大倉草紙

旅の記録 食の記録 日々の記録

【東京】 荻泉翁コレクション ― 藝に游ぶ ― (世田谷区立郷土資料館)

2009年11月04日 22時10分00秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
本日の行程:(小田急線・経堂駅) → 【世田谷八幡宮】【勝光院】【世田谷代官屋敷】【荻泉翁コレクション ― 藝に游ぶ ―(世田谷区立郷土資料館)】【豪徳寺】【世田谷城址】【松陰神社】


世田谷郷土資料館で、荻泉翁(てきせんおう)コレクションを観る。
荻泉翁こと、小林克弘氏は、古美術商を営みながら近世文人画の研究もなさっていた方なのだそうだ。
荻泉翁は、一昨年に亡くなり、故人の遺志でコレクションが世田谷区立郷土資料館に寄贈されたことから開かれた展覧会だという。


谷文晁筆『富士三保清見寺図』
富士山の画を多く残した谷文晁。
文晁には「写山楼」という別号があり、それは、下谷の家から富士山が良く見えることから付けたのだという。
よっぽど富士が好きだったのだろう。


こちらは展示されているものではないが、歌川広重の「清見潟・清見寺」。
谷文晁も同じような位置から描いたのであろう。
いずれも、お寺の鐘の音が聞こえてきそうだ。
そういえば、高山樗牛の「清見寺の鐘声」というのがあったっけ。


岸駒筆『竹虎図』
岸駒といえば、虎。
岸駒は、迫力ある虎を描くために中国から虎の頭のはく製を取り寄せて、それに虎の毛皮を被せてみたとか、毛の生え方、牙や歯の本数を調べてみたとか、実に様ざまな実験をしている。
驚くべき努力だ。
さて、『竹虎図』の虎が、いささか可愛らしく見えるのは気のせいか、それとも若書きであるせいか。

今日は、このあたりへ用事で出かけたついでに、豪徳寺周辺を散策してみようと考えていた。
予め道順も調べていたのだが、そのメモを家に忘れてしまった。
それで、携帯で思いつく場所を調べながら歩くことになった。
世田谷代官屋敷に寄った際に、隣の郷土資料館でこの展覧会をやっていることを知り、軽い気持ちで建物に入る。
予定にない思いがけない展覧会もいいものだ。