自書●「改訂 日本海時代の首都実現に燃えて」＜５８＞--それでも私はなぜ出馬するのか-- 西川攻著

明日が見えなくなった三度目の落選

 

 

第九章　全青春を衆愚政治との対決に

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自書●「改訂　日本海時代の首都実現に燃えて」

　　　　　　　　　　　＜５８＞

--それでも私はなぜ出馬するのか--　西川攻著

 

 

 

第九章　全青春を衆愚政治との対決に

 

６・明日が見えなく　　　なった三度目の落選

　　

　

　「使命感と確固たる信念がある以上、たとえその過程の一時期の結果がどうであろうとそれは過渡的な現象であり、なんら恥じることも動揺する必要もない」との心組みを以って行動して参りました。

 

　然し平成２年の３度目の落選のときは、さすがに私も明日が見えなくなってしまいました。

 

　最初に落選した後ある新人若手代議士を訪ねた折、私のパンフレットを見て「これだけでも５０００票は取れるはずだと思うが、どうしてこんなに票が少なかったのか不思議だ」としきりに首をかしげておりました。

 

　目先の利益や、情に訴えてまで票を取る等と言う事はどうしても自分が頑なに許さないことでした。

 

　寧ろこのような悪しき選挙土壌と正面対決し「主体的に自力で、判断できる選挙民の育成」こそ民主政治の根本であり、然るべく政治家選出できる民度へと改造することのみに精力を注いでいた訳でありました。

 

　その結果当然の如く「生意気だ」「若いに人を小馬鹿にしている」「金もないのに頭の下げ方が足りない」などの陰口を尻目に自らの信じる道を突っ走る”我だけが知る自負と充実感"をバネに頑張り抜いて来ました。

 

　また私の考えに賛同し励ます、数少ない有権者が当時千金、万金に値する勇気をかき立ててくれたものです。

 

　然し折角の使命感と志の高さは圧倒的多数の愚(其れさえも気が付いていない悪しき選挙民)に吹飛ばされた訳であります。

 

　マスコミやパホ－マンス既成議員は選挙民は利口になってきているとしきりに国民を口先では持ち上げております。

 

　然し、率直に申し上げまして、今の政治家の惰性と腐敗の停滞政治を生み出しているのはまさしく判断力のない選挙民の投票行動の結果であることは決して否定できるものではありません。

 

　判断をする基礎資格さえ麻痺している者の投票行為が齎す悪影響は計り知れません。

 

　私はたとえいくら苦しくともこの一線だけは譲ってもという気には全くなれるものではありませんでした。

 

　然しこのまま選挙民に対する姿勢を崩さない限りいったいいつ当選できるのか、全くおぼつかないことも事実でありました。

 

　三度目の悲惨な結果が出た後、日が経つにつれ今後どうすればよいものか途方に暮れました。

 

　厚遇するからとの民間企業からのスカウトも二、三ありましたたが、全くそちらの方には心が動きませんでした。

 

　それだけに益々自分の殻の中で苦悶し始める破目となりました。

 

　暫らく悶々とした日々を過ごしつつも、俺の本質は「我のみぞ知る」との気概を以って何とか数日間は維持してはみました。

 

　本来的に短気な性格の故、早く白黒をつけたいとの苛立ちが昂じ、何ともし難い心理状態に陥り明日が見えなくなりました。

 

　そんなある日、選挙区を離れ新潟市のあるスナック一人で飲んでいると、中年と初老と思われる紳士然とした二人が突然

「先生じゃないですか。

今回はご苦労様でした。

若いからこれからです。

あの選挙区で

素手でやった

のですから、

票は

あまり

気にする

必要はないんじゃないですか。

これからですよ。」

と言ってくれた言葉が仮に儀礼上のものであったにせよ、明日に向かう勇気を少なからず与えてくれたことは事実でありました。

 

　彼らは私の年二回の恒例の小規模ながら開催するパ－テ－券を毎回購入してくれている大手企業の共に支店長でありました。

 

　こうしては居れない、彼らの意に報いるべく、兎に角、次回に向けての行動を起さなければならないと思いました。

 

　明日東京に行こう。

 

　そして何らかの活路を必ず切り拓こうと決意した次

第です。

 

 

 

 

 

平成２４年４月２３日

西川攻（さいかわおさむ）でした。