都立高専交流委員会ブログ

都立高専と城南地域の中小企業(特に製造業)との交流・連係を図り、相互の利益と地域社会・地域経済の発展を目指します。

その2  7月6日 都立高専交流委員会 運営会議 の ご案内 / 英国のEU離脱? で問われるもの / モンゴル 日本式高専 などの訪問の ご報告

2016年07月17日 | Weblog
  ☆★☆☆ 都立高専交流委員会 よりのご案内 2016.07.05 その2 ☆☆★☆
 
 
 モンゴル(日本式高専他)訪問の 画像 を添付させていただいた関係で、
 2回に分けて、ご案内させていただくことになりました。
 
 
1.7月6日 都立高専交流委員会 運営会議 の ご案内   
2.英国のEU離脱? 液状化する世界を変革する能動的一歩を!
  (ここまで、直前のブログで ご案内済み です。)
 
3.モンゴル(日本式高専などの)訪問 と これからの課題
  
  
  
 モンゴル(日本式高専などの)訪問 と これからの課題
 
  
    モンゴルの国会決議が、高等専門学校を正式に制度化
 
 
 5月25日~30日 の
 モンゴル(日本式高専など)の訪問では、多くの皆様に、大変お世話になりました。
 
 私共の産学連携でお世話になった 西山先生 中西先生 が
 現地に張り付いて、学生指導を進めてきた モンゴル の 日本式高専 ですか
 
 3年前、モンゴル工業技術大学(IET)に、最初のモデルクラスが誕生
 2年前には、モンゴル科学技術大学、新モンゴル工科大学(新モンゴル学園)に
 高等専門学校が設置され、3校体制で運営されてきました。
 
 本年4月14日には、モンゴル国会(国家大会議)で、
 工業高等専門学校を高等教育機関として制度化する「モンゴル高等教育法」の改正案が
 82.5%の賛成多数で可決成立しています。
 
  モンゴルでは、多くの青年が日本の高等専門学校に留学
 (国別留学者数ではマレーシアに次ぐ2位/現在の文部科学大臣も日本の高専卒業生)
 母国の工業化に貢献するために、日本と同様な高専を創りたいという
 これらの留学生出身者とこれに協力してきた先生方の念願が、軌道に乗りつつあります。
 
 この時期に進められたのが
 日本でのインターンシップの実現、卒業後の採用、
 人材育成を通じた現地の中小企業育成を目的とした モンゴル訪問 です。
  
  
   インターンシップ 就職 セミナー と 日系企業などの訪問
 
 
 現地では、3校の高等専門学校を訪問させていただくとともに、
 「インターンシップ 就職セミナー」を開催、
 
 参加した100名余りの学生に、
 日本でのインターンシップ実施、卒業後の日本での進路選択、
 現地での中小企業育成について、メッセージを送らせていただきました。
 
 精密機械や自動車の部品を加工する2社の日系企業
 (いずれも本社は埼玉県の従業員100名余りの企業、日本人駐在員なしで
  運営される現地法人は30名程。いずれも盛況、事業拡大を計画)
 
 厳寒で建設工事ができなかった冬季に操業する生コンプラントを建設し、
 建設工事の通年施工を可能にした 會沢/モンゴル
 (本社は苫小牧の 會沢高圧コンクリート)、以上3社の日系企業を訪問。
 
 また、経営者が日本的経営を信奉する現地の 中核建設会社 ナショナル建設 が
 モンゴル高専(企業)協力会の会長をされており
 オーナー、関係者とお話させていただき、ビジネス連繋のオファーをいただくと共に
 国が計画し、この会社が建設中の2千戸を超えるマンション群を見学させていただきました。
 
 その他、市街などの雰囲気を含め、前回のメールの最後と 今回のメールの冒頭 に、
 画像で、報告させていただきましたので、ご覧いただけば幸いです。
 
 
 現地で活躍する日系企業の 本社 をご紹介させていただきます。
 (本メール冒頭の 現地法人の画像 を、併せてご覧いただけば幸いです。)
 
  株式会社 シバサキ製作所 / モン・シバサキ
  賛光精機 株式会社 / モンゴル賛光精機
  會澤高圧コンクリート 株式会社 / 會澤 モンゴル
 
 
    気 位 が 高 く 結 束 す る 国 民 ?!
 
 
 今回のモンゴル訪問では、
 
 すべての関係者の皆様の手厚いおもてなしをいただき
 また、お会いし、接することができた モンゴルのすべての皆様 に
 心あたたく接していただくことになりました。
 
 首都/ウランバートルの街では、
 プリウス、ランドクルーザーなどが走り回り、
 乗用車の7割程度を日本車が占めているでしょうか?
 時間によっては、激しい渋滞になります。
  
 急増する人口は300万人、うち140万人余りがウランバートル在住。
 特に、20代の人口が多く、新生児も急増しています。
 
 大学の進学率も 60%以上 と高く、
 モンゴル科学技術大学だけで在校生が3万人を超えるとのことです。
 
 現地で第一に感じたことは、
 同行の白井氏が、「アジアでなくヨーロッパ」と言われていましたが
 街の雰囲気がとても 清潔で、整頓され、秩序だっていることです。
 これは、モンゴルの方々の 気位(きぐらい) 心位 の高さを表すものでしょう。
 
 「インターンシップ 就職セミナー」では、日系企業の関係者が
 市場やビジネス連携を進める上で、信頼を担保する原則について
 「嘘をつかない……」と言う言葉で述べていましたが
 
 一つの国民が社会生活を送っていく上で
 共通する信念(生活信条)を共有していくことは大切なことです。
 
 大国中国とロシアに挟まれたモンゴルは、アジアでは 特殊な立場に立つ国 になりますが、
 国の人口規模が小さい ということは、
 それだけ、国民の強い結束をつくりだす上での 有利な条件 となります。
 
 これが、この国を支える最大の力(の一つ)になるのでは …… と、思います。
 
 資源の輸出や国民経済の基盤で、中国に深く依存するモンゴル です。
 けれども、街に漢字の表記は見られません。
 
 国民の中に親日感情が広がり、東北大震災では、
 モンゴル国家公務員全員が、給与の1日分を被災地に寄付しています。
 
 二つの大国に挟まれた困難な政治環境にあるモンゴル
 一方、アジアの非主流派文明の結晶というべき道を歩んできたのがわが国でしょう。
 
 この二つの国(国民)がつくってきたものに、
 共鳴しあう何かがあることが感じられます。
 
 
 モンゴル国が、この地域において独自の地位、立場を確立していくことは
 私共のパートナーシップにとっても、
 東アジアの地域にとっても、大変、有益なことに違いありません。
 
 
        工作機械等、学校の設備充実が急務
 
  ものづくりと国内産業の内発的発展のための協力を!
 
 
 さて、私共の課題ですが、
 
 現地の高等専門学校に、最低限の工作機械、工具、設備などを整えることが
 急務の課題なっているでしょう。
 
 この訪問に先立ち、関係者にお願いさせていただき
 大田区で廃業する工場の工作機械、工具、電気工事の検査機器など
 中古の機器の提供をしていただける何人かの方に、
 すでに、お願いをさせていただき、帰国後も、
 これらの機器を、モンゴル現地に送り届ける準備をさせていただいております。
 
 現地が、何故日本に期待するのか、何を期待するのか …… といえば
 自国の産業基盤を自ら自身の手で担っていく条件を一からつくっていくことにあるでしょう。
 
 目先の利害を成り立たせ、満足させるだけではなく、
 持続可能な発展を可能とする産業、経済システムを創り上げていくこと
 それを外から持ち込むのではなく、その内発的な展開を可能とする条件をつくっていくことが、
 私共が協力させていただく眼目となるはずです。
 
 この条件を、私共が関与する現地の教育機関に整備していき
 内発的なものづくり人材育成の基盤を、現地に作っていくことこそ
 私達の最初の取り組みになるように思います。
 
 このこと抜きに、
 来年(3~4年生)のインターンシップも有効には機能しないでしょう。
 
 ここから始めて
 
 来年度以降の課題、
 インターンシップ、卒業後の採用、中小企業育成を含む
 私共のパートナーシップをつくっていかなくてはならないと思います。
 
 腕力で進めたり、結果だけを求めてことを運んでも、
 うまくいかない場合が出てくると思います。
 
 私共の現状に合致した地道なモデルをつくるとともに
 長期的展望を持ち、「小さく生んで大きく育てる」ことが、
 必要とされているでしょう。
 
 どのような道筋を通って、なにを進めるのか
 その道筋で問われる課題等について、
 比較的明瞭な認識をもって、ことを進めていきたく考えております。
 
 
   実践的な産業政策の形成が課題となるモンゴル
 
 
 モンゴル側に問われるのは、
 産業(人材育成)政策を確立することであるように思われます。
 
 今から150年以上前、幕末期(明治維新の前)の日本では、
 
 黒船来航による近代西欧の脅威に対して、
 300諸藩(独立性の高い地方政府)を代表する有力な諸藩(雄藩)が
 独自の近代産業形成の取り組みや、海防(国防)のための鋳砲(大砲製造)事業などを
 次々と進め、これが、明治維新の原動力の一つとなりました。
 
 薩摩藩の集成館
 佐賀藩の精錬方(下記「幕末維新期の佐賀藩」)
 などが有名ですが
 
 日新堂をつくった 南部藩(岩手県/徳川幕府側)では、
 民間資本を動員し、10座(基)およぶ 木炭高炉製鉄所 を 建設し、
 そこに、数千名の人々が働いていました。
 (幕末における製鉄と冶金教育) 
 
 例えば
 ヒューゲニン著「リェージュ国立鉄製大砲鋳造所における鋳造法」といった
 海外からもちこまれたたった 一冊の技術書 をもとに、
 近代製鉄や、西洋の軍事大国に対抗する大砲製造を進めるもの であったり します。
 
 物事に、実践的に取り組み、
 その経験を蓄積していくことが、どれほど大切か? ということでしょう。
 
 (当方は高く評価するものではありませんが)
 富国強兵/殖産興業 を 進めた 明治政府 も、
 官営事業により、近代産業を自ら自身の手で、直接、立ち上げようとしてきました。
 (その多くは経営破綻)
 
 第2次世界大戦において、
 国力で劣るわが国が、それでも世界を相手に戦うことができた理由の一つは
 優秀な技術者を航空機産業(軍用機生産)に、集中的に投入し
 ゼロ戦などの戦闘機を開発、生産したことによります。
 
 戦後は、ここで育った技術者が、自動車産業などに吸収され
 わが国産業の 国際競争力の基盤 が 形成されることになりました。
 
 少なくとも、政府の政策と民間の努力が交差するところで、 
 わが国の産業形成が進められたのは事実だと思います。
 
 
 大学進学率が高いのは良いことですが
 (中国も、2000年前後から大学の入学者を急増させ
  15年間で、大学の卒業者数を7倍[2015年/749万人]に拡大しています。)
 
 それが、国力や産業力の強化に(直接 また 間接的に)
 どのように、結びついているかこそが大切です。
 
 高等専門学校確立の試みは、
 これらの点を見直すきっかけの一つとなるものかも知れません。
 
 
  「日本人とは何者なのか?」を、改めて考える
 
 
 今回の訪問で考えさせられたことの一つは、
 
 日本人とは 何者なのか? ということです。
 
 当方、ほとんど勉強をしておらず、
 時間があれば学習したい点であるのですが
 
 最近は、血清についての遺伝子分析や
 遺跡などから発掘される人骨のDNA分析などの精度が上がり
 日本人の 主な 人種的な起源 は、
 アジアの北方 にあることが明らかになりつつあるようです。
   
 一方、稲作に代表されるように、南のアジアの文明を受けいれ
 朝鮮半島などを介し、南の中国、北の中国 と 向かい合ってきた のが わが国 です。
 
 相当早い段階から、世界のGDPの3%程度は、維持をし続け、
 
 西欧近代化の衝撃が世界をめぐるなかでも
 独立を守って、戦前は英国と、戦後は米国との同盟を結んで
 欧米諸国と向かい合ってきたのも 日本人 です。
 
 この日本人を形成する 多次元複合方程式 について、
 
 わが国の国民自身が、より深く考えることができれば、
 国際社会でのわが国の地位やあり方もまた、変わっていくように思います。
 
 
 
1. モンゴルの国会/政府庁舎
2. ウランバートル市 中心部
3. インターンシップ就職セミナー(モンゴル日本センター)
4. モンゴル高専の日本語学習
5. モンゴル高専 工場 工作室 / 工作機械等 設備の整備が急務!!
6. 新モンゴル高専 航空機クラブ部室 / 新モンゴル学園は、日本の教育がモデル、
  日本と世界に留学生を送ることを目的にした モンゴル私立学校のトップ 
 
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7.  モンゴル科学技術大学付属高等専門学校 航空工学について臨時講義
   机 椅子 も 日本から持ち込んだもの
8.  モンゴル賛光精機 精密機械メーカーの部品を製作
   本社は埼玉県の100名余りの中小企業
9.  モン・シバザキ 自動車のブレーキ部品を製造 現地で工作機械を部分改造
   本社は埼玉県の100名余りの中小企業
10. 會沢モンゴル(會澤高圧コンクリート) 現地で冬季のコンクリート打設 建築工事を可能にする
  北海道 国内 アジアに、多くの生コン工場、コンクリート製品工場を保有
11. 国が計画した中間層向けマンション。
  この施行者 ナショナル建設 が、日本的経営の信奉者で、モンゴル高専 協力会 会長
  マンションの規模は2千戸以上 70㎡ 450万円程度
12. 民主革命のリーダー ゾリグ (中央右で眼鏡をかけている)
  1998年 政争の渦中 首相に推される直前に暗殺される。
 
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 さて、7月6日の 都立高専交流委員会 ですが 
 
 インターンシップ実施の課題や、
 モンゴルの日本式高専をめぐる人材育成への協力、
 中小企業家経営塾 や 学生海外派遣、新カリキュラム実施などの課題に
 どう取り込んでいくのか?
 
 などを課題とさせていただきたく考えております。
 
 どうぞ、よろしくお願い申しあげます。
 
 
 
東京中小企業家同友会 大田支部 都立高専交流委員会
 
グローバル・コミッション 田中基茂
東京都大田区山王 2-3-3 6F
TEL 5746-3041 FAX 5746-3081
 

 

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