おはようございます。
平成21年7月21日の第19回超電導磁気浮上式鉄道技術評価委員会において「誘導集電については、車上電源として実用化に必要な技術が確立している。」との評価がなされています。(この評価委員会は、第2次の東大工学部卒ばかりの委員会です。) (昨年7月15日のブログをご参照下さい。)
この時の 別添資料と 参考資料です。
「参考資料」には「誘導集電方式による車上電源」として「超電導磁石の冷却、車内の空調、照明等を稼働するため、車両に搭載する電源装置のこと。」
「これまでの車上電源装置としては、灯油を使用するガスタービン発電装置を搭載していた。」
「今回の誘導集電方式は、地上に設置されたコイル(地上ループ)と車両に設置された集電コイルとの電磁誘導作用を利用して、車両機器へ電力を供給するものであり、燃料を使用せず車両から排気ガスを出さない環境面で優れた電源装置である。」と説明されています。
「別添資料」の「評価」には「燃料を使用せず車両から排気ガスを出さない環境面で優れた誘導集電方式による車上電源について・・・・技術的な対応策が確保されていることが確認された。」
「更に、営業時における運用安定性を検討したところ・・・・車上電源として実用化に必要な技術が確立していると判断される。」となっています。
この「評価委員会」の決定は、今から4年半前のことであります。昨年の5月に「L0系」が実験線に搬入された時のテレビのニュースで明らかに排気ガスが出ているのが確認できました。
昨年10月2日のJR東海の準備書説明会で、ガスタービン発電機は積んでいるか。実験線全線に「地上ループ・コイル」は設置されているのか。と質問したところ、ガスタービン発電機は積んでいると答えましたが、「地上ループ」については全く答えませんでした。
「別添資料」の「技術開発内容」の③に「1Kmの区間に地上ループを設置し」とあります。
色々な実験線の写真などを見ますと、地上ループは実験線全線にわたって設置されていないようです。4年前に、「実用化に必要な技術が確立されている。」との評価を下したのに、なぜ実験線で本格的に導入しないのか?
「地上ループ」は営業線全線にわたって敷設する必要があります。推進コイルと浮上コイルも非常に高価なものだそうです。そのためにコストダウンが必要といわれており、更に「地上ループ」(コイル)を敷設するとなると膨大な予算が必要となります。
しかも、この誘導集電方式は効率が悪そうです。超電導磁気浮上式も蒸気機関車並のエネルギー効率の悪さが指摘されており、増々膨大な電力使用量となるのです。
昨日紹介した、 「鉄道総研報告」の2013年7月号に「特集:磁気浮上式技術と在来方式鉄道への応用」に「非接触給電コイルにおける導体の近接効果による損失の検討」という論文がありました。
浮上式鉄道技術と在来方式鉄道への応用 一通り読んでみました。素人で専門的な事は分かりませんが、「誘導集電方式」に使う「コイル」の形状や太さなど、まだまだ開発途上という感じです。
しかも効率が悪いし、停電となれば、積んでいるバッテリー以外は電源喪失となり、超電導磁石の冷凍機は運転できなくなると思います。
「評価委員会」が大丈夫と評価したのに、まだ「海のものとも山のものとも分からない」状況のような気がします。これは誘導集電に限ったことでなく、リニア開発全体に言えることではないでしょうか。
以 上
平成21年7月21日の第19回超電導磁気浮上式鉄道技術評価委員会において「誘導集電については、車上電源として実用化に必要な技術が確立している。」との評価がなされています。(この評価委員会は、第2次の東大工学部卒ばかりの委員会です。) (昨年7月15日のブログをご参照下さい。)
この時の 別添資料と 参考資料です。
「参考資料」には「誘導集電方式による車上電源」として「超電導磁石の冷却、車内の空調、照明等を稼働するため、車両に搭載する電源装置のこと。」
「これまでの車上電源装置としては、灯油を使用するガスタービン発電装置を搭載していた。」
「今回の誘導集電方式は、地上に設置されたコイル(地上ループ)と車両に設置された集電コイルとの電磁誘導作用を利用して、車両機器へ電力を供給するものであり、燃料を使用せず車両から排気ガスを出さない環境面で優れた電源装置である。」と説明されています。
「別添資料」の「評価」には「燃料を使用せず車両から排気ガスを出さない環境面で優れた誘導集電方式による車上電源について・・・・技術的な対応策が確保されていることが確認された。」
「更に、営業時における運用安定性を検討したところ・・・・車上電源として実用化に必要な技術が確立していると判断される。」となっています。
この「評価委員会」の決定は、今から4年半前のことであります。昨年の5月に「L0系」が実験線に搬入された時のテレビのニュースで明らかに排気ガスが出ているのが確認できました。
昨年10月2日のJR東海の準備書説明会で、ガスタービン発電機は積んでいるか。実験線全線に「地上ループ・コイル」は設置されているのか。と質問したところ、ガスタービン発電機は積んでいると答えましたが、「地上ループ」については全く答えませんでした。
「別添資料」の「技術開発内容」の③に「1Kmの区間に地上ループを設置し」とあります。
色々な実験線の写真などを見ますと、地上ループは実験線全線にわたって設置されていないようです。4年前に、「実用化に必要な技術が確立されている。」との評価を下したのに、なぜ実験線で本格的に導入しないのか?
「地上ループ」は営業線全線にわたって敷設する必要があります。推進コイルと浮上コイルも非常に高価なものだそうです。そのためにコストダウンが必要といわれており、更に「地上ループ」(コイル)を敷設するとなると膨大な予算が必要となります。
しかも、この誘導集電方式は効率が悪そうです。超電導磁気浮上式も蒸気機関車並のエネルギー効率の悪さが指摘されており、増々膨大な電力使用量となるのです。
昨日紹介した、 「鉄道総研報告」の2013年7月号に「特集:磁気浮上式技術と在来方式鉄道への応用」に「非接触給電コイルにおける導体の近接効果による損失の検討」という論文がありました。
浮上式鉄道技術と在来方式鉄道への応用 一通り読んでみました。素人で専門的な事は分かりませんが、「誘導集電方式」に使う「コイル」の形状や太さなど、まだまだ開発途上という感じです。
しかも効率が悪いし、停電となれば、積んでいるバッテリー以外は電源喪失となり、超電導磁石の冷凍機は運転できなくなると思います。
「評価委員会」が大丈夫と評価したのに、まだ「海のものとも山のものとも分からない」状況のような気がします。これは誘導集電に限ったことでなく、リニア開発全体に言えることではないでしょうか。
以 上