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インテリアコーディネーターのブログ。
住まいのこと。インテリアのこと。仕事のこと。子どものこと。。。

10月29日の空

2010-10-30 | その他
うろこ雲の隙間から真っ赤な夕日が射し、とてもキレイな空でした。
うろこ雲・・・、お天気が悪くなる予兆(=台風が来ていますものね。)で、あまり喜ばしいものではないのでしょうが、一瞬、時が止まりました。

ハチセは、西向きの4階建てのビルです。
西側は、とても大きな窓がついています。私の居る2Fは、1Fの天井が高いこともあり、お向かいの3Fの窓とかなり近い高さに存在しています。
その窓に目をやると、それはそれはとてもキレイな空を見ることができました。

そう。日ごろはこの西向きの大きな窓のせいで、顔の左半分だけしみ・そばかすの多い私。
西日なんて、喜べるものではありませんが、昨日の空には心があらわれました。
ぼ~っと眺めた後、あわてて階段を駆け下りて、外に出てみました。

う~ん。見えない・・・。
改めて見上げると、高いビルに囲まれた空間。地上に降りた私の視線の先には、ほんのわずかな空しかありませんでした。
今度はあわてて階段を駆け上がり、屋上へ・・・。

なんとか、夕日が沈む前におさめた一枚です。

このあと、みるみる内にそのキレイな夕日は空に溶けていきました。

今日の京都はとても静かです。
他の地域も、大きな被害が出ることなく、無事に台風が過ぎ去ってくれることを祈るばかりです。

10月26日 一棟貸し宿 京宿家 豊園くれない庵

2010-10-26 | インテリア/建築
1月22日に初投稿1月26日に「その2」2月27日に「その3」として、現在5棟ある「京宿家」のうち、工事を担当した「豊園くれない庵」について取り上げました。
今日は、それらの記事と多少重なるところもありますが、この宿の改装のポイントとなるところ、お泊りの際にはぜひ、見て頂きたいところを紹介したいと思います。

①玄関手すり

サクラです。
これは新たに用意した材ではなく、この建物にもともとあったものを再利用。
某リフォーム番組じゃなくても、コレくらいはします!(笑)

写真が暗くてわかりにくいと思いますが、コレがもとの姿。床の落とし掛けでした。
大工さんにちょっとした造作を加えて頂くと、バリアフリー条例の基準を補うための手すりもこんなに素敵に生まれ変わります。

②型板ガラス

玄関框を上がるとちょうど目に付く場所にはめ込んだ型ガラス。
実はコレ、たまたま訪れた他の担当者の現場で捨てられそうになっていたものを救出してきたもの。あんまりガラスがかわいかったので、考えもなくキープしていたのですが、やっと日の目を見ることができました。
UPにするとこんな模様です。

日本では高度経済成長期の住宅建設とアルミサッシの普及に伴い、型板ガラスが普及しました。特に1961年から75年頃まで「型板ガラス戦争」と呼ばれる激しい販売競争があったそうです。これはその頃のもの。
ちなみに、それらのガラスには全て名前が付いているんです。改めてオシャレな時代だったのだなぁ。と思います。
このガラスは「野道=のみち」という名前がついていました。「田畑の中を歩くようなイメージ」なのだそうですが、実は「外国の布地の柄がデザインのヒント」になっているのだそう。
60年代の日本を思い浮かべながら、見て頂くと、ガラスだけではなくその背景にある風景が見えて来るかも知れません。

③洗面

洗面化粧台の正面の壁に段差を付けました。
出ている部分には鏡を設置、一部を凹ましてガラスモザイクを施工。「くれない庵」の名称に合わせて紅色がチラホラ入るものを探しました。

④洗面入口建具

大工さんの技が光るおさまり。玄関扉を開けて正面に見える場所ですから、ただの建具枠ではなく、このような繊細な技術が活きます。

⑤浴室

この写真ではわかりませんが、天井の高さを確保するため、勾配天井になっています。
また、漆黒のタイルの中に紅色のタイルを1枚。あらゆる場所にさりげなくテーマカラーが散りばめました。

⑥和室
 
オリジナルで製作した襖です。紅色の使い方がポイント。
また、こちらの畳表はいぐさではなく、和紙を採用。いぐさに比べて色褪せしにくく、耐久性・防汚性に優れ、ダニ・カビの発生を抑えます。

さりげなく、竹が埋め込んであったり・・・。
宿泊の際に探してみてください。

⑦寝室
 
京都の町家には今もたくさんの井戸が残っています。こちらにも涸れてしまってはいましたが、残っていました。着工前にお祓いをして埋め戻します。
当時のままの吹き抜けや天井を残し、京町家ならではの空間を愉しんで頂けます。

⑧板間
 
建物の雰囲気に合わせて作成したキッチンです。こげ茶色のタイルに紅色のタイルを散りばめました。

⑨その他
 

建具のちょっとしたおさまりや、下地窓など、細かいところの小さなコダワリを見つけて帰ってください。

⑩京宿家
 
そして、これらがオリジナルの表札とのれんです。
京宿家の顔となるこの2つのアイテムは、京宿家ブランドを持つ全ての宿泊施設に同様のものが設置されています。とても控えめな表札ですが、これを目印にお越しくださいね。

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10月21日 瀬戸内国際芸術際2010 その2

2010-10-21 | イベントレポート
前回の投稿から1ヶ月以上も経ってしまいました・・・。
申し訳ありません。
いよいよあと10日。終了する前に、私が見てきたアートの数々をご紹介したいと思います。


高松から直島へ向かう高速船乗り場です。9:00前ですが、乗り場もご覧の通りの行列。切符売り場もまっすぐ歩けない程の混雑振りでした。
現在は実家のある高松に帰った元同僚の案内のおかげで、多くの人が訪れる船の停留場とは反対側から、逆順路で散策することに。
おかげで、スムーズに見ることができました。
  
最初に目に留まったのが、この表札です。どの家にも付いています。
当然、これで郵便物は届かないでしょうから、普通の表札もあります。でも、どの家にもちゃあんと、こんなかわいい表札が付いているのです。これは、昔、その家の人が呼ばれていたニックネームなのですって。オシャレですよね。
島中に住む人全員が、揃えて、納得して設置されていることに、スゴイなぁ。と思いました。この企画を考えた人も、それに協力した島の人も、小さなことかも知れませんが、自分さえ良ければ。という考えではなく、島全体を盛り上げようとする気持ちが伝わって来ました。

作品の中で初めに見たのが、これ。作品名「護王神社」です。
ガラスの階段が不思議な感じ。

この社の中には、裏から入れるようになっていました。
人一人通るのが精一杯の間口の入口から入って行きます。基本的に作品の中は撮影不可。
中は真っ暗で、不思議な時間が流れる空間でした。
 
こちらが作品名「南寺」。
人気のようで、整理券をもらってから、再び指定された時間に戻って来ました。こちらも真っ暗で、ひんやりとした空間です。
私が訪れた9月4日は、まだまだ真夏で少し歩くだけでも汗が噴き出るような気候でしたが、そんな中のオアシスのような冷たい空間でした。太陽がサンサンと降り注ぐ建物外から、そこへ入場する行列に従って、歩を進めます。ケイタイ電話の電源を落とすように、何度も案内がされます。建物の中に一歩足を踏み入れると、もう、何も見えず、聞こえません。案内の人に介助されながら、身体の感覚だけで、設置されたベンチに座ります。
無音の暗闇は、初めこそ不安になりますが、数分の内に心地よい時間になります。何も見えず、何も聞こえず、頭の中が空っぽになり始めるころ、少しずつ、空間に白い光が見え始める・・・何とも不思議な体験ゾーンでした。

パンフレットを片手に次に目指したのが「はいしゃ」という作品。


「はいしゃ?」
そこへ向かった全員が「歯医者」を想像していたものですから、「歯医者」らしいアイテムをとにかく探してみたものの、全くそれらしきものに出合えず・・・
「廃舎」又は「廃社」という理解で良かったのか?!未だナゾのままです。
ここでは、地元のおじさんとの出会いがあり、この建物を利用して様々な面白マジックPHOTOを撮影して頂きました。地元の方とのふれあいが出来るのも旅の醍醐味ですね。

その他、たくさんの作品もさることながら、島のあちこちにもアートなしかけがたくさん見られます。
 
 
玄関を飾るのれんだったり、壁を飾るモービルだったり・・・
 
空き缶だってアートになります。


カキ氷だって、こんなにオシャレ☆
これはイチゴのカキ氷なのですが、良くある赤い蜜ではなくて、イチゴのつぶつぶジャムソースでとてもおいしかったです。食べる時にはジャマになるけど、ミントの葉を一枚浮かべるだけで、更においしそうに見えますよね。

  
かねてより、楽しみにしていた直島銭湯「Iらぶ湯」です。
2009年に新たに直島に誕生したこの銭湯は、メディアでも良く取り上げられているので、目にされたことのある方もたくさんいらっしゃることでしょう。
外観も個性的ですが、中もかなり派手です。
お風呂ですから、当然撮影は出来ませんでした。風呂オケや風呂イスもオリジナルでかわいいですし、トイレもとっても派手でした。
直島に行かれた際には、ぜひ、立ち寄ってみてください。



最後に、赤いかぼちゃと黄色いかぼちゃ。
直島のシンボルですね。
私たちは、反対側から入ったのでこのかぼちゃたちを最後にみましたが、直島の玄関口に存在し、訪れる人を迎えてくれる存在です。
作者は水玉の女王とも呼ばれる草間彌生(くさまやよい)さん。作品が島のシンボルとなるなんて、さすが女王と呼ばれるだけのことはあります。
訪れた人は必ず記念撮影したくなる、そんな力のある作品でした。

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