人形と動物の文学論

人形表象による内面表現を切り口に、新しい文学論の構築を目指す。研究と日常、わんことの生活、そしてブックレビュー。

論文掲載情報:書き換えられる〈父〉―森茉莉『甘い蜜の部屋』と「しんかき」―

2013-11-18 21:04:55 | 研究・発表・イベント等情報
こんばんは。学会から無事帰宅しました。

私の子どもののすけちゃん
が大変寂しそうにしていたらしく、帰ったら大歓迎を受けました。

今日は1日おやすみ…だったのだけど、
朝からおじいちゃんわんこが廊下にうんちして踏んづけたり、
夕方にはうんちした場所で転んで立てなくなってしまったりしたので、
何かかんか用事はあったかなあ…たくさん昼寝したけどまだ眠いです。

学会に関しては、いくつか思ったこともあるのだけれど、
また気が向いたら感想書きます。

私の論文「書き換えられる〈父〉―森茉莉『甘い蜜の部屋』と「しんかき」―」が、
『名古屋大学国語国文学』106号に掲載されました。

森茉莉『甘い蜜の部屋』における書字(エクリチュール)に着目した論文。
書物や文字に関する記述を拾い上げ、整理した上で、
女主人公モイラの芳香を喩える植物の比喩に用いられる「しんかき」(筆の名前)に着目し、
森茉莉のエッセイ「しんかき」との関係を考察します。
「しんかき」は『甘い蜜の部屋』においては父が用いた筆の名前、
エッセイ「しんかき」においては、父が原稿を書き、茉莉が夏休みの日記を書いた筆の名前。
面白いのが、茉莉が書き間違いをすると、お父さんがとんできて、
書き間違いの上に水を垂らし、上から「しんかき」の軸でトントンとたたいて、それを消してくれた、ということ。
『甘い蜜の部屋』における「父」のことばは、ロゴス的なものではなく、
書き間違いを何度でも書きなおすことができる機能だ、と結論づけます。

学会誌なので、大学にしか入らないと思いますが、手にとっていただけると嬉しいです。


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