最新の審美&インプラント日記

天王洲アイル・天王洲インプラントセンター 小川勝久先生による審美とインプラント治療の日記と情報

オールセラミック

2012-10-25 14:08:29 | Weblog
10月21日は、四国・高松で、講演をしてきました。
香川県・高松といえば、‘うどん’です。本当に、讃岐うどんは絶品です。講演の朝も、7時に起きて、食べに行きました。なんと!200円。200円で本当に本当に美味しいうどんが食べられるので高松は良い処です。そう!小豆島にも行ってきました。すごく綺麗で、そうめんやつくだ煮、そしてオリーブを満喫してきました。

で、講演の内容は、前歯を綺麗に治すときに用いるオールセラミックという材料とその使い方について、実際のセラミックスや模型をお見せしながら、お話ししてきました。

患者さんへ。オールセラミックは非常に良い材料ですが、受ける医院や医師の技量に左右されるので、医院や医師を選んでください。

若い先生へ。e.Maxやジルコニアは、接着が大切です。また、そのこと以上に、患者さんの口腔内を綺麗にしておかないと、印象や接着の時に、プラークや出血が邪魔してしまいますよ


5年後から考える、骨移植と歯肉移植の必要性

2012-10-13 15:24:38 | Weblog
5年後の評価と反省 骨の移植と歯肉の移植
‘してよかった事’と‘やれば良かったこと’

前歯のインプラント治療が難しい事は、なんどもこのブログで伝えています。この患者さんは、歯科医の紹介でインプラント希望で来院されました。

5年前 2007年‘シムプラント’(手術をコンピューター上で診断するソフト)で解析・診断し、べニアグラフト(骨の移植)を行い、インプラント治療しました。
骨造成を行ったので、結果、埋入方向(インプラントを入れる角度や方向)は理想的に(今、思えば、もうちょっと口蓋側に)入れることができました。
仮歯で、周囲の歯肉との関係を検討し、患者さんとも話し合い、セラミックを作製しました。
患者さんも両隣の歯を犠牲・歯を削ったり・ブリッジにしにすることなく、綺麗に治せたので、喜んで頂きました。


しかし、歯科医療も治療が終わってから、新しい‘メインテナンス’という定期検査(1年に一度程度)のはじまりです。
2年後、2009年、歯間乳頭のクリーピング(再建)ができましたが、反面、遠心部のちょっと歯肉が痩せてきました。

5年後・患者さんも結婚・出産を終え、幸せな生活を送っています。しかし、遠心部の歯肉は痩せてきています。

当時は仮歯での段階で、患者さんとの相談して、‘歯肉の移植’はしませんでした。しかし、このような経過を診ると、‘歯肉の移植’は、やれば良かったのです。
いろいろな文献や治療例から報告されているように、日本人の特に若い女性のような‘薄い歯肉’では、治療後に歯肉の‘痩せ’が起こりやすいのです。ですので、予め、薄い歯肉を厚くしておく必要があるのです。

ただ、この記事を読んでくれている患者さん、歯科医の先生も、ご自身だったらどうされるか? どうするかを? もう一度考えましょう。

私は、次の患者さんには、この経験を説明して、長く、快適に綺麗にいるためには、歯肉の移植はお薦めします。
PS 歯科医の先生は、いろいろなお考えがあるでしょう。いつでもご連絡を。患者さん

‘ていねい’に行う事。

2012-10-05 10:11:00 | Weblog
strong>歯科治療の基本。~ その基本が難しい ~

歯が痛くて、神経の治療の時に、先生が‘針’みたいなものをグリグリしてたのを覚えていませんか?
『根の治療』(神経の治療と同じ意味)は、患者さんにとっては、何をされているか判らず、私たち医師も、根の中をよく見ることが出来ない事から、治療がとても難しいのです。

写真は前歯の治療ですが、根の先に膿が溜まっていました。そして、根が曲がっていましたが、しっかり根の先まで薬が入ったので、無事に治りました。

そして、土台の治療を丁寧に削って整えました。そして、技工士さんが、精密に美しくセラミックを作りました。

無論、患者さんも私たちの説明を聞いて、歯を磨いてくれて、治療に協力して頂きました。

これらこそが、歯科治療の基本です。

PS でも、治療ってお口が大きく開かなくて・・・大変ですよね。何度もお仕事や日常を歯科医院の通院に割いてくださりありがとうございます。
期待に応えるよう頑張りますので、ご来院ください


治療を成功に導くために

2012-10-02 22:23:07 | Weblog


治療を成功に導くには、『細かな事の積み重ね』なんです。ミケランジェロの言葉に、~些細な事の積み重ねが完璧を作る。が、些細な事と完璧とは違う~という名言があります。

この患者さんは、一年前に後輩の歯科医から紹介され、上あごには、サイナスリフト(上顎洞拳上術)という骨の移植を併用して手術しました。
若い女性でしたので、笑顔での唇の形に合わせて歯を並べて、痩せた骨や歯肉も元に戻すようにしました。

その為にも、インプラントの埋入位置や角度は、とても重要で、前歯や奥歯の位置を考えて治療を進めていきました。1mmずれても上手くいかない事もあるので、手術前にCTや模型からガイドと呼ばれるドリルが正確に行える装置を作って備えました。

歯の形も色も、少しでも綺麗で若々しい方が良いので、何度も患者さんと相談して、位置や大きさや出具合も決めていきました。

インプラントの本数も、これからの長い人生に二度と大掛かりな再治療が無いように(出来れば、最後の歯科治療となるように)上あごは、8本としました。

それと・・・上あごのインプラントの土台は、チタン製なのですが、CADCAMと呼ばれる、コンピューターでの削り出しという最先端技術を応用しました。

患者の皆さん、きちんと治すには、それなりの時間も必要です。それと、患者さん自身の協力も不可欠です。

医療の進歩 ~ここまで進んだ歯科技術~

2012-09-26 08:37:09 | Weblog
友人の歯科医から、ご紹介された患者さんは、前歯に重度の歯周病に侵され、見栄えも悪く、非常に困っておりました。抜歯には理解を示すものの、歯の無い状態は絶対には、絶対に‘嫌’であり、部分入れ歯も‘嫌’ということでした。

抜歯を想定した『光造形模型』(CTから作る患者さんの骨の模型。当院のCTから作製できます。)から、手術をシミュレーションし、仮歯を作成し、骨の移植や歯肉の整形の形態を検討しました。

朝・10時からのオペで、7歯を抜歯、同時に、4本のインプラントを埋入。11時から、骨移植&歯肉整形。12時に仮歯装着・・・1時にには患者さんは安堵して帰宅されました。


*写真は術前と10日後・そして4ヶ月後の状態です。仮歯は術直後に入れるので、細かな歯の形態や色調には限界がありますが、十分満足できるものです。このあと、骨や歯肉の安定を待って、最終的にセラミックで完成させていきました。

結婚式前に、前歯を折ってしまいました。

2011-05-23 14:19:59 | Weblog
半年前・・彼女は、結婚式を控えて、前歯を折ってしまいました。他の医院・歯科大学でも、インプラントを勧められてましたが、当院へもセカンドオピニオンとして来院されました。

もう一度、患者さんと、私が以前治療した同じような症例で、納得いくまで相談いたしました。ただ、レントゲンやCTから、前歯は折れており残念ながら抜歯せざるを得ませんでした。

でも、本当に大切なのは、ここからです!(無論、インプラントや他の方法も含めて治療計画書を作成して、治療にはいるのですが・・・)
まず、丁寧に慎重に抜歯をすること。これは、周囲の歯肉の形を守るのです。
つぎは、歯肉の形が変わらないように、‘ソケットプリザベーション’という方法で、骨の移植を行うのです。
そして、この後に、インプラント治療なのか、ブリッジ治療なのかを最終的にもう一度患者さんと相談しました。
なにも、インプラントが全てでは無いのですよ。

先週18日水曜ににも、調布市歯科医師会で『前歯のインプラント治療について』講演をさせて頂きましたが、前歯のインプラントって本当に難しいのです。

この患者さんは、若い美しい女性ですし、骨の移植も上手く直り、歯肉の形も守る事ができたので、‘接着性ブリッジ’という強力な接着技法を用いた方法で治しました。

患者の皆さん! インプラントは良い方法ですが、常にベストというわけではないのです。

PS 歯科医のみなさんへ、前歯左右のインプラント治療は最も難しい治療の一つです。患者さんの骨や歯肉、そしてなによりも、ご自身の経験と技量に合わせて、ベストな方法を選択してください。

超一流選手の歯並び

2011-05-14 21:55:07 | Weblog
今日現在のパリーグホームランのトップをいく、7本のホームランを打っている福岡ソフトバンクの松田選手のマウスピースもアンダーアーマーと一緒に当院で作りました。ちょっとは好調の一端もあるかもれません。
っていうことで、先日、オリックスの4番の岡田選手。5番の北川選手のマウスピースをつくりました。

岡田選手(昨年のホームラン王)は、まったく虫歯も歯槽膿漏なく(歯科治療の痕跡もほとんどありません)、健康そのものです。北川選手もきちんと治療されており、噛み合わせもピッタリです。
写真の中央が岡田選手。後ろの陰にいるのが、おちゃめな北川選手です。

そう!日ハムのダルビッシュ投手も、すごく綺麗な歯と歯並びで、自己管理が素晴らしいと感じました。(ダルビッシュ投手は、治療台から足が大きくでてしまうほど、すっごく大きく、それ以上にとってもハンサムでで・・)

女子プロゴルファーの馬場ゆかりさんも、とっても綺麗な歯と歯並びで、もちろん虫歯も歯槽膿漏も無いんです。

やっぱり、子供のころから、体の管理と一緒で、お口の中の管理もきちんとされていたんだと思いました。
ちなみに、一流企業の社長さんや企業されている経営者かたの多くが、とっても綺麗な歯並びやお口の中なんです。

このブログをお読みの皆さんも、歯のお掃除や歯槽膿漏の予防も兼ねて、たまには歯科医院でクリーニングをされてみてはどうですか?
運が良ければ、待合室のソファーの隣が、超有名選手ってこともありますよ



海猿

2011-05-10 23:46:26 | Weblog
「私には、その質問の意味が解りません!」これは、映画‘海猿3・ラストメッセージ’での下川救難課長のセリフです。
洋上に浮かぶ日韓共同開発の天然ガス・プラント(ガレリア)が火災を起こし、取り残された5人を救うには、そのガレリアを海に沈める方法しか残されていない。しかし、内閣参事官の藤森は、「その5人は、1500億円掛けた国家プロジェクトより価値があるのか?」と、1500億を費やした施設・ガレリアを守る事を優先しろと海上保安庁に詰め寄ります。
この時の、海上保安庁・下川救難課長のセリフが、まさに「私には、その質問の意味が解りません」なのです。

‘人命は何よりも優先されなければならい’ことは論を持ちませんが、浜岡原子力発電所の停止問題や、ユッケ(焼き肉)食中毒問題では・・・正論を正論として言えない昨今ではないですか・・。

じつは、今日の患者さんは、下川課長でした。一生懸命に治療したセラミックの詰め物が割れてしまい、事情をご説明し、再治療させていただきました。
治療中の雑談の中で、「映画のセリフ・・カッコよかったですね」とお話しすると、なんと、真顔で、その:カッコ良いセリフを言ってくれました。ドッキってしましたぁ。さすが本物俳優さんはオーラがあってスゴイです。

皆さんも、‘海猿・ラストメッセージ’ご覧になってください。きっと感動しますよ。

PS 次回作もあるようです。‘海猿4’期待しましょう ♡

PS 歯科医のみなさんへ。日本歯科評論の5月号に、ミニタービンについて論文を書きました。ぜひ、ナカニシのミニタービン使ってみてください。

歯科治療に本当に大切な事

2011-04-06 08:57:32 | Weblog
歯科医の先生へ

歯科治療の中でも、いろいろ大切な手技や治療ありますよね。なにが大切だと思いますか?

クインテッセンスQDT Art&Pracriceの6月号に神奈川歯科大学・木本教授と共著で臨床論文を書きました。
補綴処置の『歯肉圧排』についてです。ぜひ、楽しみにしてください。自分でいうのも変ですが、今まで自分で書いた中で、一番良い論文だと思っています。
ちょっとその一旦を載せてみますね 。頑張って、これくらいの臨床をみせてください。

以下・一部論文より抜粋。
~ 北米の補綴専門医の98%は、日常的に歯肉圧排を行う。このことは,歯肉圧排はただ単に印象採得の基本手技の一つではなく、歯冠修復治療にとって必要不可欠な手技であると理解しているからであろう。(これは、この歯肉圧排が、補綴物の適合と長期の予後の左右することに繋がるんです)

近年、目をみはるようなインプラント治療や素晴らしい審美治療が行われているが、その根幹は今回,解説した歯肉圧排を含めた、歯内療法や歯周治療・支台歯形成・印象採得・技工操作などの一つ一つの積み重ねである。
(ついつい、綺麗でカッコ良い治療に憧れるのでしょうが、歯科医療の本質を見てくださいね) ~


患者さんへ

きちんと治療を行うには細かな事の積み重ねて、時間も手間も、費用もある程度は必要なんです。
無論、患者さんの理解と協力が不可欠です。
それと、診療室で撮影したお口の中の写真は、論文や講演を通じて、社会に還元しています。それが、今の僕に出来る事です。

今回の大震災で多くの方が被災しています。その為には、無論、寄付も大切です。異論はないです。ただ、それと同じくらいに、皆さんのやれる事を、やれる範囲で、社会に還元していきましょう。

知っておこう! 歯を抜くときの最良な方法

2011-04-01 11:36:13 | Weblog
知っておこう!歯を抜くときの最良な方法。

歯を抜くのって、いやですよね。歯科医の私でも、正直、抜かれるも、抜くのも嫌なんです。
でも、大きな虫歯や歯槽膿漏で、一生懸命頑張っても、抜かざる得ない事もあります。特に前歯だったりすると、見栄えも悪いので、本当に困りますよ。

じつは、今の歯科医学はすごく進歩していて、抜歯したその日に、インプラントも入れることが事もできるし、綺麗な仮歯だって入れて帰る事も出来るのです。
この患者さんは、前歯が折れてしまって、どうしても抜歯が必要でした。しかし、とくに若い女性にとっては、歯が抜けたままだったり、見栄えの悪い仮歯では可哀そうです。

そのようなときには、この写真のように非常にいい方法があります。
1、 歯を抜いた後、周囲の骨や歯肉が痩せないような特殊なスポンジのような薬を用います。
2、 髪の毛より細い、溶ける糸(すっごく細く、透明な糸)で丁寧に縫合します。
3、 仮歯を用意しておいて、強力な接着剤で止めるのです。
4、 噛み合わせを考えて、力が掛かっても、外れないような細工をしておきます。

出来れば、歯を抜く前に前もって、型取りした模型から、歯を抜いた状況を想定して仮歯を作っておくのが最良な方法です。
このような仮歯では、食事程度で仮歯が取れる事は無いので、安心してお食事や生活をしていただけます。
そして、この方法だと、歯を抜いた後、骨が痩せたり、歯肉が凹む事も防止できるのです。

ちょっとの違いが大切です。

歯科医の先生へ
無論、オベイドにするのか、骨補填剤を使うのかは診断が重要です。裏側のウィングはバイトを考慮して作っておきます。このケースではファイバーで補強して作りました。
糸は、80の吸収性で補填剤の上にコラーゲン製剤を乗せています。