人形と動物の文学論

人形表象による内面表現を切り口に、新しい文学論の構築を目指す。研究と日常、わんことの生活、そしてブックレビュー。

本年もどうぞよろしくお願い致します。

2022-01-17 23:07:06 | 日記
新年のご挨拶をしそびれてしまいました。
特に喪中だったわけではないのですが、年末年始はそれどころではありませんでした。


昨年末に体調を崩してしまった16歳7か月のカイちゃんがどんどん衰弱してしまい、
お正月休みの明けた4日からは、毎日往診をしていただいて、
治療を尽くしていたのですが、9日に亡くなりました。

自分が東京でいる間に実家の犬猫が亡くなり、見送れないのがつらいということもあって
(昨年亡くなったメガちゃんも7月末だったのですが、見送れませんでした)、
コロナ禍での遠隔授業を幸いに、実家に長期帰省をしていたのではありますが、
昨年11月に亡くなってしまったジジちゃん、そして今回のカイちゃんを見送り、
既にもはや引き続きわんにゃんを見送るには自分の感情が疲れすぎてしまっているような、
自分の感情が平坦になってしまったような気がしています。
カイちゃんはまだ私が院生だったころにうちに来たのですが、
ちょうど私と弟が夏休みの帰省中に、屋上から転落し(転落した場所は今はきっちり塞いでいます)、
幸い命に別状はない様子だったものの、骨折した手に包帯を巻いているのが気持ち悪いらしく、
ずっとイライラして齧っている様子が小さな子供みたいだったのが印象に残っています。

そういう印象深い子で、晩年はまるで以前に要介護になっていたチョーちゃんみたいな顔になって(可愛い)、
体調を崩して歩けなくなるまでは他の子と居場所争い(自分が寝たい場所に他の子がいるとしばらくじっと立ったまま見つめていて、それでも相手が退いてくれなければ吠える)をしていて存在感があった子なのですが、なんだか今でもカイちゃんが亡くなったことの実感がありません。

そんな感じで、随分ぼんやり過ごしておりましたが、
昨年度は前半すこし頑張ったせいか、それなりに研究業績を出していたようです。

論文:
・「森見登美彦『四畳半神話大系』における「もちぐま」の越境」
『人形玩具研究ーかたち・あそびー』 (31) 53-63 2021年3月
・「猫のまなざしを追いかける:『源氏物語』と動物論」
『物語研究』 (21) 16-30 2021年3月
・「天上の魂と地上の身体:矢川澄子『兎とよばれた女』における『竹取物語』解釈」
『古代文学研究 第二次』 (30) 170-183 2021年10月
・「情報化される精神と機械化される身体:京極夏彦『魍魎の匣』、『ルー・ガルー』の比較にみる変容」
『日本文学』 70(10) 13-21 2021年10月

口頭発表:
・「自然/人工と生殖―『源氏物語』における動物と人形」
全国大学国語国文学会 第123回大会 2021年6月5日
・「『秋の夜長物語』翻案としての稲垣足穂『菟』:動物表象とジェンダー」
物語研究会50周年記念大会 2021年8月25日

今年は今いろいろ企画していることもあるのですが、ぼんやりと過ごしております。
いい加減気持ちを切り替えるべきかもしれません。