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「あ、蝶だ。」 |
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「綺麗だなあ。」 |
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「なんだか、この世のものじゃないみたいだ。」 |
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「……そういえば、蝶がとても印象的な映画がありましたねえ。」 |
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「うむ。あれか。蝶が自由の象徴になっていたな。」 |
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「あれは、自由というより、単に物理的な解放に過ぎないのでは？」
「ん？ 第三アンチノミーか何かを念頭に置いて言ってるのかね？」 |
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「自由の名に値するのは本来、道徳的な自律のみであると？」 |
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「そこまで言うつもりは……。それに、そういう映画じゃありませんし。」 |
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「それよりも、メタ倫理では、どうしても相対主義を克服できなくて……。」 |
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ひらっ |
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「……あ、あれれ、行っちゃいましたね。」
「うーむ。ヤボな話を始めたんで、嫌われたかな。」 |
