人形と動物の文学論

人形表象による内面表現を切り口に、新しい文学論の構築を目指す。研究と日常、わんことの生活、そしてブックレビュー。

【学会発表告知】「去勢と動物表象」2018年7月8日(日)日本文学協会第38回研究発表大会(於.金沢大学)

2018-06-18 21:10:36 | 研究・発表・イベント等情報
こんばんは。
ずいぶん更新をさぼっておりました。
3月末のパネル発表の報告も書かないと、と思っているのですが…。

7月8日(日)に、日本文学協会第38回研究発表大会(於.金沢大学)で発表しますので、告知いたします。

日時:7月8日(日)
場所:金沢大学・角間キャンパス 人文社会第一講義棟
※部門によって開始時間が異なります。西原の発表は15:35~16:20です。

西原発表「去勢と動物表象―松浦理英子『犬身』および笙野頼子の猫小説/エッセイ群を中心に」
動物は古来、自然なものとして、多産や豊饒さ、生殖の表象となってきました。
けれども近年、犬や猫などの身近な動物においては、避妊・去勢手術が一般化しましたし、
TNR(猫を捕獲し、避妊・去勢手術を行った後元の場所に戻し、一代限りの地域猫として見守ること)活動や、
殺処分数を減らすという文脈からも、犬や猫の避妊・去勢手術は必須のものとなりつつあります。
つまり、彼らを家族として愛すれば愛するほど、犬や猫は生殖しないものとなりつつあるのです。
このような変化によって、犬や猫の表象はどう変わるのか。
松浦理英子『犬身』と、笙野頼子の猫小説
(『愛別外猫雑記』『S倉迷妄通信』←猫小説/エッセイ群というタイトルにしましたが、この二つにほぼ絞ることにしました)
をとりあげて、考えてみたいと思っています。
最終的には、生殖を媒介としない愛のかたちを表象しうる可能性を示唆したいと目論んでおります。
要するにモフモフ万歳!です。

ずっと長らく、やりたいと思っていたテーマでした。
また、これまでずっと、女性性であるとか、生殖であるとか、何かを否定する話ばかりしていたのですが、
初めて何かを肯定する話ができるかな、と思っております。
どうぞよろしくお願い致します。


また会場は、古代前期・古代後期・中世・近世・近代・国語教育の各部門が隣り合っていて、
相互に交流できる空間となっております。
今回は古代後期が2会場、近代が4会場に別れるほど、発表が盛りだくさんです。
きっと興味のもてる発表がいくつか見つけられると思います。
ぜひご参加ください。


――――――――――――――
(おまけ)
実家で一時預かり中のくりん君、里親募集中です。

保護主さんのブログ:おうちで暮らそう
から、お申込できます。
→2020年1月2日に急逝しました。