私を育てようという立派な人を裏切ることはできない
第九章 全青春を衆愚政治との対決に ・8・
自書●「改訂 日本海時代の首都実現に燃えて」
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--それでも私はなぜ出馬するのか-- 西川攻著
第九章 全青春を衆愚政治との対決に
8・私を育てようとする立派な人を裏切ることはできない
翌朝なぜか秩父を出て飯能にいました。
あても無い将に、さまよって、たどりついただけでした。
昼間から酒を飲んでいました。
また飲まずにはおれない複雑なむなしさがこみあがってきておりました。
飯能のあるビジネスホテルに滞在して二日目の夕方、手首と足に痛みを感じました。
町の薬局にて湿布と痛み止めの薬を買い求め応急措置をしましたが、ますます痛みが激しくなりました。
手首と足が赤くなり熱く止めどなくズキンズキンと脈を打つ様な痛みが突き刺してきました。
悶々とした心にむちを打つ如く一睡も眠ることなく一晩中「痛い痛い!ウッ!、ウッ!」と痛さを耐えんがための叫びっぱなしの一夜が明けました。
然し依然として痛みはひどく、最も恐れていた、足で歩くことができなくなる最悪の事態になりました。
暫らくぶりの通風の発作が起きてしまった訳です。
しかし昨晩必死に痛みに耐えがんばることに精一杯戦ったわけであり、こんなに我慢強い自分が何で簡単に死を考えたのか、いずれにしろ真剣さが欠如していたのではないかとの考えが、走馬灯の如く頭の中を駆け巡りました。
いわば通風が死に向かっていた心を救い、明日への燃える新たな決意を駆り立てることになったとは、将に奇異なことという他ありませんでした。
いずれにしても、今、尚数は少ないが私に対して激励や後援をし続けんとする信念と哲学をもった立派な人を裏切ることは最も人道に反することあります。
それらの人びとに必ず勝利して報いなければならないとの誓いを固く心に刻みました。
とりあえず通風との闘いが当面の課題となりました。
朝、這うようにしてタクシ-に乗り込み、ある私立の大学病院に着きました。
自分の力で歩けないので、看護婦が車椅子を用意してきました。
それによってかろうじて診察を受けましたが、痛みは激しさを増し、全く歩ける状態には戻りませんでした。
帰りは近くのホテルまでタクシ-に乗り、ホテルの人数人の力を借りてようやく部屋にたどりつく事ができました。
かなりの重症であり、いつまで滞在せざるを得ないか、全く見当がつきませんでした。
しかし今度は次期衆院選に向けての熱き思いがっ先行し、武者震いすら感じ気が焦り、早く行動に着手したい意欲が盛り上がってきました。
『必ず勝たなければ!』と心が勇み気持ちが痛みよりも昨晩とは逆転していました。
結局其のホテルには一週間ほど通院をかねて滞在してしまいました。
歩けな無かったのだから仕方が無いものの随分無駄な時間と金を費やしたものとの反省を少し感じました。
しかし二度とできない貴重な体験だった事ではありました。
平成24年4月25日
西川攻(さいかわおさむ)でした。