大島恵真(おおしま・えま)の日記

児童文学作家・大島恵真の著作、近況を紹介します。
絵本作家・大島理惠の「いろえんぴつの鳥絵日記」もこちらです。

シジュウカラ巣立ち(2013.5)

2013年05月09日 | スケッチブック
みなさま こんにちは!

けさは、庭の巣箱のシジュウカラのひなが全部巣立ちました!
ヒトの家のシジュウカラの話などおもしろくないと思われますが、
毎日、観察してきた身にすると、感慨もひとしおなので、報告させてもらいます。

今回巣立ったのは、たぶん5羽。
現場を見逃したので(惜しい)わかりませんが、裏のお宅の庭に5羽いたし、
巣箱からは声もしないので、5羽ということにしておきます。
両親は、オスのBちゃんとメスのAちゃん。
なぜメスのほうがAなのかというと、Aちゃんは、去年の6月から
うちの庭にきていたヒナだったからです。

去年の6月28日、庭に来るようになったAちゃん。
毎日観察しているうちに、緑色の羽は少しずつ黒くなり、
おとなのシジュウカラっぽい外観になりました。
秋になると、太いネクタイのBちゃんが登場。
このころは、ぎざぎざネクタイのCちゃん、細ぎざぎざネクタイのDちゃんなどもいたのですが、
だんだん、BちゃんとAちゃんで安定してきました。

はじめてAちゃんが庭の巣箱をのぞいたのは、春のきざしのみえた2月20日。
巣箱に入ったのが、あたたかい風の吹いた3月18日。
3月19日には、巣穴をコンコンつついてカスタマイズ?するAちゃんの姿がありました。
シジュウカラはメスが巣作りをするようで、
3月20日から、Aちゃんがひとりで巣材を運び始めました。
スズメに巣箱をおそわれそうになると、
ヒナの頃からの気の強さで、ひとりで応戦。

そんななか、4月19日、ようやくBちゃんが働きはじめます。
虫をくわえて、巣箱をのぞき、虫をくわえたまま、去っていきました。

そして4月20日、巣箱から「シシシシ…」とヒナの声が聞こえました!
新米ママのAちゃんは、ひそかに卵を生み、あたためていたんですね。
前日のBちゃんの行動は、ヒナがまだかえっていないということだったのでしょうか?
小雨のなか、夕方までに、ヒナの声は複数になりました。

それから、Bちゃんはおおいそがしです。
ヒナのごはんである虫を、何度も巣に運びます。
虫の大きさは、初日は1センチ以下の小さなものだったのが、
だんだん、1.5センチくらいになり、「いもむし」とはっきり認識できる形になりました。

4月25日には、巣からヒナのフンをくわえて持ち出すAちゃんの姿が。
それからは、夫婦で虫さがしです。
虫の種類も、シャクガ(たぶん)の幼虫、クモ、ガなど、さまざまに。

虫をくわえてきたBちゃんが巣箱に入ろうとすると、
同じく虫をくわえたAちゃんが、となりの枝で羽をふるわせていることもありました。
去年までヒナだったので、ヒナ時代を思い出してしまったのか???

家の前の電柱に天敵カラスがじっととまり、夫婦は巣箱に近づけないこともありました。
やむなく、人間が窓から手を出してカラスを追い払うと、
待っていたように、二羽が飛んできました。
(ツバメは人通りの多い場所を巣に好むということですが、住宅街のシジュウカラも???)

孵化から14日目、夫婦は朝からおおいそがしですが、
ときどき、Aちゃんが、Bちゃんに対して羽をふるわせてジージー鳴きます。
この行動は、巣立ちの2日前までひんぱんに見られました。

孵化から18日目、おもに働いているのはBちゃん。
Aちゃんはというと、虫をとってきても小さいのだったり、もってこなかったり、
朝、数粒出している皮むきヒマワリを餌台からもってきて、
巣箱の横で自分だけで食べていたり、
そしてBちゃんが来れば、羽をふるわせます。
これは、もう次の繁殖のことを考えているのか???と頭が?でいっぱいになった、翌日。

19日目。天気もよく、朝から気温が上がっていきます。
大阪万博公園の記録では、シジュウカラが巣立つのは孵化から18~20日ということで、
きょうあたりが巣立ちか?とこちらもそわそわしながら窓の外をのぞきます。
ところがこの日、Bちゃんの姿が見えません。
虫をもってくるのは、朝からAちゃんだけ。
きのうまでのやる気のないAちゃんとはちがう鳥のように、2分おきに虫をゲットしてきます。

とうとう、Bちゃんの姿は見えませんでした。
死んでしまったのでしょうか。

Aちゃんは午後からの強風のなかも、機械のようにいったりきたりで虫を運んできます。
運んできては、フンを持ち出す。
その間、ヒナたちは、巣穴から外をのぞき、鳴くようになりました。
もう、シジュウカラの顔をしています。
ヒナの声に引き寄せられたのか、スズメやメジロが巣箱をのぞきにくると、
Aちゃんはすかさず追い払います。
カラスの声がすれば、すっとんでいって様子を見、
うちの猫のしっぽが窓から見えれば、仁王立ちで目を丸くして見、
いそがしいこと、このうえありません。
Aちゃんの奮闘は、この日の18時すぎまでつづき、夜は、巣箱は静かでした。

そしてきょう、孵化から20日目。
気になって5時30分に起きて、窓をあけても、ヒナの声は聞こえません。
あれ、巣立っちゃった?と思っていると、
窓の開く音に気づいたのか、畑からすっとんできたAちゃん。
ママの羽音を聞いて、ヒナたちも、「ジジ」と小さく鳴いて目覚めたようです。

それにしても、まだAちゃんは虫をもってくるので、
もう1回寝てから観察、と思って寝ていると、
7時前、急に巣箱がさわがしくなりました。
ヒナの声が大きくなり、Aちゃんらしき親鳥の「ピツピツ!」という声が聞こえます。
Aちゃんの声は巣から離れたところで何回も聞こえます。
もしや巣立つ?と思ったとき、
2階の窓の外に、横切る鳥の影が。

巣箱の見える部屋にいってみると、もう巣立ったあとでした!
孵化してから20日目で、一瞬のうちに、巣立ちは決行されたのです!

3年前、はじめてヒナが庭で巣立ったときは、
孵化から14日目(と思ったのですが、もうちょっとたっていたかも)、
巣立ちの時間も最初のヒナから最後のヒナまで、30分かかりました。
そのときの巣箱は底が浅かったので、
ヒナが穴からとびだしそうになる姿がよく見られました。
やむなく、早めに巣立ってしまったのかもしれません。
ヒナたちは、まだしっぽが短く、ヒナ顔で、
飛べないで地面に落ちるものもいて、
けっこうはらはらしたものでした。

今回は、そのような心配はありませんでした。
ヒナたちは、Aちゃんの誘導のもと、無事、裏のお庭に移ることができました。
カラスにもみつかりにくいし、Aちゃんの懸命さがみのったかたちでしょうか。

新米1年生ママの奮闘にはおつかれさま、と、
姿を見せなくなってしまったBちゃんの奮闘にも、よくがんばったね、どうか無事で、
と祈りと敬意をあらわしたい、初夏の朝でした。




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