面河山岳博物館へようこそ!

石鎚山系と久万高原の自然、博物館の活動などを紹介するブログ

特別講演会「家の中のおじゃまむし~あなたの知らない小さな同居人~」の報告

2018-08-18 23:09:57 | 展示・イベント
本日(8月18日)、特別講演会「家の中のおじゃまむし~あなたの知らない小さな同居人~」が無事終了しました。

参加者42名、小学生からご高齢者の方まで幅広い年齢層に参加いただきました。

ご講演下さった酒井先生、まことにありがとうございました。




家の中に出てくる昆虫(おじゃまむし)について、とにかくたくさんの種類を解説いただきました。

カツオブシムシやシバンムシ、ゴキブリ、ノミ、シラミは当然、話のメインでしたが、スーパーで買った野菜に紛れているかもしれないアブラムシやアブの幼虫、野外から持ち込んだ植木鉢やプランターから発生するクロバネキノコバエなど、マイナーな「おじゃまむし」まで、本当に隅から隅まで紹介された、という感じでした。



家の中には湿った食べ物(生もの)を食害する昆虫よりも圧倒的に、乾燥した食品及び木材を食害する昆虫の方が多い、という話がありました。

こういった乾物の害虫はいかに水分を得るかが、生き残る上で最も重要な課題となります。

人は当然、乾物が湿気ないよう、より乾燥させて保存しますので、現場で水そのものを手に入れるのは難しい。

そこでこういった害虫は体内に脂肪分を蓄えておき、これを燃焼させてエネルギーをつくりだす際に発生する水分(代謝水)を利用しているそうです。

脂肪はたんぱく質を燃やすより多くの水ができます(2倍近い)。

元々そのような能力を持っていた種がより家屋内に適応していったのだと考えられます。

このように、なぜ彼らが家の中に入ってくるか、について「共生」と「寄生」をキーワードに詳しくお話いただきました。

まとめとして、以下の内容が印象的でした。

「家の中で見つかるいろいろな昆虫や節足動物についての正しい知識をもって。何が出ようとも決してうろたえることなく、是々非々で対処できるようになろう.場合によってはこれらの盗食寄生者や居候達と共生しうる度量をもちたい.」

正しく知って正しく怖がり正しく防ぐ、これが重要。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿