大倉草紙

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【大阪】 中之島・北浜界隈の近代建築めぐり ①

2009年11月05日 21時00分00秒 | 旅 - 大阪府
8月22日(土)
当日の行程:(大阪市営地下鉄・淀屋橋駅) → 【中之島・北浜界隈の近代建築めぐり ① 【水都大阪2009】 

中之島・北浜界隈の近代建築を見てまわった。
歩きながら、目にとまったものもいくつか挙げてみる。


まずは、日本銀行大阪支店
明治36年(1903)に建てられた。
設計は、辰野金吾、葛西万司、長野宇平治。
ベルギーの国立銀行をモデルとしたそうだ。
この場所には、江戸時代には島津藩の蔵屋敷が、明治初期には五代友厚の別邸が建っていた。


日本銀行大阪支店の敷地内には、駅逓司大阪郵便役所跡の碑とポストが建っている。
明治4年(1871)、新式郵便が施行された際に、ここに郵便役所が置かれた。
郵便役所は、現在の中央郵便局にあたる。
郵便役所は、大阪の他には、京都と東京にあった。


ポストの上にタコ?と思って近付くと、違った。
ポストの脇には郵便物の回収時間が表記されていて、実際に使われている様子。


日本銀行大阪支店の向かいに建つのは、大阪市役所
昭和60年(1985)の建築で、建物そのものは新しい。


市役所のロビーには、旧市庁舎のステンドグラスが飾られている。


旧市庁舎の正面銘板


定礎箱
旧市庁舎は、大正7年6月23日に起工し、9年3月25日に定礎式を行い、10年5月に竣工した。
これは、定礎式のときに埋められた定礎箱。


定礎銘板と大正9年代に使用されていた硬貨


大正9年3月25日、定礎式当日に発行された新聞


市役所を出て、淀屋橋を渡る。


淀屋橋を渡って右に折れると、淀屋の屋敷跡がある。
淀屋は、秀吉の時代に淀川の築堤工事を請け負って財をなした豪商。
その屋敷は、淀屋橋から北浜にかけて百間四方もあったといわれる。


川沿いに進むと、朝日新聞大阪本社が見える。
昭和6年(1931)竣工。
この建物は、中之島フェスティバルタワー(仮称)に生まれ変わる。


「安藤忠雄建築展2009 対決。水の都 大阪VSベニス」で展示されていた中之島プロジェクトの模型(一部)
この模型は、展覧会開催後、大阪市役所に展示されている。
写真は、中之島フェスティバルタワー。
平成25年(2013)に東地区、平成30年(2018)に西地区が竣工する予定になっている。


住友ビルディング(現・三井住友銀行大阪本店営業部)の角を曲がる。
竣工年は、1期・大正15年(1926)2期・昭和6年(1930)。


大阪倶楽部は、国登録有形文化財。
大正13年(1924)に建てられた。


窓も凝ったつくりになっている。


大阪倶楽部の角を曲がり、御堂筋に出る。
本町駅方面へ少し行くと、大阪ガスビルが見えてくる。
こちらも国登録有形文化財。
昭和8年(1933)に建てられた。


本町駅の手前、備後町を左に折れてしばらく行くと、国指定重要文化財の綿業会館がある。


綿業会館の正面
1931年(昭和6)に竣工。
リットン調査団やレンケラーが来館したことで知られる。


変わった建物を見つけた。
外壁に、鸚鵡と猫がいる。

 
建物に入っていく猫と出ていく猫。
ここまではいいけれど……


ウィンドウ越しのこの猫は、ちょっとなあ……。


三休橋筋を北に向かい、綿業会館からふたつ目の信号を右に折れてすぐに、国登録有形文化財の船場ビルディングがある。


船場ビルディングの中
なんてことない外観、と思って入ったらびっくり。
4階まで吹き抜けのパティオは素敵。


堺筋に出て、北浜駅方面に向かうとあるのが生駒ビルヂング
国登録有形文化財。
昭和5年(1930)に建てられた。


生駒の「生」の文字が施されている。


さすが、生駒時計店の建物だけあって、時計も立派。


生駒時計店と交差点を挟んで斜向かいに、趣ある建物を見付けた。
国登録有形文化財の小西家住宅だ。
「コニシ株式会社」という表札がかかっている。

 
コニシ株式会社は、あの木工用ボンドやアロンアルファを製造・販売している会社なのだそうだ。
知らなかった。
かつてはアルコールの製造販売もしていて、現在のアサヒビールの前身なのだとか。
サントリーの創業者・鳥井信治郎はここで丁稚奉公をしていたという。


高麗橋の交差点近くに、高麗橋野村ビルディングが建っている。
昭和2年(1927)竣工。
1階には、サンマルクカフェが入っている。


竹と月をモチーフとした装飾が目を引く。

高麗橋通りを西へ進む。

左手には、吉兆本店


右手には、三井ガーデンホテル


三井ガーデンホテルは、今年の全国高校野球選手権大会島根県代表の立正大淞南高校の宿舎になっていた。
インフルエンザのため、主将を含む5人選手の欠場で準々決勝に臨んだ立正大淞南の試合は、強く印象に残っている。
今年は、甲子園球場に一度も足を運ぶことなく秋を迎えてしまった。
行っておけばよかったなあ。


高麗橋通りと三休橋筋の交差点に建っているのが高麗橋ビルディング
煉瓦が美しい。
フレンチレストラン「シェ・ワダ」として使われているらしい。


高麗橋ビルディングのお隣は、日本基督教団浪花教会

つづく