都立高専交流委員会ブログ

都立高専と城南地域の中小企業(特に製造業)との交流・連係を図り、相互の利益と地域社会・地域経済の発展を目指します。

中小企業家経営塾 第3講 の ご案内 その他 の ご報告 など

2010年12月07日 | Weblog
  ☆★☆☆ 都立高専交流委員会 よりのご案内 2010.12. 7 ☆☆★☆
 
 
 平素より、大変、お世話になります。
 
 1984年より始まった同友会と都立高専の交流
 紆余曲折を経て、この交流が発展してきたのは
 未来志向型の人間関係 を 絶やさなかった ことによるものでしょう。
 
 私共の産学連携も、少しずつ、新しい段階に入りつつあるようです。
 学生海外派遣も3年目となり、
 昨年度に立ち上げた テクノシィ城南コミュニティカレッジ も
 ようやく、軌道にのりそうです。
 
 この中から、次の課題が見えてきます。
 
 ご案内と合わせて、
 本年の夏以降の活動報告の一部を、
 ご案内させていただきますので、ご笑覧いただけば幸いです。
  
  
 
1.12月10日(金) 中小企業家経営塾 第3講 の ご案内
  ㈱アクセスネット 高石和生 氏 (情産部会・台東支部)
 
2.学生海外派遣 大連の関係者 への お礼状 に ご返事をいただきました。
  マブチモ-タ-大連 古今 様  大連佳楽自動販売機経営 寺尾 様
  大連理工大学模具(金型)研究所 宋 副所長
 
3.本年度のインタ-ンシッブ と 大都市産業集積論
  多くの学生を受け入れることができました。有難うございました。
 
4.日本経済の針路 ……「円高/空洞化」とこれからの日本のものづくり
  (日経新聞「経済教室」より)
                                   
 
 
 
     12月10日(金)10:25 ~ 中小企業家経営塾 平成22年度 第3講
    
             エンジニア と 経営 と 拡がる未来
 
        講師: 株式会社 アクセスネット 代表取締役 高石 和生 氏 
 
  
■ 日 時  12月10日 (金) am 10:25 (講義開始) ~
■ 場 所  都立産業技術高等専門学校 西棟4階 物理化学講義室
      京浜急行鮫洲駅9分(品川区東大井1-10-40 TEL 03-3471-6331)
       http://www.metro-cit.ac.jp/information/map_shinagawa.html
       http://www.metro-cit.ac.jp/information/access.html
   
■ 参加費 講義 無料  講義後講師と昼食懇談(12:00~13:00) 1500円程度
■ お申込 お弁当を用意いたします(講義終了後 昼食懇談)ので、
      必ず、下記にご連絡の上、ご参加ください。
        gc-t@ac.auone-net.jp
  03-5746-3041(グロ-バル コミッション 田中)
 
 
 講師の高石氏より、講義のアウトラインをいただきました。
 
  エンジニア、経営 と 拡がる未来
 
1.私がここにいる訳( 導入 ~ 自己紹介 )
2.高専生考察   3.私の経営経験とIT業界事情
4.皆さんの大きな将来に向けて   5.まとめ(自身の夢とビジョン)
 
 東京同友会の情報産業部会からご紹介をいただいた
 アクセスネット 高石和生 氏 は、苫小牧高専 の ご出身。
 
 情産部会では、自身が高専出身ということで、
 私共の講師派遣のお願いに、手をあげていただきました。
 
 お仕事は、ソフトウェアの開発受託、
 最近は、ERP(統合型業務管理)の自社パッケ-ジの開発、販売を進めていらっしゃいます。
  
 授業では、
 エンジニアとして、また、経営者としての経験から
 社会で必要とされる(授業だけからは身に付けられない)
 コミュニケ-ション能力、物事をやりとげる能力などについて、
 また、それを、どう身につけていくか? について、お話しいただく予定です。
 
  http://www.access-net.co.jp/president.html

 
 講義終了後、昼食懇談となります。
 お弁当を用意させていただきますので
 ご連絡の上、ご参加いただきますよう、宜しくお願い申し上げます。
 
 
 
          中小企業家経営塾 学生海外派遣 大連市訪問 (第3回)
 
    学生海外派遣 大連の関係者 への お礼状 に ご返事 をいただきました。
  
 
 本年度が3回目となる 中小企業家経営塾 学生海外派遣
 訪問させていただいた学生、引率の 井上徹 先生、当方の礼状を
 10月の半ばごろ、送付させていただきました。
 
 このお礼状に、下記の方からお返事をいただきました。
 
■ 大連佳楽自動販売機経営有限公司 総経理 寺尾 好克 様
  (寺尾氏は都立高専の卒業生。
   大連佳楽は富士電機の自動販売機市場を、自販機がなかった現地で開拓しています。)
 
■ 万宝至馬達(マブチモ-タ-)大連有限公司 総経理 古今 敬之 様
  (古今氏は、大連日本商工会の理事長でもあります。)
   
■ 大連理工大学模具(金型)研究所 宋 副所長
 
 ご興味のある方は、お問い合わせください。
 いただきました返信の内容を紹介させて抱きます。
 
 大連理工大学模具(金型)研究所の宋先生には、
 学校の 曹梅芬 先生にお願いして、中文の返信を差し上げました。
  http://www.metro-cit.ac.jp/major/shinagawa/electric/m_cao.html
 
 
 
 
    インタ-ンシップ と 大都市産業集積論 の ご報告
 
 
 夏季授業となる インタ-ンシップ と 大都市産業集積論 では
 大変、多くの企業の皆様に、学生を受け入れていただきました。
 誠に、有難うございました。
 
 
 インタ-ンシップ の学生受入は、
 下記の通りです。(敬称略、カッコ内は受入学生数)
 
 本 科  奈良機械製作所(2) タシロイ-エル(1) 広沢電機工業(1)
      ア-ルシ-ソリュ-ション(2) 京浜工業所(1) 睦化工(1)
      アバ(3) 理化学研究所大森素形材工学研究室(7) Ray Arc(1)
      ヒタチスプリング(2) 富士ソフト企画(2) アイ・ディ・エス(2)
 
 専攻科  クライム・ワ-クス(1) デ-タ・テック(1) リプス・ワ-クス(1)
  
 15社の企業様にご協力をいただき、28名の学生を受け入れることができました。
 この5年間の受入企業数、受入学生数は、下記の通りです。
 
 2010年(本年) 15社 28名  2009年 10社 15名  2008年 16社 25名
 2007年 17社 34名  2006年 12社 21名 
 
 皆様のご協力を感謝申し上げます。
 
 学校では、
 インタ-ンシップを地域の企業との連携の基軸に位置づけていこうという
 考え方もあるようです。
  
 来年度は、より早い段階から、準備を始めたく考えておりますので
 宜しくお願い申し上げます。
 
 
 大都市産業集積論(学生の地域企業フィ-ルドワ-ク)につきましては、
 下記の企業様に受け入れていただきました。 (敬称略)
  
 9月16日
  小松ばね工業 京浜工業所 吉村紙業(品川支部) デ-タ・テック レガーロ
 9月17日
  広沢電機工業 フルハ-トジャパン サタコ 三和電気 日本コンピューター開発
 
 こちらについては、受講学生 と 受入企業 が、半減しております。
 学生たちの報告が、学内に掲示されました。
 
 
 (クリックスルと画像が大きくなり、もう一度クリックすると、更に大きくなります。)
  
 
 三和電気様では、
 訪問した学生とお話しいただくだけではなく、
 訪問した学生が、従業員の懇親会に参加させていただいたとのことです。
 
 ご協力いただいた皆様、誠に、有難うございました。
 
 
 
   日本経済の針路
 
    ……「円高/空洞化」とこれからの日本のものづくり
     
 
 9月末の日本経済新聞「経済教室」欄に、
 「日本経済の針路/円高と空洞化」という連載が掲載されました。
 
 このうち、一橋大学教授の
 関満博 氏 (9月28日)、石倉洋子 氏 (9月30日) の論考が、興味深い内容です。
 
 関満博氏は、
 1990年代までの わが国産業の黄金時代をつくった
 「加工」「組み立て」から
 「素材」「開発」「消費」「サ-ビス」へと、産業の基軸を転換するところから
 21世紀の日本産業のあり方が見えてくる …… とし
 
 石倉洋子氏は、
 「国内か、海外か」(OR)の二者択一は無意味
 国内と国外、日本と世界を「AND」結びつけて、
 企業、個人、国と都市(地域社会)の行動を変革せよ!
 自ら限界をつくったり、悩んでいる暇はない。
 新しい始まりへ、行動を起こせ! …… としています。
 
 二つの論考に共通しているのは、
 労働市場改革、教育改革 が 必須の課題 となることです。
 
 テクノシティ城南コミュニティカレッジの資料にも入れさせていただきましたが
 以下に、当方の文責による「要約」を記載させていただきます。
 
 
 
 関満博 氏
 
  「素材」「サ-ビス」に可能性 / 「加工」で中国に勝てず
 
   …… 労働市場の改革が必要
 
 
・最近のものづくりの現場で目立つことは
 電子機器部品(モジュ-ル)のロ-エンド製品の供給者が、
 中国に進出した台湾企業から、
 いつの間にか 中国ロ-カル企業 に置き換わっていること。
 
・工業製品の多くが、中国を中心に大きな産業構造変化の渦中にある。
 この流れは、ますます、強まっていき、
 「オンリ-ワン」「オ-タ-メイド」あっても、国内に残れるとは限らない。
 
・中国のものづくりの現場は
 すでに、この世の中にあるものは、必ず、自分たちにもできる。
 誰かがやったのだから …… という信念のもとで、突き進んでいる。
 
・必然的に、これからの、わが国の ものづくりの課題 は
 「まだ、世の中にないもの、形のないもの」に、向うことになる。
 
・これからの日本では、ものづくり産業が(大きな)雇用を生み出すことはない。
 資金と企業は一気に海を超えるが、労働市場は国内に閉ざされる。
 
・問われるのは、この閉塞を打破する労働市場改革と人材育成(教育改革)
 
・「素材」「開発」「加工」「組み立て」「消費」「サ-ビス」という
 ものづくりのフロ-から、この点を見れば

・「加工」「組み立て」は、
 1990年代より、中国、途上国にシフトし続けている。
 
・わが国は、この ものづくりの担い手 の変化、
 戦後60年の わが国における積み上げ を踏まえ、
 「素材」「開発」「消費」「サ-ビス」へと
 産業の基軸を 移す べきである。
 
・「素材」「開発」は、科学技術と産業技術を結びつける領域であり
 科学技術教育 と 産学連携 の真価が問われる。
 
・「ドイツの品質」「中国の価格」「日本のサ-ビス」が中国企業の目標
 世界で最も成熟した社会(「消費」)を基盤に
 「マニュアル社会」から脱却して、わが国本来のサ-ビスを取り戻し、
 
・「素材」「開発」「消費」「サ-ビス」を結びつけるところに
 21世紀の わが国産業 のあり方を見いだしていくこと。
 
・世界最先端の成熟社会、少子高齢社会に積極的に向かい合い
 人類の未来に大きく貢献し、世界の人々を「幸福」にする
 覚悟と意志こそ、問われている。
 
 
 
 石倉洋子氏
 
   世界への飛躍のチャンスに!
 
   優れた人材集めよ …… 国内との二者択一から脱却
 
 
・世界が統合化と多様化の両方の傾向を見せ
 企業間でも、協働と競争が共存する時代にあって
 国内か、国外(海外)かと「OR(あれか、これか)」で考えることは、不毛。
  
・「OR」を「AND」に変え、
 日本と世界(国内と国外)を結びつけて、事業を展開し
 新しい価値を世界にもたらすことが問われている。
  
・旧い考えを固守しようとすれば、国内の雇用はじり貧となり
 これから就職する若い世代に打撃が集中する。
 
・「AND」の時代に問われるのは、
 日本と世界を結んで、職業を選択し、
 多様な機会に挑戦し、そのリスクを引き受けることのできる人間教育(教育改革)
 
・高いスキルをもった多国籍の人材や企業を呼び寄せ
 優れた価値を世界に発信するプラスサムの競争、協働を実現する
 国、都市、地域社会 の 改革 こそ問われる。
 
・自らに限界をつくり、悩んでいる暇をない。
 身近に迫る危機を実感し、
 企業や個人、国、地域が何をしなくてはならないかを、真剣に考え、
 行動を起こせば、希望はある。
 
・空洞化は恐れるものではない。《新しい始まり》である。
 
 
 
グローバルコミッション 田中基茂
東京都大田区山王 4-19-6 4F
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