最新の審美&インプラント日記

天王洲アイル・天王洲インプラントセンター 小川勝久先生による審美とインプラント治療の日記と情報

‘世界の医師団’を応援してください。

2006-01-12 18:08:22 | Weblog

メドゥサン・デュ・モンド(「世界の医療団」の意味、 文中MDMと略す)は、1980年パリに設立され、医師・看護師などの医療・保健衛生分野を中心とした専門ボランティアを世界各地に派遣、人道医療支援に取り組んでいる国際的なNGOです。
 その基本理念は、国籍、人種、民族、思想、宗教などのあらゆる壁を乗り越えて、世界で最も弱い立場にある人々に支援の手をさしのべようとするもので、世界16ヶ国のネットワークを通じて年間約1200人の専門家を世界数十カ国に派遣しています。

 日本支部は、1995年阪神淡路大震災に際しパリから緊急支援チームを神戸に派遣し被害者の支援に当ったのを契機に設立され、現在は「特定非営利特別法人メドゥサン・デュ・モンド ジャポン」として、主に、医療ボランティアの募集・現地への派遣、広報活動、資金調達などの役割を担っています。
 日本支部は設立以来、ルワンダ、サラエボ、コソボ、ベトナム、ラオス、カンボジア、ニジェール、エチオピア、リベリア、マダガスカルなどへ日本人ボランティアやスタッフを派遣してきています。

 日本支部の活動の中で特筆されるのは「スマイル作戦」への参加です。これは、口唇口蓋裂などの先天性疾患、戦争、病気などで顔面に著しい損傷を負い、社会差別に苦しむ子どもたちに形成外科手術を施し、彼らに笑顔を取り戻させようというもので、その歴史は15年前に遡ります。
日本からは1996年に住民大虐殺で混乱の極みにあったルワンダでの作戦に参加したのを皮切りに、毎年、カンボジアを中心にラオス、ニジェール、マダガスカルなどで合計14回のプログラムに延べ36人の形成外科医・看護師が参加、フランス、ドイツなどからの専門医と協力して手術を行い、それにより多くの子どもたちとその家族が笑顔と生きる希望を取り戻しています。一回のミッションの現地活動期間は2週間程度ですが、この14回のプログラムを通じ1,000人以上の子どもたちの手術を手がけたことになります。

 この間、日本人ドクターの中で中心的役割を果たしてきた与座聡先生からこんな話を伺いました。1997年ラオスでのことです。
先生が6人兄弟の長男だという17歳の少年の手術を終えた時、その顔を見た付き添いの
父親が大声を上げたそうです。まだ術後の腫れが引いていない状況だったので、手術の結果に不満なのかと一瞬思ったそうですが、通訳を通じて聞いてみると、「息子が“人間になった”」という歓喜の叫びだったのだそうです。ラオスやカンボジアでは、生まれてくる子どもの「みつ口」は親の犯した罪の報いという考え方があり、その子だけでなく家族のすべてが社会から差別、蔑視されることがあるといいます。この手術の成功は、単に病気の回復というに留まらず人間としての尊厳の復活であり、それによってこの子どもとその家族が地域社会とのつながりを取り戻すことが出来たということを意味します。先生が、その後今日まで継続してこの作戦に参加し続けるようになったのは、この時の経験が大きかったといいます。
 
 2005年11月、スマイル作戦は15周年を迎え、その発祥の地、カンボジア、プノンペンのコサマック病院で記念式典が盛大に行なわれ、政府の要人も多数参加しました。また日本人ドクターを含むスマイル作戦医師団は王宮で国王と謁見する機会を得ました。内戦の苦しみから立ち上がろうとしているカンボジアで、多くの子供達とその家族に希望を与え続けてきたことと、カンボジアでの医療水準向上のために努力してきたことが評価されたものでしょう。

 2006年中にMDM全体としては世界各国で28回のスマイル作戦が計画されていますが、
その内カンボジア、ニジェールなどを中心に3-4回、日本人形成外科医/看護師延べ10人前後の派遣が予定されております。
このスマイル作戦は一回のミッション(約2週間、手術対象平均60人)に200万円前後の費用がかかりますが、従来から、日本国内でも個人・企業を問わず多くの方々からのご支援を戴いております。日本法人としては、今後もこのプログラムを最重点プログラムとして育てていく方針であり、関係者の一層のご理解とご支援を御願いするものです。

尚、2006年1月の西アフリカ、ニジェールでのスマイル作戦には、上記の与座先生のほか日本事務局からもスタッフが参加しますが、その様子は、TBS系の人気テレビ番組「情熱大陸」で取り上げられます。放映は3月になると思いますが是非ご覧いただき、メドゥサン・デュ・モンド及びスマイル作戦に対するご理解を深めていただきたいと思っております。

メドゥサン・デュ・モンド ジャポン
                                     事務局  岸 達也



このようにメドゥサン・デュ・モンド(「世界の医療団」)の活動は、社会貢献のひとつとして、大切な事業です。
しかし、もっと多くの医師や歯科医の助けが必要な事も事実です。無論、私たち開業医が実際に現地に行く事は大きな問題があることも理解しています。
ですので、私(当院)は、患者さまのお口の中から‘取り外した被せ物や、壊れた入れ歯、使えない金属’等を集めて、精製(有効な金属や、再利用可能な金属に換えて)し、そこから得た資金で、この「世界の医師団」の応援と支援をしています。
このブログを読んだ戴いた患者さんも、いろいろな形で応援や援助はでるものと考えています。
これらを踏まえて、この活動にご援助、ご理解を頂ければ幸いです。(詳しくは、TEL特定非営利活動法人 メドゥサン・デュ・モンド ジャポン Tel:03-3585-6436 にお問い合わせください)

 小川勝久