土佐のくじら(幸福うさぎ丸)です。
昨日は、私が貯めていた、(幸福うさぎ丸)に関する記事を、一気ご紹介いたしました。
初めて当ブログにお越しになった方は、ビックリなさったかも知れませんね(笑)。
カテゴリー分けしましたので、今後ご自由にお使いいただければ幸いです。
さて今まで私は、江戸時代に関しては、良い評価を下していなかったように反省しています。
江戸時代の基本的施政方針である、統治主義的天下布武政策が、
現代の憲法9条下での絶対平和主義とリンクしていると考えるからです。
しかし、近代~戦後の日本が、世界の人種差別撤廃や、国境概念の定着に大きな影響を与えたように、
この江戸時代もまた、大きな時代的貢献のあった誇るべき一時代であることには変わりありません。
今回は、そういったポジティブな面での江戸時代について、述べてみたいと存じます。
さて、江戸という都市は、徳川家康が造った都市です。
それが江戸時代初期には、人口100万の都市、即ち、当時の世界最大の都市に成長し、今の東京に至るのは、皆さんご存知のことかと思います。
この江戸ですが、何もない広大な湿地帯から造った、完全な計画都市なのですね。
最も優れていたのは、人口100万人を内包できるインフラが、当初から整っていたことです。
まず水ですね。
生活飲料水は、当時の世界の都市の中で最も充実し、しかも圧倒的に清潔な水でした。
よく時代劇などで、井戸端会議のシーンが映りますので、井戸・・・つまり、
地下水を利用しているように思われるのですが、あの井戸は、通常の地下水を使ったものではありません。
姿かたちこそ井戸ですが、立派な上水道なのです。
多摩川の上流から水を引き、それを地下に通して、それを井戸でくみ上げているのですね。
江戸のほとんどが、湿地帯を埋め立てて造られておりますので、地下水を掘っても、
海水が混ざったものが出てくることが多く、地下水は飲料には適さないのです。
ですからこのように飲料水は、現在と同じように川の水で上水道を使用しました。
大変な大規模工事だったし、ものすごい都市計画と発想、そしてテクノロジーだと思います。
また市民が使うトイレも、幕府が作り、そして管理していました。
糞尿を幕府が買い取り、肥料や火薬の材料にしていたのですね。
ですから、当時の江戸は、世界で最も清潔な大都市だったのです。
当時ヨーロッパでは、まだトイレに糞尿をする習慣はできてはいませんでした。
フランスの、ベルサイユ宮殿にはトイレがないことは有名な話です。
ですから、王族貴族~一般庶民に至るまで、ヨーロッパではトイレに用をたす習慣そのものがなかったのです。
これは彼らが本来、遊牧民族であることが影響していると思われます。
汚い話で恐縮ですが、各自マイポット(おまる)を持っていて、それに用を足し、家の外に捨てていたのですね。
家の2階から糞尿を撒く時には、「今から撒くぞー。」と、声を掛けなければならない・・・。
という、清潔好きの日本人からすれば、信じられないような法律すらありました。(笑)
当然、街の中は糞尿まみれです。
ですから糞尿よけのために、日傘やハイヒールができたのですね。
おぅゑぇ~~~~。失礼。(^^;
まっ昼間っから、ホント、恐縮です。
お食事中のお客様、大変申し訳けありません。
気を取り直して・・・(笑)
そして、今でも私の暮らす高知市などには残っているのですが、
街の中にわざわざ、クヌギなど、広葉樹の人工林をつくり、そこから出る薪を、市民の燃料にしていました。
ですから江戸庶民は、わざわざ遠くの山から、薪を運ぶ必要はありませんでした。
都市近郊に、油田があるようなものです。
この雑木林を市民が管理していたのですが、この風潮、習慣が長きに渡った江戸時代に日本人に定着したことで、
日本人に、植林・・・という文化が生まれたのですね。
この植林文化、つまり木を切れば、次の木を植えるのは当たり前・・・こういう発想をする民族は、世界では日本人だけなのです。
通常は、木は切ったら切りっぱなしなので、人口が増え文明化が進むと、木の消費量が増えた都市は、通常では都市の近くの山は、禿山になるのです。
しかし、日本だけはそうはなりませんでした。
これは、江戸時代の生活習慣、インフラへの考え方から始まっているのですね。
日本では、都市近郊で、カブトムシがよく見かけられます。
通常カブトムシというのは、山深い地にいます。
それが世界の常識です。
日本のカブトムシも、江戸時代以前は山深い地にいたのですが、江戸時代以降、都市近郊に居ついたようであります。
都市の中の雑木林では、カブトムシの餌と産卵場所が、安定的に管理されているからです。
とにもかくにも、この江戸時代の、先進的な基本インフラへの考え方が、その後の人口100万、世界一の大都市江戸への道を開いたのですね。
多くの都市計画に携わるであろう議員の先生方にも、是非、知っていただきたいことであります。