花見で唄おう

2010年04月04日 16時37分00秒 | B地点 おかか

 

 

「今日は曇ってるし、寒いですけど」
「桜は満開ですね!」
「うむ。まさに見頃だな」
「ほら先生、あそこでもお花見をしてますよ」
「ほほう? カラオケまで持ち込んで、本格的だなあ」
「よ~し! 私も歌うぞ!」
「えっ……先生が……?」
「ふふふ。そう嫌な顔をするな」
「たまには歌いたくなるのさ」
「では聴いてくれ! おっほん!」
「♪~」

←歌い始めた
「♪~♪♪~」

←サビに達した
「♪♪♪~~~!!」

←絶唱
おかか先生の歌声が、あたりに響き渡った。
すると……桜の花が、ぶるぶると震え始めた。

ぶるぶる
そして、はらはらと散り始めた。

はらはら はらはら
はらはら ぽっとん
はらり
ぽっとん
「おお!? ……美しい!」
「私の歌声に感動して、花が散ってゆくぞ……!」
「……感動して?」
「よく、ぬかみそが腐るって言うけど……」
「聴くに耐えないんで、花が身投げしてるんじゃ……」
「何?」
「何か言ったかね?」

「えっ!?」
「い、いえ別に何も」

「……」