人形と動物の文学論

人形表象による内面表現を切り口に、新しい文学論の構築を目指す。研究と日常、わんことの生活、そしてブックレビュー。

パネル発表「戦争時計の音―佐藤亜紀『スウィングしなけりゃ意味がない』を読む」のお知らせ

2018-02-24 19:41:09 | 佐藤亜紀関連
こんばんは。
菅実花さんのお話聞きに行ったり、高橋さきのさん(ダナ・ハラウェイの翻訳者)のトークイベントに行ったり、『アラザル』の佐藤亜紀さんインタビュー聞きに行ったり、あとそうですね、東大の飯田橋文学会の松浦理英子インタビューも聞いたっけ。
いろいろあったんですが、ずいぶん更新をさぼっておりました。
あとそうでした、西原も講師を担当している市民講座、クニラボの来期の募集も始まってます。西原は来期、輪読形式のゼミで、『源氏物語』の宇治十帖を読んでいきます。
また余裕があれば記事にします。

今日はパネル発表の告知です。
3月30日(金)に、第8回世界文学・語圏横断ネットワーク研究集会にて、佐藤亜紀さんをお呼びして、討論者に若島正さんを迎え、いっしょにパネル発表を行います(於:立教大学)。

 佐藤亜紀さんの小説は、何か翻訳小説のようなものとして評価されてきた反面、日本文学としての位置づけは十分になされてきたとは言い難いのですが、最新作『スウィングしなけりゃ意味がない』については同時代のドイツで誕生したかのような時代的・地域的リアリティを兼ね備えた小説として評価される一方で、現在の日本の政治状況と重ねた評も存在します。そこで当該作品を、ドイツの戦時を描いた作品として評価するとともに、現代の日本で、日本語でこの作品が書かれた意味を問うことによって、世界文学としての評価とともに、日本文学としての意義も明らかにすることを試みます。それによって、日本文学の枠組みを世界文学に開くことができると考えるからです。
 具体的には、泉谷瞬は、登場人物たちが見せる多様な身体のあり方と「自由」および「資本主義」の絡み合いを中心に論じ、西原は「死の都」としてのハンブルクのイメージを、作品中に描かれる湖や空襲後の雨などの水の描写から考察します。作者の佐藤亜紀さんは、翻訳小説を擬態することの意味について述べます。
 とても貴重な機会になると思います。また、当該パネルだけでなく、興味深い個別発表やパネル発表が目白押しです(上記リンク先からプログラムがご覧になれます)。ぜひご参集ください。
※事前予約は必要ないはずです。
※例年資料代として参加費1000円(2日分併せて)支払う必要があるそうなので、たぶん必要です。

日時:3月30日(金)15:00~(集会自体は13:30~、翌31日(金)にも)
場所:立教大学池袋キャンパス5号館5301教室
タイトル:「戦争時計の音―佐藤亜紀『スウィングしなけりゃ意味がない』を読む」
司会:茂木謙之介(日本学術振興会特別研究員)
発表:
佐藤亜紀(作家)「翻訳小説を擬態する」
西原志保(国立国語研究所非常勤研究員)「死の都としてのハンブルク」
泉谷瞬(大谷大学文学部講師)「スウィング・ボーイズの身体性」
討論者:若島正(京都大学文学研究科教授)

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〈おまけ〉
最新ののすけちゃん(母から送られてきた)。
 

実家で一時預かり中のくりん君、香川で珍しく雪が降り積もった日に、大喜びで庭を駆け回ったそうです。

里親募集中です。 →2020年1月2日に急逝しました。

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また、同じ保護主さんのサイトで4歳の「いちごくん」も里親募集しています。