大島恵真(おおしま・えま)の日記

児童文学作家・大島恵真の著作、近況を紹介します。
絵本作家・大島理惠の「いろえんぴつの鳥絵日記」もこちらです。

シジュウカラが育っております!

2015年06月21日 | スケッチブック
シジュウカラのひなが、10日前にふかしたようです。
最初は「シシシシ」なんてかすかな声だったのが、
部屋の中にいても「ミミミミ!」と大きな鳴き声が聞こえるようになりました。
ところが昨日、門の内側に一羽のひなの死体を発見。もう冷たくなっていました。
その日の午後、門の外にまたもや死体を発見。なんとなくあたたかい感じもしました。
そしてきょう。小雨の中、シジュウカラの親たちがひっきりなしに虫を巣に運んでいる様子を、鳴き声だけ部屋の中で確認しては安心していたさなか、
巣のほうで「ジキジキ!」と二羽の異常な声。
窓にかけつけると、モズが巣箱の上に乗っているのです。
人がこちらから見ていても平気。なんとかおっぱらうと、親たちもジキジキ鳴きながら追っていきました。
うーん、二つの死体はモズのしわざでしょうか。

しばらくして、戻ってきた親シジュウカラたちは、ジキジキ鳴きを繰り返し、巣箱のまわりを飛び回っていました。そして、これまでは近所の畑で虫をとってきていたのが、遠出をしてはまずいと思ったのか、うちの庭ですませるようになったのです。
キチョウの幼虫らしき青虫、ビオラの葉影でもうさなぎになろうとしていたツマグロヒョウモン幼虫など。雌シジュウカラが、ツマグロをくわえてきて、塀の上にたたきつけて半分くらい食べるのを見てしまいました。親もお腹がすくんですね。

はたして、うちのキチョウたちはどうなっただろうかと庭に出てみると、ハギの枝に朝は6匹はいた終齢の幼虫が、一匹もいません。きっとシジュウカラたちに狩られたのでしょう。
そこへ、シジュウカラ雄が、門の上をホッピングしてきました。私の顔を見て、ジキジキ鳴きます。あっちへ行けよ、か、モズをどうにかしてくれよ、かどちらでしょうか?

その後、こんどは、電線で、雄シジュウカラがピチチ!ピチチ!と、今まで聞いたことのない声で鳴き出しました。その下を見ると、黒猫がそそくさと歩き去っていくところでした。

ツバメは人通りの多いところでよく子育てをするのを見るけれど、神経質なシジュウカラはどうでしょうか。とにかく今回は、あと一週間、モズにひなを持っていかれずにがんばってほしいです。
と、この文章を書いているあいだにも、モズが来て、次にはちがうシジュウカラが巣をのぞきにきて、3羽でバトルチックな追いかけっこに。シジュウカラの世界もたいへんですね。

☆イラストは、今朝の庭のスケッチ。左のひなが、門に落ちていたものです。きれいな体でしたが、背中にくちばしのあとのような傷がありました。ここに描いたキチョウ幼虫は、いなくなっていました。コミスジ幼虫は地味なためか、みつからずにすんだようです。下北沢のカフェ「ダーウィンルーム」で購入したミニルーペも活躍してます!この大きさで16倍。皮膚のしわがよく見えます。

☆ところで。このイラストではないのですが、こんな感じのイラストが、2、3年後の美術の教科書に載ることになりました。出版社さんからそのような連絡がありました。なんの気なしに、でも楽しんで描いたものを使ってもらえるなんて、こんなうれしいことがあるでしょうか~(^^)! みなさまも、ぜひ、身近な記録をスケッチや文章で!

☆『つばさ』大島理惠著 文研出版刊 発売中です!☆

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人間のエゴと気づき---みなさまの声☆4

2015年06月14日 | 執筆の仕事
児童文学『つばさ』。
みなさまの声も集まっております!
今回掲載させていただくのは、
「これを書きたかったんだよね」という私の芯をさっと拾い上げてくださった、
Sさんのご感想です。

☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆

知識や経験、生き物への愛情がいっぱい詰まった物語でした!
人間が野生の生き物の生活に介入することの葛藤がよく描かれていました。
それだけに最後の翼と博の応酬は胸がピリピリする感じがありました。
こどもってだいたい小学生の頃になんらか生き物を拾ったりして
生き物の死を目の当たりにしますよね。
そのときに去来するさまざまな感情や葛藤がよく伝わりました。

野生動物と人との関係、その葛藤、
博とのやり取りを通して見える
翼のエゴイズムや、そのエゴへの気づき、
それが、小さな一羽の雛を犠牲にしなければ得られないものであったという、
人間のこどもが成長するときに、必ず他を犠牲にしながら成長するということの
なんというか、人間の原罪性、
そういうものが描かれているところ、とても良かったです。

三人の関係も、大雑把だけどほがらかな洋平が触媒になってくれて
博が受け入れられてゆく様子や
実はもっとも強いかもしれない姿が見られたり、とてもよかったです。

たくさんのこども達が、ピーチとツピーチの姿を通して、
生き物への好奇心やダーウィンなどの世界に出会えますように!

(Sさん 作家)
☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆


人間と動物の関係ってなんなのか?
人間と動物、はたまた違う種類の動物のあいだに、愛や共感などの感情はうまれるのか?
人間は、動物とどうかかわっていけばいいのか?
そのようなことをテーマに(いえ、もっとSさんの思考は奥深いのですが、
私のボキャブラリーではこの程度になってしまいますこと、お許しください…)、
ご自身も、ふだんから自然に接し、世界に視野を広げ、
作品では自然の植物や生き物と人間とのかかわりに触れられているSさん。
私も、もっとがんばらねば!と勇気をもらえました!

Sさん、ありがとうございました。
これからも、身近な自然から宇宙まで、子どもたち、
私たちをわくわくさせてくれる物語を紡いでいってくださいね!

『つばさ』大島理惠著 文研出版刊 発売中です!☆



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