釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

産直の山野草

2017-07-13 19:19:04 | 文化
地方には産直や道の駅があるが、道の駅は自治体と国土交通省が絡んでおり、規模がそこそこ大きい一方で、値段は決して安くはない。いつも行くところは4箇所ほどだが、目的は野菜ではなく山野草だ。山野草も農家の個人が販売しているものや本格的に全国から集められたものを販売するものもある。山野草の種類と値段を見れば、その辺は判断がつく。釜石にも自動車道の入り口に道の駅が震災後に設けられた。その少し手前には以前から産直もあった。しかし、釜石のいつもの例にもれず、いずれもが中途半端だ。一度行けば、もう再び行く気にはなれない。遠野では上郷の夢産直と道の駅「風の丘」によく行く。夢産直はまさに農家の方が育てた山野草が中心で、値段も安い。風の丘もやはり農家の方が育てたものを中心に置かれているが、こちらは夢産直に比べてやや高い。種類は多いが。娘が好きな北上市の外れにある産直「あぐり夢くちない」は新鮮で素朴な野菜類や山野草が置かれている。ただ山野草ではたまに珍しいものが見られる程度だ。やはり農家の方が出されているものがある。少し距離があるためさほど頻回には行けないが、紫波町の396号線沿いにある峠の駅「紫波ふる里センター」は20年以上経つ産直で、ここではかなり山野草を専門にされている方が出されている。高価だが全国的にも珍しい山野草をよく見る。紫波町は果物の産地で、町内には産直が10箇所もある。未だに「町」のままで自立して頑張っている町だ。域地が広く、平野や丘陵地が多いので、気候的にも果物の生育に適しているのだろう。りんごやぶどうの美味しいものが安く買える。北上川を挟んで東西に町域があり、古い歴史を刻んだ町でもある。町が自立的なのはそうした歴史とも関係があるのかも知れない。ふる里センターの山野草は比較的種類も多く、他では見かけない山野草が多く置かれている。しかし、何分にも値段もそれなりだ。岩手に来て最初に惹かれた敦盛草も住田町の赤羽根産直と比べると間違いなく1.5倍以上の価格差がある。もちろん、それでもネットで売られている敦盛草に比べると安く思えるが。敦盛草や山芍薬に惹かれているが、山芍薬は残念ながら産直で見かけることがほとんどない。岩手に来るまでは、まさか自分が植物にこれほどまで興味を持つなどとは思ってもいなかった。あまりにも豊かな自然に強烈に打たれたのだろう。
山紫陽花「乙女の舞」 徳島県木沢村で採取されたことから「木沢の光」とも言われる