時空を超えて Beyond Time and Space

人生の断片から Fragmentary Notes in My Life 
   桑原靖夫のブログ

追体験:『ヒトラー最後の12日間』

2006年01月21日 | 書棚の片隅から

  見るともなくつけたBSテレビで、あの「ヒトラー最後の12日間」を追体験してしまった。シュピーゲルテレビ(2005年)が制作した「地下壕での死」Death in the Bunkerの放映であった。映画とほぼ同じ光景が目前に展開した。主要な関係者の証言により最後の日々を再現する形になっていた。いつ撮影者の身に危険が及ぶかもしれないすさまじい戦闘の状況をよく撮影したと思う。

  映画の短縮版のような印象を受けるが、映画と異なって俳優ではなく実在した人物の映像が現れ、衝撃的である。映画で見たゲッペルスの家族の最後、とりわけ6人の子供に青酸カリのカプセルを与えるゲッペルス夫人がしばらく残像に残って困ったこともあり、演説するゲッペルスの実像が印象に残った。ヒトラーばかりでなく、周囲の指導者を含めて、「狂気の集団」だった。

  今回のテレビ版で新たに目にしたことは、4月30日ソビエト軍がヒトラーの地下壕から100メートルの距離へ迫った時にヒトラーと夫人となったエヴァ・ブラウンが自殺した後の状況が示されていたことである。伝えられるように「歴史に名が残る」と、最後の日に結婚したエヴァ・ブラウンの心境とは実際にはいかなるものだったのだろうか。

  ヒトラーとヒトラー夫人となったエヴァの遺骨はソビエト軍によって確保され、モスクワKGB公文書館で密かに保管されていた。ゲッペルス夫人の遺骨も含まれていた。60年近い年月を経て公開されたものであった。ベルリン陥落後も長らく謎に包まれていたにもかかわらず、映像で見るかぎり想像したほど厳重な保管状態でないようにも見えた。狂気の歴史の断片がそこにあった。

reference
「ヒトラーの最後:目撃者たちの証言」世界のドキュメンタリー・シリーズ、 2006年1月20日BSテレビ1

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http://blog.goo.ne.jp/old-dreamer/d/20051125

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