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インテリアコーディネーターのブログ。
住まいのこと。インテリアのこと。仕事のこと。子どものこと。。。

9月8日 シャガール展へ行ってきました。

2008-09-08 | 美術館・展覧会
兵庫県立美術館にて9月6日より10月15日まで開催中のシャガール展へ行ってきました。

兵庫県立美術館といえば、建築に興味のない方も良く知る有名な建築家 安藤忠雄氏の設計によるもので、展示だけでなく建物そのものも楽しみに訪れました。

駐車場からエントランスに向かうと、まず目の前に飛び込んで来たのは円形テラス。スケールが大きすぎて、私のカメラには納まりきれません。

(興味のある方は、兵庫県立美術館ホームページの総合案内をご覧ください。)

館内に入ると、それはそれは広大なスペース。カメラを向けても何を撮っているのかサッパリわかりません。それでもなんとなく・・・大きさは伝わるでしょうか?

そんなこんなで、目的であるシャガールの作品に出合うまでに、あちこちでキョロキョロした後、ようやく展示会場に足を踏み入れました。
近くで開催されるシャガールの展覧会にはほとんど訪れている私ですが、まだまだ知らない絵がたくさんあります。特に今回の展示は、初めて目にする作品がたくさんありました。初期の作品もいくつか出展されており、この頃のものは、色使いもまた違ったもので、とても新鮮でした。
そして、観覧されている方もまだまだ少なく、比較的ゆったりと鑑賞できました。
午前中に訪れたことも良かったと思いますが、こういった展示会は会期の初め頃に行く方がすいているようですね。ご興味のある方は、ぜひ、お早めに・・・。

せっかくなので、11月9日まで開催中のコレクション展も覗いてみました。
こちらは、もっともっとゆったりと鑑賞でき・・・というより、わたしたち以外はスタッフの方だけの広い会場は、自身の足音さえも気になってしまうほど。新鮮だったのは、作品に触れて鑑賞できるコーナー。
通常の展覧会では「手を触れてはいけない」ことが常識なので、珍しい体験をさせて頂きました。入口では時計をはずし、指輪をはずし、カバンを預け、ウェットティッシュで手を拭き・・・。と、少し手順を踏まなければなりませんが、木の触感や、石の触感を楽しむことができました。ここも観覧者が少ない(・・・というより入場時は私たちだけだった)ことも手伝って(?)学芸員の方の説明を独り占めできました。
お時間があれば、こちらも楽しめるかも?!

さて、入館時から建物の魅力に圧倒されていた私ですが、この後辺りを散策しました。
海沿いのとても広い敷地は、ゆったりととても静かな時間が流れていました。

これからの季節には、ぶらぶらと歩くだけでも、とても贅沢な時間が得られると思います。

■手作り灯り教室の参加申し込みを10月3日(金)まで延長しました。直前までご予定の定まらない方必見です!さらに、参加者全員に「ハチセオリジナルエコバッグ」プレゼント!!(作品の持ち帰りにも便利です。)みなさまお誘い合わせの上、ぜひご参加ください。
Blog記事http://blog.goo.ne.jp/ogawa_advance/e/e07c7f1b910cc96d7c9c3ed2d532a22c
ホームページhttp://www.koumu-hachise.jp/akariseminar.html

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5月18日 再び☆木梨憲武 色の世界展

2008-05-18 | 美術館・展覧会
昨日17日、またまた行ってしまいました。のりたけ展。
前回訪れたのは一週間前の同じ時間・・・。その時は比較的ゆっくり見ることができたんです。
今回は・・・入口まで人が溢れていました。

ざわざわの会場で、飛び交う会話に耳を澄ますと、2度目の訪問者が多いことに気付きます。一種のテーマパークですよね。リピーターが居るんですよ!

私もそんな一人ですが、やっぱり実際の作品が素晴らしいのです。
既に完売になってしまっていた図録。私が購入した時は、まだまだたくさん積みあがっていました。今となれば、購入できたことがラッキー☆だった図録。自宅に帰って開いてみると、たしかにそれも素晴らしいのですが、やっぱり本物とは違うのです。(当たり前ですけど。)その、写真では表現できない割合が、木梨さんの作品の場合、とても多いように感じました。だから、図録を眺めるうちに、やっぱり本物がもう一度見たくなる・・・。
勝手な素人意見ですけど。

それで、重ねてラッキー☆なことに、私に「早く行っておけばよかったぁ~。」と思わせた原因の一つ、“五十音缶バッジ”が追加されていたんです。
もちろん、買っちゃいました♪
一週間の締めくくりに、素敵なプレゼント。明日からまた、がんばるか・・・。


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5月11日 木梨憲武 色の世界展

2008-05-11 | 美術館・展覧会
もっと早く行っておけばよかったぁ~。

4月26日(土)より美術館「えき」KYOTO で始まった『木梨憲武 色の世界展』に行ってきました。会期は、来週5月18日(日)まで。

(そろそろ始まるなぁ。)とぼんやり考えていたのが4月下旬のこと。ぼんやりしている内に時はぐんぐん流れて、すっかり5月に突入してしまっていました。いかなきゃ。と思うものの、就業の時間にはぐったりしてしまっていて、一目散に自宅へ・・・。そんな生活を積み重ねていると、朝の来るのが早いこと。
そんなわけで、何日か前から「絶対!今日こそは!!」と気合を入れて仕事帰りに訪れた本展覧会。
伊勢丹京都店に入店の後、エレベーターで7Fへ。

ドアが開いた途端、目に飛び込んできたのはこれまでに見たことのない光景でした。
会場周辺にところせましと並ぶのは白やピンクの花をつけた胡蝶蘭。相方のタカさんをはじめ、長嶋監督や欽ちゃん、キョンキョンに永作博美さん・・・送り主は誰もが知る錚々たる人たちです。
芸能界ってスゴイ世界だなぁ・・・。と驚きでぼんやりしたまま、とにかく一通り、並ぶ花たちを眺めて、それから館内へ進みました。

色の世界展というタイトルの通り、色彩がとても美しくて、誰にでも受け入れやすい作品が並んでいました。展示の構成も本当に素敵でとてもアーティスティックで、さすが長い間、一線で表現する仕事をされていることがわかります。
仕事の疲れも忘れてキラキラとテンションが上がるのを感じながら、出口が見えてきます。そう。美術館巡りのもう一つの楽しみはミュージアムショップで、グッズを見ること。

もっと早くここへ来るべきだった。

あきらかに品薄感の漂うグッズたち。それから「完売しました」の貼紙。
「完売しました」という言葉は、益々購入意欲をそそるんですよね(笑)。
今回は、図録と展示の中で一番好きだった作品のポストカードを購入しました。

まだ、訪れていない人にはぜひ、おすすめの展覧会です。
ちなみに(伊勢丹)iカードを提示すれば、400円で入館できますよ☆

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3月25日 ウィリアム・メレル・ヴォーリズ展

2008-03-25 | 美術館・展覧会
3月20日(木・祝)、3月末日まで、滋賀県立近代美術館で開催中のウィリアム・メレル・ヴォーリズ展へ行ってきました。
前日の晩からひどく降り続いた雨がようやくあがった正午過ぎ、瀬田に向かって車を走らせます。自他共に認める方向音痴な私。
「一号線を真っ直ぐ行けばいいから。」
誰に聞いても同じ答えが返ってくる瀬田までの道。私自身、何度もその道は通っているのです。さすがに、一本道。迷うわけがナイ。
ところが、なんだか様子がおかしいのです。確かに道なりに走っていたハズなのに、気付けば161号線(苦笑)。
ハイ。わたくし、期待を裏切りません!
そんなわけで、少し(?)遠回りしたものの、なんとかたどり着いた滋賀県立近代美術館。館内のスタッフの方が、「財政が逼迫しており・・・」という説明を訪れた方にされているのが聞こえましたが、そんなことを全く感じさせない、素晴らしい施設でした。
 
さて、みなさんはヴォーリズの建築をご存知でしょうか。
私は、あまりこのあたりのことに詳しくはなく、むしろ、ハチセで設計をお願いしている先生方の図面に、感動することの方が日常です。
ですから、有名な建築家の名前を聞いても、その有名な建物と一致しないことが多いのです。ヴォーリズ。確かに、その名前に聞き覚えはあるものの「ハテ?」といったのが正直なところでした。
そんな、ヴォーリズの展覧会を知ったのは、インテリアコーディネーターの資格取得の際にお世話になった先生から、ご案内を頂けたから。(取得後も、あつかましく色々相談に乗って頂いています。)案内のメールには、次のようにありました。

滋賀県の豊郷小学校で取り壊しが問題になりました。あの建築家(宣教師)の展覧会です。

(そういえば、ニュースで話題になっていた小学校があったなぁ~。)そんな程度の印象しかなかったものの、ヴォーリズの作品がどうこうよりも、「先生が勧めて下さる展覧会なら見に行こう」。といった感じでした。

そんな、全く無知なまま会場に足を踏み入れた私は、ヴォーリズの作品を改めて知り、驚きました。普段何気なく見ている建築物。それらの中に、たくさんの作品があったのです。
例えば、同志社大学 今出川キャンパス内 啓明館・アーモスト館・到遠館、関西学院大学、神戸女学院大学、明治学院大学 礼拝堂、大丸心斎橋店、それから、京都四条大橋のたもと、鴨川沿いに建つ中華料理店 東華菜館(京都市下京区四条大橋西詰)などなど・・・

ヴォーリズの建築は、日本のあちこちにあるので、きっとみなさん、どこかで目にしておられると思います。

そんなヴォーリズは、アメリカ・カンザス州に生まれました。熱心なキリスト教徒であり、現在の八幡商業高等学校の英語教師として1905年に来日、英語教育とともにキリスト教教育にも力を注ぎました。そもそもは建築家ではなく、教師だったのです。
しかし、時代は今から100年以上も遡る1907年、キリスト教教育に危機感をもつ住民たちの要請によって職を解かれてしまいました。ヴォーリズ、26歳の頃のことです。
それから、28歳で京都三条YMCAの一室に、建築設計監督事務所開業(後にヴォーリズ建築事務所開設)してから、1964年83歳で亡くなるまでに彼が設計した建物は、協会や学校、ホテルなど、1,600件にものぼります。

ヴォーリズが事務所を開業してからちょうど100年にあたる2008年に開催されるこの展覧会では、ヴォーリズが残した建築作品を写真や映像資料、模型や資料などから紹介し、生活との調和をめざしてヴォーリズが作り出した建築空間の特徴を学校や教会、商業建築や住宅などの作品のなかに見てゆき、建築をとおして理想の生活を築こうとした、ヴォーリズの活動と思想の系譜をたどります。また会場にはヴォーリズが軽井沢に設けた山荘を実物大で再現されています。
 「理想の居場所を作る」ことに生涯をかけたヴォーリズ。その世界を体感することができる展覧会です。広大な敷地内にゆったりと建つ、会場である滋賀県立近代美術館とそれを取り巻く文化ゾーンも魅力的です。会期はあとわずか。
興味のある方は、滋賀県までお急ぎください。

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3月17日 ドイツ・ポスター展

2008-03-17 | 美術館・展覧会
先日までの寒さが嘘のような穏やかな日差しに包まれた昨日、3月16日(日)、京都国立近代美術館で、3月末まで開催中のドイツ・ポスター 1890-1933展へ行って来ました。

人を引き付けるのに十分な力を持つ大きな目が印象的なポスターに、思わず足を止めた方も少なくはないと思います。私もそんな案内を見た直後に、チケットを取り寄せた一人で、数日後に届いた蛍光のオレンジ色のチケットがとてもかわいくて、ここを訪れることを本当に楽しみにしていました。
会場では、私と同色のチケットを持つ人の他、ブラックやシャンパン色を手にしている方も見かけました。こんなトコロにもセンスが光りますね。

さて、展示されたポスターは、一世紀以上も遡り、第一次世界大戦以前のものから第二次世界大戦の開戦前あたりまでを生きたものたち。
「絵画的ポスター」から「即物的ポスター(=「画・背景・テキスト」に還元し、美的でありながら、瞬間的な内容伝達を可能にする新たな画面構成)」への変遷や、「プロパガンダ(=国家や政府、政権政党が権力のもとに特定の思想・世論・意識・行動へ誘導する国策宣伝。有事下の情報・心理戦の技術の一つであり、しばしば政治的な内容や圧力を持つ)」など、時代を象徴的に映し出していました。
特にナチス独裁下のドイツでは、プロパガンダの手法が、大いに活用されたと言われていますが、ポスターを見るだけでも、ナチスの軍服が目に浮かぶような、作品の暗くて強い力に、思わず立ち尽くしてしまったほどです。

チケットとは対照的に、全体的に深く落ち着いた色使いの作品が多く見られましたが、どれもその配色の美しさに、(私も、こういった配色を悩むことなくスラスラできたら、様々なプレゼンツールの出来栄えが随分変わるだろうなぁ。)と感じました。
こういったところからも、その技術を盗んでいきたいものです。

少し堅苦しいレポートになってしまいましたが、このポスター展、普段は美術館とは無縁な方にも比較的に楽しめる展示ではないでしょうか。
難しいことを抜きにして、単純にその色彩やグラフィックデザインは、見る価値アリ☆だと思いますよ。

 

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10月22日 シャガール 愛と自然の賛歌

2007-10-22 | 美術館・展覧会
昨日21日(日)、奈良県立美術館で12月16日(日)まで開催中のシャガール展へ行ってきました。

約7年振りに訪れた奈良・・・そして初めて訪れた県立美術館。
お天気にも恵まれ、交通量が多いのが少し残念ですが、自然にも囲まれたとても気持ちの良いところでした。


もちろん、鹿にもあいましたよ。


さて、シャガール展といえば、今では近くで開催される時には必ず訪れる私の行事となっていますが、こんなにもゆっくりと観覧できたのは初めてでした。

人気のせいか、いつも絵にへばりつくような近さでしか見ることができず、行列に連なるしかない人の多さと、本当にこの人たちは絵が見たかったのだろうか?と疑わずにはいられないほどの大声での談笑の渦の中で、ぐったりして帰らなければなりません。

少しでもゆったり見たいと、この展覧会のために平日に休みを取るか?どの曜日がすいているか?など、いろいろ考えてみましたが、思いついたのはなるべく早い時間にそこを訪れるということ。
朝はあまり得意ではありませんので、開館の9:00入館・・・とはいきませんでしたが、10:30には入館することができました。

美術館は、朝がオススメです。

生誕120年記念にあわせて、美術館には約120点の作品が並びました。初めて見る作品もいくつかありました。そして何より、2年前から(もう一度見たい!)と探し続けていた『アネモネ』に出合うことができました。


(画像は、購入したポストカードを写真におさめたものです。)

美術館は9:00から17:00まで。金曜日・土曜日は、21:00まで開いているのも嬉しい配慮。さらに、日程によっては月曜日でも開館している日があります。
秋の行楽を兼ねて、奈良での一日はいかがでしょうか。


今回は、図録とポストカード6枚を購入しました。

10月10日 ピカソ展へ行ってきました。

2007-10-10 | 美術館・展覧会
先日、会期終了の迫る中、美術館「えき」KYOTOで開催されていたピカソ展へ行ってきました。ピカソについてはもともとあまり詳しくないせいもありますが、今回の展示では、私にとって初めての作品にたくさん出合うことができました。

特に今回の展示ではたくさんの陶芸作品を見ることができ、その作品から感じた素直な感性に、言葉で表現することはとても難しいのですが、改めて学んだものがあります。

後になってパンフに書かれた紹介文を読み、そのぼんやりとした感情を決定付けることとなりました。

晩年過ごしたヴァロリスでの生活は陶芸を中心に版画などに積極的に取り組んだ時期でもあります。そこに描かれているのは、今までのピカソとは思えない大胆な構図が多く、特に皿に描かれた絵付けはまるで子供の絵のような作品でした。当時のピカソはその時のことを「やっと子供の様な絵が描けるようになった」と話しています。子供の頃から周囲に期待され、その期待に応えるために表現力豊かな作品を創造していたピカソは、その重圧から解放され、晩年期の作品が生まれたといわれています。

ものをつくるために勉強し、少しずつ知識を身につけると、どこかテクニックに頼ってしまうというか、人にどう見てもらうか?人に褒めてもらえるものをつくろうとする気持ちが強くなってしまいます。

私は以前からピカソの晩年の作品が好きでした。しかし、その理由はわかりませんでした。どう考えても、1時間もあれば完成してしまいそうな作品にばかりなぜ惹かれてしまうのか?

今回陶芸に描かれた作品を見ながら、もしかすると、誰かに見せるためではなく、素直に描かれているところに、無意識の内に引き寄せられているのではないかと気付きました。
「顔」と題されるたくさんの作品は、丸いお皿から顔を発想するという、全く素直な感覚で表現されています。
そして現在私が行っているコーディネートが、テクニックに頼るだけの温度のない提案になっているのではないか。自問自答しなければなりませんでした。

ピカソが晩年になって「やっと子供のような絵が描けるようになった」と話していることからも、私はまだまだ「子供のような」作品を目指せるほどの器量はありませんが、いつかそんな風に思える日を迎えたいものです。

9月25日 北欧モダン展に行ってきました。

2007-09-25 | 美術館・展覧会
23日(日・祝)、京都市美術館で開催中の北欧モダン展へ行ってきました。
美術館の前には、ものすごい人だかりで、(やっぱりか?!)と、心の中で戦闘体制になってみたものの、その人たちの向かう先は「フィラデルフィア美術館展」。
「フィラデルフィア」と聞けば、クリームチーズしか連想できない私は、大行列を横目に比較的すいていた北欧モダン展へ歩を進めました。

中に入って目にするものの大半が、コーディネーターの試験前に、呪文のように覚えたデザイナーの名前とその作品たち。
どれもこれもスゴク格好良くて、「お手を触れないでください」という注意書きに、それは当たり前なのだけれど、かなりのフラストレーションを感じずにはいられませんでした。
特にイスの場合、座りたくなる衝動を抑えるのは大変なもの。
まぁ、どれもこれもただ座りたいだけではなく、持って帰りたくなる作品の数々なのですが・・・。

そんなわけで、この展覧会のレビューは、とにかく格好良かった。ということと触れたかった、座りたかった・・・といったこと以外に表現のしようがなく、ここにUPさせることに躊躇しておりましたが・・・

今朝、いつものようにこのブログにもリンクを貼っているナリログを覗くと、このネタが取り上げられていたので、私も負けずに投稿することにしました。(パンフレットの画像もこちらのブログから拝借。勝手にごめんなさい。)

そんなわけで、ここからその展覧会の様子を想像して頂くのは困難かもしれませんが、テキストを開くと必ず目にするような家具や照明たちを見ることができます。
触れることができないのは残念ですが、その質感を見ることやサイズを知ること、そしてその長い歴史を知ることのできる場所です。
私自身も、本物のポニーチェアを初めて間近に見ることができ、その大きさに驚きました。その質感をどうしても確かめたくて、こっそり触ってしまいましたが・・・。

(写真は、京都市美術館ホームページに掲載されている展示の様子)

会期は10月21日(日)まで。比較的気軽に見られる内容だと思いますので、お近くにお出掛けの際は、ふらりと訪れられてはいかがでしょうか。

5月17日 かんじんなことは目に見えない

2007-05-17 | 美術館・展覧会



   心で見なくちゃ
      ものごとはよく見えないってことさ。

   かんじんなことは、
      目に見えないんだよ。





これは、童話「星の王子さま」の有名な一節です。
星の王子さまと出会って20年。
ずっと大好きだった星の王子さまが、京都にやって来ました。

5月16日(水)より28日(月)まで大丸ミュージアムKYOTOで開催中のサン=テグジュペリの星の王子さま展
私は早速、初日の昨日の晩、そこを訪れました。

ところで、「星の王子さま」とは原題は「Le petit prince」といい、フランスの作家 サン=テグジュペリの代表作です。1943年にアメリカで初めて出版され、現在では世界100カ国以上で翻訳されています。
日本では岩波書店が独占的な翻訳権を有していましたが、原作の日本での著作権保護期間が2005年1月22日に満了したため、中央公論新社など数社から新訳が出版されています。

私が星の王子さまとの出会ったのは、10歳のある日のことでした。
母が中学生だった頃に友人からプレゼントされたという「星の王子さま」の一節を綴った手作りの絵本を見せてくれたことに始まります。
その絵やことばに強烈な印象を受けた私は、全文が読んでみたい。と思うようになりました。
それから幾日も経たない日に、小学校の体育館で行われたバザー。その古本市で偶然に手にした本がすっかり色褪せた星の王子さまの本でした。

記憶があいまいですが、たしか10円か20円で購入したと思います。

昭和46年に増刷されたそれは、当時240円で売られていたのですから、時の流れを感じずにはいられません。

幼いながらも、たくさん並ぶ本の中から、その1冊を見つけ出すことができたことに、ある種運命めいたものを感じた私は、それから早速読んでみるのですが、それほどスラスラとページを進められたというわけではありませんでした。

(なんだか、よくわからない・・・。)

というのが正直な感想でした。でも、キライではない。そして、もっと知りたい。と思うようになりました。今から思えばその感情は、「恋のはじまり」のようなものだったのかも知れません。

それからというもの、毎年1回くらいは、ページをめくり、めくるたびに、違った感覚を覚えることに魅力を感じ、ますますその世界にはまっていきました。
まるで、なんともいえない柔らかな挿絵に吸い込まれていくように。

ところで、かんじんの星の王子さま展ですが、星の王子さまファンなだけにあえていうと、まず、パンフレットに使われた書体がどうも気に入らないんですよね・・・。
私のイメージとは少し違うのです。(まぁ、至極勝手なイメージに過ぎないのですが。)


展示自体は、とてもメルヘンで美しくて、象徴的なオブジェもあったりでステキな空間でした。ただ、やはり展示となると、解説しないわけにはいかないのでしょうが、その物語の裏にある部分や、謎がとても丁寧に解説されていたのが、私にはなんとなく現実的過ぎるように思えてしまいました。

実は、高3の時に夏休みの読書感想文の課題図書に「星の王子さま」が選ばれ、迷わず私はそれを選びました。
その際に、星の王子さまの裏側にあるものは、かなり調べましたので、今回の展示で解説されていた内容のほとんどは、すでに知っていました。
その背景を知ったときは、わからなかったのですが、その後、開くたびに変わる本の魅力が薄れてしまったことに、後になって気付きました。そして、その世界が好きだっただけに、この作品を課題に選んでしまったことを後悔しました。
それ以来、ページをめくる時には、なるべく感性に響くものだけを感じ取るようにしています。

それを、サン=テグジュペリのことばに重ねるならば、

おとなは、だれも、はじめは子どもだった。(しかし、そのことを忘れずにいるおとなは、いくらもいない。)

といったところでしょうか。

と、好きなだけに少し辛口な評価になってしまいましたが、それでもその世界に浸ることができて、十分満足して帰りました。そして、やっぱりすっかり大人になった私は、心ではなく、目に見えるキャラクターも大好きで、たくさんのグッズを購入して帰りました。
28日までに、もう一度訪れるつもりです☆

おとなの世界にどっぷり浸かってしまっている方は、ぜひ・・・
王子さまの素直なことばに癒されると思いますよ。

5月5日 ダリ展へ行ってきました。

2007-05-05 | 美術館・展覧会
先日、サントリーミュージアム(天保山)で、明日まで開催中のダリ展へ行ってきました。

絵にそれほど詳しくない人でも、「ダリ」と聞けばなんとなくその色彩くらいは思い浮かべることができる有名な画家だと思いますが、私も、その程度で、じっくりとダリの世界に浸ったのは、この日がはじめてでした。

もともと、このダリ展は、私がハチセに入社した当初にお世話になった先輩に誘って頂いたのがきっかけ。私がハチセで過ごす時間は、ついにその先輩とともに仕事をした時間を越えてしまいましたが、尊敬し、強く影響を受けた人なので、未だにしつこく付きまとっています(笑)。
私の仕事に対する考え方や、取り組む姿勢の本ともなった人。

「7時に終わる仕事は、6時に終われる」

これ。私が入社当初に言われた言葉なのですが、まさに名言だと思っています。
頻繁に時計を見るようになったのも、時間を刻む仕事のスタイルを確立したのも、この言葉に影響を受けたもの。
たまに、このブログもチェックしてもらえているみたいなので、あまり書くと怒られそうだから、この程度にしておきますが、私が理想に近いかたちで歳を重ねてこられたのは、この言葉の力が大きく影響しているハズです。

さて、ダリ展ですが、ゴールデンウィークの混雑を避けて、平日の1日に訪れました。
ところが、あまりの混雑に驚きました。
私の大好きなシャガール展に出掛けると、日程や時間、場所に関係なく、人の隙間から絵を覗くような鑑賞に疲れてしまうのですが、今回もそれとほぼ変わりませんでした。
しかも、ダリの作品は技巧を凝らしたものばかり。
私は、絵を見るときにあまりその背景とか理論的なものを気にせず、単純に色彩や光だけを感覚的に感じる程度で、人に説明できるようなものはありません。
シャガールだって、これまで何度もその展覧会に足を運んできましたが、あまり詳しいことは知らないのです。
解説のヘッドホンだって借りたこともないし、絵の横に付け加えられた説明文も、その全てを読んだことがありません。

ところが、たくさんの人の列はなかなか流れようとしません。
絵に顔が触れるのではないか?と思うほど、近くまで寄って鑑賞する人、それから多分長い説明が行われているのであろうヘッドホンをつけた人たちが、1点1点の前で長く立ち止まります。
私は、どうすることもできず、進まないから、説明文を読んでみたり、人が注目しているところに乗っかってみたり・・・。とにかく普段の鑑賞法とは全く違うスタイルで眺めてみました。すると、その技巧の数々に気付くことができたのです。

例えば、見方によって違った姿に変化する「ダブル・イメージ」の技法や、一枚の絵の中でパズルになるような作品だとか、なるほど、遠くからではわからない細かなテクニックを見ることができました。

今回は、油彩画約40点に加え、ダリ財団秘蔵の手稿やドローイングを交えた180点の作品が展示されていました。
私のイメージするダリは、広大な大地の色彩と太陽の沈みかける瞬間のような青に黄色の雲がかかる独特の色彩の空が印象的な画家でしたが、意外に澄んだ鮮やかな色彩の作品も見ることができました。

ダリ展。
恐らく、とても混雑していると思いますが、サントリーミュージアムでの展示は、明日が最終日です。ダリの精神世界に浸りたい方は、今すぐスケジュール調整を。

3月8日 ピカソの版画と陶芸展へ行く

2007-03-08 | 美術館・展覧会
なんだか無性に絵が見たくて、国立国際美術館へ行ってきました。
国立国際美術館といえば、その建物自体にもとても興味のあった場所。
一度、行ってみよう。と考えてはいたものの、「大阪」というとそれなりに頑張らないといけないわけで・・・。

ところが、ここのところ、プライベートな時間がなかなか持てない状態になると、ほんのスキマを利用してしまおう。という珍しく行動的な私が見え隠れ。

毎週日曜日の午前中に受講している講座の授業を終え、昼食を済ませた午後3時。重いテキストたちはさっさと駅のロッカーに詰め込み、目指すは美術館・・・。
勢いで電車に乗ってしまったものの、「JR福島駅から徒歩10分」という情報しかない状態。自他ともに認める方向音痴だけれど、こういう時、妙に強くなってしまいます。(日本語通じるから・・・なんとかなる♪)って。

福島に着いたら、迷うことなく駅員さんの元へ。そして道を尋ねました。
駅員さんは、地図を見せて、説明してくれますが、方向音痴の私にとって、地図が読めれば苦労はないわけで・・・。地図を見せられてもサッパリ意味不明だけれど、とにかく「真っ直ぐ行って、左の方向」という言葉だけをたよりに、左を見ながら真っ直ぐ歩いてみました。

たしか、特徴のある建物だから、左さえ見ていれば、何かしらぶつかるだろう。
そんな風に歩き始めると、遠くの方に何やら不思議なものが見えてきました。

「駅から徒歩10分」。不動産会社であるハチセに勤めて10年目になる私は、もちろんこの「10分」がアテにならないことくらい良く知っているハズなのですが、どうしても素直に信じてしまい、毎回(うそつき~!!!)と心の中で叫ばなくてはなりません。
暖かくて、気持ちの良い気候だから良かったものの、帰宅後は足のあちこちが水ぶくれになっていました。


  
さて、何はともあれ、辿り着いたのは、4時を少しまわったところでした。
受付で、「ピカソが見たいんですけど。」というと、「ピカソの版画と陶芸展(入館料420円)」に対し、全館見られる「大阪コレクションズ(入館料1,000円)」をすすめられました。
大阪コレクションズでは、版画ではないピカソの絵も展示されていたそうなのですが「たった1枚」だということもあり、「ピカソの版画と陶芸展」だけを鑑賞することに。

基本的に興味のない絵は素通りしてしまうので、見るのは早い方だと思うのですが、私の選択は大正解でした。5時の閉館まで約45分ありましたが、正直足りなかったくらいです。

あれ・・・(汗)

改めてパンフレットを見ながら、どの作品が良かったか。という話をしようかと考えていたのですが・・・。私、どうやら全館見てしまったようです。
どうりで、時間が足りなかったわけです。(笑)

最初の展示スペースでは、ピカソの絵がたった1枚しかありませんでした。
しかもそれは「ポスターのある風景」という油彩で、比較的正統派な作品。私の好きなタッチではありませんでした。

そこで目に留まったのが、デュシャンの「L.H.O.O.Q.」。

私が、この絵に出会うのは3度目です。
毎回、「え?!何で?!(モナリザが・・・)」と思い、近づいてみて、(な~んだ。髭付きかぁ。)ということになるわけですが、この時は少し違いました。
絵に近づくと、何やらメモを取っている人が一人・・・。
よほど気に入った絵以外、その解説を読むなんてことは一切ありませんが、ついついその人につられて読んでみました。とても興味深い内容だったので、ここに紹介します。

20世紀初頭におこった反芸術運動であるダダイズムの典型。
タイトルはデュシャンが終生テーマとしたエロティシズム問題と関連する猥雑な地口となっている。続けて発音すると英語の「LOOK」となり、作品への注視を呼びかける言葉となるが、文字を個別にフランス語で発音すると「彼女の尻は熱い」という意になる。


解説を読むと、この作品の時代背景がすごく良く見えてきて、どうしてこの様な作品が未だに展示されているのか。人を惹きつけるのか。がわかるような気がしました。

それから、私のチケットでは本来見ることができないはずの作品を見てしまったことに全く気付いていない私は、納得いくピカソに出会えず、悲しい思いを抱えたまま、エスカレーターを上りました。

すると・・・。目の前には、「Picasso」という文字。
ここで、やっと私の大好きなタッチのピカソに出会うことができました。(本来はここしか見れないんですけど 笑)

ヴァロリス

画像はありませんが、Ф42cmの銀製のお皿「大きな魚」という作品が、私は好きでした。この作品は初めて見たのですが、また違ったピカソを知ってしまったような、とても得した気分になりました。

そして、いつものように、ピカソのポストカード(今回、展示はなかったものばかりですが、私の好きなタッチのものたち)を購入して、外に出ました。(と、いうより閉館のため、追い出された・・・という感じでしたが。)
    
本当に、中身の濃い時間を過ごしました。それから、建物の周囲をうろうろして、再び、京都へ。今度はゆっくり来たいですね。



11月6日 インゴ・マウラー展へ行って来ました。

2006-11-06 | 美術館・展覧会
「光の魔術師」、「光の詩人」などの異名を持つという照明デザインの巨匠、インゴ・マウラーの作品が見られるというので、はるばるサントリー・ミュージアムに行ってきました。

つい先日、(そういえば、インゴ・マウラーが来るって言ってたなぁ~。)と思い出し、来週、試験が終われば、見に行こうかと、サントリー・ミュージアムのサイトを調べました。

すると、昨日5日が最終日だというのです。
現在、私的には禁欲週間なので、近くならまだしも自宅から約2時間もかかるその場所に行くことはあり得ないことなのですが、次、いつ見られるかわからないので、なんとかスケジュールを調整し、3日ならなんとかなるかなぁ。ということになりました。

ところが、3日は開館12周年ということで、「全館無料ご招待デー」でした。
そこで、「ラッキー」とは思わず、私は次のことに気付きました。

例えば、デートで海遊館にやってきたカップル。とりあえず無料ならこっちも見てみる?なんてことになる。
それから例えば、海遊館に遊びに来た親子連れ。入場料が無料なら、ついでに子どもにも見せておくのも悪くはないか。ということになる・・・。

つまり、人が増える。ということは作品が見辛くなる!!!

昼過ぎには、かなりの入場が予想できたので、私は開館時間の10時30分を逆算して、家を出ました。
予想通り、作品よりも外の景色に感動しているカップルや、普段よりもたくさんの子どもたちを見かけましたが、比較的、ゆったり見ることができました。

それから、無料で良かった。と思いました。

インゴ・マウラーといえば、三宅一生やジャン・ヌーベルなど、世界のデザイナーや建築家、クリエーターからも熱い注目を浴びているそうですが、凡人の私には、かえって感動が少なかったかも知れません。

でも、これには本当に驚きました。


これ、強化ガラスにLEDが組み込まれたベンチです。
これと同じ仕様で、大きなテーブルもありました。LEDがキラキラ輝くそのベンチはまるで星空のよう。しかも横から、裏から覗いてみても、配線がどんな風になっているのか全くわかりませんでした。

このあたりは、巨匠と言われるスゴさの象徴のように思います。

それから、個人的に好きだなぁ。と思ったのが次の作品たちです。


「カンパリライト」
これは、カンパリソーダがセードとして使われているのですが、離れて見るとそんなことに全く気付かない完成した照明なのです。でも近づくとハッキリとしたカンパリソーダ。この発想とこのデザイン。素敵だなぁ。と思いました。



それから、女心をくすぐるランプ。「バーディー」

電球から羽根が生えているランプ。とてもオシャレだし、見ていると自然と顔がほころぶというか、心が柔らかくなるというか・・・。これをスタンドタイプにした「ルーチェリーノ」という作品があるのですが、多分、そこに来ていて、彼に対する知識の乏しい方はみんな思ったのではないでしょうか。

「帰りに買って帰ろう♪」と。

私も、そんな一人です。


「ルーチェリーノ」
これ、一瞬白熱球に見えるのですが、実はオリジナルランプだそうで、シンプル(というより簡素)に見えて、タッチセンサー仕様。

電球が切れることは、ないの?
もしも、切れたら交換できるの?

と、いう庶民的な私の疑問はさておき、

お値段82,950えん。
とても、買える代物ではございませんでした・・・。

余談ですが、前回投稿したブログ、「成分分析表」をご紹介した回、昨年のインテリアコーディネーター資格試験解答速報に続く、歴代第3位のヒット数でした。
ヒット数の下がる土・日の投稿にも関わらず、このアクセス数は事実上の1位と言えると思います。
インテリアと関係の薄い回にアクセスが集中するのは、なんだか複雑です。

7月16日 ウィリアム・モリス展へ行ってきました

2006-07-16 | 美術館・展覧会
サンゲツデザイニングショーの帰り、阪急電車から会社までの地下道で偶然見かけた広告。

ウィリアム・モリス展
美術館「えき」KYOTO ジェイアール京都伊勢丹7階隣接にて7月30日まで公開中。

早速、その日の帰りに寄ってきました。
ウィリアム・モリスといえば、花をモチーフにしたデザインが有名で、彼のデザインは100年経った今でも全く色あせることなく、人々に愛されています。


2006ミラノサローネレポート その1 でも少しは触れましたが、今、花のモチーフが注目されています。
この「花」に対する注目は当分の間、続くとも言われていますから、ますます気になります。

会場は心地よい静けさと特有の落ち着いた色彩で、時間がゆったりと流れていました。
こころが静まる感覚を全身で感じることができます。

日常の喧騒に疲れている方には、オススメです。

今回も出展リストブック・・・購入してしまいました。

5月30日 前振り

2006-05-30 | 美術館・展覧会
前回のブログは今日の投稿のための、前振りのようなものになってしまいますが・・・。
ある種のフラストレーションを感じた私は、はるばる行ってきました。


サントリーミュージアムへ。

4月29日(土・祝)~6月25日(日)までサントリーミュージアム[天保山]愛の旅人 シャガール展が開催中です。

それにしても遠い・・・。
JR京都駅から、大阪へ。それから環状線に乗り換えて弁天町で下車。
地下鉄中央線大阪港から徒歩約5分のところにあるサントリーミュージアム。

自宅を出たところからカウントすると、たっぷり1時間半かかりました。各所で階段を上ったり、下りたり・・・。到着までに十分疲れました。

自動ドアをくぐると、なんとなく嫌な予感・・・。
え?!まさかチケットの購入に列が!!!

はるばる来ても、やはり京都駅と何ら変わらず満員の館内。
しかも、なぜだか満員の時ってみんな(そんなに近くじゃかえって見難いやろう?)というくらい絵に近付いて見ます。
数歩離れた場所から鑑賞したい私は、限られた隙間から覗くように見なければなりませんでした。

数年前、エミールガレ展が行われたときも、訪れましたが、ここで行われる企画はスケールが大きいという印象がありました。今回もやはりその期待を裏切ることはなく、5つのテーマで構成されており、たくさんの作品を鑑賞することができました。

シャガール好きには、納得のいく内容ではないでしょうか。

ただ、私が探している絵には、ここでも会えず・・・。
それだけが、心残りです。

それから、ミュージアムショップで2冊の本を購入しました。

1冊目は、この企画の作品集です。
日頃、この手の書籍は購入することがありません。
なぜなら、好きな作品群というのは、シャガールの中でも限られているので、興味のないページもたくさんあるからです。
珍しく、この本に惹かれたのは、書籍自体の美しさです。表紙・裏表紙のデザインもさることながら、中の誌面構成もとてもキレイだったので、ついつい手にとってしまいました。

2冊目は、「ダフニスとクロエ」
日本語訳によって出版されていたことを初めて知りました。

シャガール展というと、「愛」をテーマにされるのが一般的です。その中で必ず目にするのが「ダフニスとクロエ」に使われた版画。古代ギリシャの小説の挿絵として使われた作品は、恋人たちの姿にシャガール自身と最愛の妻ベラの姿が反映されている。とも言われています。

ミュージアムショップでは、その特装版として、立派なハードカバー様式のものもあり、かなり悩みました。結局、帰り道の遠さと実際に読むことには適さない大袈裟なつくりを諦め、普及版を購入することにしました。
じっくり読んで、良かったら、次は特装版を購入しようと思います。

5月27日 シャガールを求めて

2006-05-27 | 美術館・展覧会
現在、大丸京都店6F大丸ミュージアムで開催中の「パリを愛した画家たち」を訪れました。

「パリを愛した・・・」といえば、そう、シャガールでしょ?

シャガールの描いた絵の中で一番好きな絵「窓から見たパリ」のコピーを購入したことはこれまでにも触れたことがあります。
でも、ちょうどその日、その絵を購入した日の展覧会で、すごく鮮烈な黄色が印象的な絵に出会ってしまったのです!!!
自宅にある美術書にも、これまでに集めたポストカードでも、美術館の出口で販売されるグッズの中でも見当たらない絵。その日初めて見たその絵は、それから時間が経つほどに私の中で存在感を増し、タイトルすら思い出せないことにイライラ・・・。
そんな時に目にしたのがこの展覧会。

パンフレットだって、シャガールを前面的に押し出しているわけだし、きっときっとここで見つかるかも・・・。

入場すると、知らない絵がたくさん見えてきました。
そう、あくまでも「パリを愛した画家たち」。
私が知らないだけで、パリを愛する画家はたくさんいるわけです。ゆったりと鑑賞されている方々を尻目に、どんどん歩みをすすめると、光輝く絵が1枚。
え?!1枚???

「母と子」
それって、パンフレットに使われた作品じゃない?!

私は、シャガールの赤や黄の鮮烈な色彩が好きなので、深いブルーの色彩は、どちらかというとスルーされる部類なのです。
「母と子」は、ブルーが美しい作品なわけで・・・。
とっても欲求不満な私。
出口で1枚だけポストカードを購入して、その場を後にしました。

「パリを愛した画家たち」
大丸京都店 6F大丸ミュージアム 6月5日(月)まで開催中です。