましたというセリフですよ。買い置きがあって、灰皿を買いに行く暇もない被害者がわざわざ新しいたばこを買うとは思えません。
ですので、お奉行を殺害した犯人は、その発言をした中野一花です」
