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インテリアコーディネーターのブログ。
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11月1日 京都ブランド

2006-11-01 | インテリア/建築
今年度より始まった、ハチセが主催する検定試験、「京町家検定」。

みなさんも、チャレンジして頂けましたでしょうか。

ハチセ初の試みで、検定の企画担当者は、休みを削って試験問題を調整したり、遅くまで残って企画したりと大変苦労していました。昨日に上級試験の最終日を終え、ほっとしたことと思います。
全国からたくさんの方々に挑戦していただき、誠にありがとうございました。
来年も開催する予定ですので、今年受験できなかった方は、ぜひ試してみてくださいね。

そんな私はというと、10月は前半をとても忙しくしており、なかなかチャレンジすることができず、締め切り間近となった27日、やっと受験することができました。

結果は、不合格。25点でした。
仕事の合間をみて受験したので、途中で電話がかかってきたり、来客があったりと、そんなことも理由にして、再チャレンジ。

結果は、21点・・・。

社員として、これはあまりに恥ずかしいので、それまで飾られていただけの参考テキスト「京町家再生」を初めて端から端まで読みました。
時間にして15分程度。こんなことなら、早く読んでおけば良かったなぁ。と思いました。読んでみると意外におもしろく、「町家」が単なる住宅としての建築物ではなく、そこに関わる人や文化が見えてきて、これまで興味を持たなかったことが、いかにもったいないことだったのか。考えさせられました。

そうして、再チャレンジ。
31点。

参考テキストとして販売しておりますが、上級試験ともなると、それだけでは足りないようです。ネット検索や会社にある書籍を読みあさり、4度目のチャレンジで42点。
35点の合格ラインをどうにか上回ることができました。

その後、他のみんなも次々にチャレンジしていたようですが、やはり1度目は不合格だったようです。みんな慌てて勉強を始めていたのが面白い光景でした。

世間は、公立高校の単位取得不足などが話題になっておりますが、「知っている」にこしたことないですよね。私はいわゆる受験勉強を経験していないので大きなことは言えませんが、「無駄なこと」なんて一つもないと思います。救済措置が発表され、なんだかまともに卒業単位分履修していたことが「損」かのようにも受け取られてしまいますが、きっといつか、長い目で見れば、プラスに働くハズです。
高校生活が大学へ進学するための通過点になってしまっているようで、そんな報道を見て悲しくなってしまいます。

さて、すっかり話がわき道にそれてしまいましたが、10月30日、京都新聞の朝刊にこんな折込みがありました。

京都ブランド
京都広告協会創立50周年記念特集

毎朝、5分を争っている私は、ゆっくり朝刊を眺めることなどほとんどありませんが、さすがにこれには食いつきました。
全16ページ。
中を開くと、格子、犬矢来、瓦、坪庭、正月の花飾りなどなど・・・。とてもキレイな写真とともにその説明がありました。
どれもとても興味深いお話しなのですが、その中で「格子」について以下に引用します。


格子
格子は京町家の象徴といわれているが、滋賀や奈良などの古い町に行けばよく見かける光景である。しかし、「京の千本格子」は京町家の代名詞になってしまった感がある。ちなみに、千本格子とは、格子の意匠の一つで、京町家の格子はその職業(元の)によって意匠が異なる。酒屋なら重い樽がぶつかってもいいように「酒屋格子」で、炭屋であれば炭の粉が道に舞い散らないように僅かな隙間を残した「目板格子」。格子の上部を切り欠いて明かり取りを取っているのは、糸を見分けるため光が必要な糸屋の「糸屋格子」。上三本が切ってあれば糸屋で、二本なら呉服屋である。平格子は商いをしない家「仕舞屋(しもたや)」の格子で、その名も「仕舞屋格子」。千本格子は格子の中でも最も華奢な意匠で、お茶屋や料亭に多い。(以下略。)

ご存知でした?
格子一つをとっても、単なる意匠として、デザインとしてだけではなく、ちゃんと役目が与えられているのです。格子を見れば商売がわかる。特に三本なら「糸屋」、二本なら「呉服屋」だなんて、おしゃれな発想だなぁ。と。

まだまだ奥の深い意味を持つ、町家。
リ・ストック京町家とともに、私自身も成長していきたいと思います。

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