「東濃リニア通信」    <東濃リニアを考える会>

国土交通省がJR東海のリニア中央新幹線計画を認可しました。このとんでもない暴挙は、必ず歴史が証明します。

準備書は沿線住民の声に真摯に答えていない!

2013年09月28日 08時12分30秒 | 日記
 おはようございます。
 昨日、「6-3方法書について岐阜県知事の意見及び事業者の見解」について取り上げ、順次検討すると書きましたが、事業者(JR東海)の見解は、具体的でなく、詳しく書いてある箇所を示しているなどの内容が多く、順次続けるのはやめます
 準備書の点検は、何処に何が書いてあるのかを把握することから始めていますが、全部に目を通すことは時間がかかります。気が付いたポイントから取り上げることにします。
 私の未熟かもしれませんが、ブログにインターネットから直接貼り付けることはできません。膨大な資料ですので、印刷しては貼り付けることは時間とインクの無駄となりますので、JR東海のホームページを参照下さい。(すでに取り込んである資料は貼り付けるようにします。)

 「6-3方法書について岐阜県知事の意見及び事業者の見解」は、準備書の「中央新幹線(東京都・名古屋間)環境影響評価準備書(岐阜県)」の「準備書本編」の「第6章の3」ということです。
 同じ「第6章の2」は、「環境の保全の見地からの意見を有する者の意見の概要及びそれについての事業者の見解」であります。前に取り上げた、JR東海の方法書にたいする沿線住民や専門家の意見、528件(63頁)に対する、事業者(JR東海)の見解、39件(39頁)であります。(合計102頁)

 いろいろとややこしいですが、「6-3の県知事意見と事業者の見解」「7項」を取り上げます。
《岐阜県知事意見》【その他】
7.事業の必要性や安全性に関して多くの意見が寄せられていることから、事業者の考え方について理解が得られるように社会状況の変化も踏まえて、十分に説明すること。また、根拠として引用する資料は最新のものを使用すること。

《事業者の見解》
 事業の目的及び内容については、社会状況の変化も踏まえるとともに、引用する資料は入手可能な最新の資料を使用し、第3章に記載しました。また、環境影響評価方法書の説明会とは別に、中央新幹線計画についての理解を深めていただくための説明会を、平成24年6月に中津川市で、平成25年5月に多治見市で開催し、説明会の資料及び説明会における主なご質問は、当社ホームページで公開しました。今後も、準備書の説明会などを通じて、丁寧な説明に努めます。

 この岐阜県知事の指摘しているのは、方法書に対する多くの反対意見のことであります。「第6章の2」の最初は「事業計画(事業計画一般:事業の必要性)」であり、リニア中央新幹線建設計画に否定的な多くの意見が寄せられています。(前にも紹介しましたが、再度貼り付けます。)
 それに対する「事業者の見解」は素っ気ないものです。僅かなので引用します。

 「事業計画(事業計画一般:事業の必要性)」についての「事業者の見解」
 東海道新幹線は開業後49年が経過しており、将来の経年劣化や大規模地震に対する抜本的な備えとして、中央新幹線を早期に実現させることにより、東京・名古屋・大阪を結ぶ日本の大動脈の二重化が必要です。
  中央新幹線は。超電導リニアにより実現していきますが、超電導リニアの高速性による時間短縮効果によって、日本の経済及び社会活動が大いに活性化することが期待できると考えています。
 また、中央新幹線開業後の東海道新幹線については、東京・名古屋・大阪の直行輸送が相当程度中央新幹線に移り、現在の東海道新幹線の輸送力に余裕ができることを活用して、「ひかり」「こだま」の運転本数を増やすなど、現在とは異なる新しい可能性を追求する余地が拡大します。
 なお、交政審の答申における中央新幹線の効果や意義を資料編に記載しております。

 <コメント>
 中央新幹線の必要性についての多くの疑問に対して、真摯に向き合って答えていません。説明会での原則論のオウム返しと同じです。この無責任で傲慢な姿勢が一貫して貫かれています。
 東海道新幹線の大規模改修は早急に行う必要があり、中央新幹線の開通する前に済ませる必要がありますし、輸送力に余裕があり二重化の必要はありません。
 「3大都市が短時間で結ばれ、世界に類をみない人口密集都市が出現し、日本の経済及び社会活動が活性化する。」という発想は、「中央新幹線沿線学者会議」の発刊した「リニア中央新幹線で日本は変わる」という本の中に出てくるもので、交政審の答申にも盛り込まれていますが、人口と富が都市部に集中すれば、地方は更に過疎化に拍車がかかるだけです。
 現在でも、東海道新幹線の「こだま」の乗車率は僅かであり、「のぞみ」を廃止して直通客が減れば、東海道新幹線は大幅赤字となります。このことは9月7日のブログで紹介した葛西会長の講演録でも明らかであります。
 9月17日のブログで「飯田リニア通信No6」に「橋山禮治郎さん」の寄稿した論文を紹介しましたが、JR東海の準備書に対する、見解として見事に的を得た内容であります。

                                                                         以  上

  方法書に対する沿線住民等の意見4枚と、それに対する、JR東海の見解を貼り付けます。
   
  
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