日本語教師の見た中国とか…

日本語教師が見た中国をつらつらと綴ろうとはじめました。帰国後、大学院生を経て今はとうとう専任日本語教師だ~。

アントニオさんの憂鬱

2009-04-13 12:16:14 | 日本語教育
 私が通っている地域日本語教室は毎週土曜日の午後、活動をしています。土曜日の午後だから、日本人スタッフにしてみればちょっと大変な時間帯です。家族を持っている主婦の方に頼っているボランティアの現状は、どうしても動ける時間が平日昼間に偏ります。土日はみんな家族サービスしたいですもん。それを無理して土曜日に教室を開講してくださるスタッフの方には頭が下がる毎日です。

 そこへやってくるアントニオさん(仮称)

多くの日系人がそうであるように、彼も三交代制をとっている会社の社員です。つまりお休みが定期でとれないのです。毎週土曜日に参加したいけど参加できないことを、彼はいつも嘆いています。

 広島市内には約20箇所の教室があります。多くは平日の昼間しかやっていません。土曜日をやっていたとしても、三交替の方にとっては参加できないわけです。「他の地域に行け!」というのも無理な話で、わざわざ遠くの地域まで参加するのはかなり時間とお金がかかります。要は身近なところにないと参加できないのです。

 外国人の受け入れに関して、3月10日の朝日新聞に社説が載りました。子供の日本語の問題も大きな問題ですが、親の日本語についても指摘されています。

 じゃあ、どうやったらいいの?

この質問に答えられるひとは行政にいるんでしょうかねえ。教室活動を行政が行うにしても、地域ごとに時間帯を調整しながら行うとなると、とても現実的には無理です。現在の20箇所をすべて行政の公的支援にするなんてことはありえません。さらに三交替勤務に合わせてカリキュラムを組むなんて!

 結局、ボランティア任せになるんでしょうね。

 アントニオさんの憂鬱は、日本の大きな構造的問題を映す鏡

 ちょっとブルーな週末でした

 私にできることは、問題点をできるだけみんなに知ってもらうこと、行政にも働きかけ続けることくらいです


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