闘いは上品に

2010年04月05日 17時28分00秒 | B地点 おかか

 

 

オムイ外伝 第五部(人情濃厚篇) 第32話



この男 ―― 公儀隠密忍群に属する、中忍の一人。
下忍たちを束ねる、いわば中間管理職である。
そこへやって来たのが、おなじみの追忍。

たったったっ
「オムイ打倒の必殺技、完成いたしました!」
「ほほう? オムイを倒すとな!?」

「御意!」
「その必殺技とやら、見せて貰おうか……」
「ははッ」
「では、さっそく」

「ん? そこでやるのか?」
「ご覧くださりませ!」
しゃしゃ~
「この技を使えば、さしものオムイも……」
ぐはあーーーッ!
「……となるは必定!」
「ちょ、ちょっと待て」
「それって要するに、オシッコをかけるだけか?」
「御意!」
「下品なので却下する」
がくっ

「そ、そんなぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


きっと誰かが

2010年04月05日 16時39分00秒 | B地点 おむ

 

 

美しい風景や事物に心を奪われることがある
けれど、その感じを伝えることが、できるかどうか
その時、雨が上がりかけいて、桜が満開だった、と、
そう言っただけでは、解ってもらえないだろう……
水たまりに落ちている花が
冗談のように綺麗なので
神様にバカにされているようで
なんだか腹が立ってくるほどだ
何億何兆もの花びらが、一斉に開いて、散るなんて
そんな営みが、何万年も続いているなんて
それが、冗談でも無意味でもないのなら、一体、何なんだ……
空気がじっとりと重く、音がこもって、よく聞こえない
まだちょっぴり降っているから、出歩く者もない

僕とカメラのお兄さん以外には、生き物が存在してないみたい

パラレル・ワールドに迷い込んだような、不思議な感じ
どれほど言葉を連ねても、どれだけ写真を重ねても
この情景は、この感覚は、この思いは、うまく表現できない
結局、誰にも解ってもらえないような気がする
それでもやっぱり、伝えたくてたまらない
期待せずにはいられないんだ
きっと誰かが解ってくれる、って