大島恵真(おおしま・えま)の日記

児童文学作家・大島恵真の著作、近況を紹介します。
絵本作家・大島理惠の「いろえんぴつの鳥絵日記」もこちらです。

いろいろな猫の思い出・親分

2021年08月28日 | 黒猫ノアのはなし
黒猫ノアのはなしではありませんが、ノアに出会う前にもさまざまな猫に出会いました。
猫を飼いたくても住宅事情で飼えなかったり、鳥を飼っていて飼えなかったりした時期の、野良猫や外猫との思い出が鮮やかに残っています。

〇親分

親分は、私が独身時代に住んでいた下町の、アパートの裏手の小さな公園をなわばりにしていた猫でした。
とてもりっぱな体格のとら猫でした。明らかに普通の猫よりも一回り大きかったのです。
まるでオオヤマネコのようでした。
丸い大きな目、丸い大きな頭、しっぽは長く太く、環っかもようがはっきり出ていました。
その太いしっぽをゆらゆらゆらして、楽しそうな顔でやってきます。
そのあたりの猫の中でもボス格だったのか、人にもいちばん慣れていました。

私はよく、夜に親分に会いに行きました。夜は猫の集会の時間だったようで、いろいろな猫がいました。
お目当ての親分は、いつも丸い目をくりくりさせてやってきてくれます。
頭を撫でていたら、近所に住んでいるらしいおじさんたちが通りかかり、「それ、お宅の猫なの? いーい猫だねえ!」とほめてくれました。
もちろん私の猫ではないですし、私がほめられたわけでもないのですが、うれしく、満足した気分になりました。

体格のよさと人慣れした感じから、どこかで飼われている外猫なのだと思いました。
おうちでは、ゴロゴロニャーンと甘えた家猫さんになるのでしょう。
でも、公園では「親分」なのでした。

どうしているかなあ。といっても、もし生きていたら化け猫年齢です。
それも親分には、似合うかもしません。
今でも私の頭の中では、しっぽの太い大きなとら猫が、目をくりくりさせてごきげんで散歩しています。

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