「限定容認論」にも慎重=集団自衛権、溝埋まらず-公明
集団的自衛権の行使容認をめぐって自民党の高村正彦副 総裁が唱える「限定容認論」に対し、公明党がなお慎重な姿勢を崩していない。自民党側は、行使の要件を厳格に限定することにより、公明党の軟化を促したい 意向だ。しかし、公明党内には議論の加速化への警戒もあり、前向きな反応は少ない。同党は「個別的自衛権の行使で対応可能」との論理を維持し、今後の与党 協議に臨む方針だ。
「限定するにしろ、いまの憲法解釈から大きく一歩踏み出すことになる」。公明党の石井啓一政調会長は2日の記者会見で、限定容認論に否定的な考えを示した。また、高村氏が2日、自民党本部で記者団に「悠長にやっていい話ではない」と述べたことに対しても、「拙速な議論は避けなければいけない」と反論した。
高村氏が打ち出した限定容認論は、集団的自衛権の行使可能なケースを必要最小限のものに絞り込むもの。先月31日の自民党安全保障法制整備推進本部では、目立った反対論は上がらず、同党内では支持が広がりつつある。
一方、公明党にとっては、限定的であっても集団的自衛権の行使容認は高いハードル。公海上での米艦防護などについては個別的自衛権の行使で対応可能というのが同党の立場で、同党幹部は高村氏の限定容認論を「自民党は憲法解釈変更ありきだ」と突き放す。
公明党は2日も、集団的自衛権をテーマにした勉強会「安全保障に関する研究会」を開催。次回会合では、高村氏が限定容認論の根拠とする1959年の最高裁判決(砂川判決)について議論する予定だ。
高村氏は砂川判決をよりどころに行使容認への道を開きたい考えだが、公明党はこれにも「やや違和感があり、(論理に)飛躍がある」(北側一雄副代表)と距離を置いている。(2014/04/02-18:23)