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本と雑貨と手作りのブログ。

「人形芝居」

2006-09-03 | 漫画
高尾滋さんのデビュー作である、「人形芝居」。99年の7月に2巻が出て以来、続きは描かれていなかったのですが、先日発売した「別冊花とゆめ」10月号に読切が掲載されました☆

この「人形芝居」という漫画は、未来のお話。双子の人形師・嵐と静は、兄弟のいない子どもや話し相手のいない老人に、感情豊かな子型機械人形を(チャイルドタイプアンドロイド)を作っています。そんな二人のもとに訪れる人間とアンドロイドの様々な関係を描いたのが、この作品です(連作短編で、一話ごとに完結しています)。実は、人形師の嵐と静もアンドロイドで、2巻では二人を生み出した三波楓之介博士と加賀多青子博士が登場。嵐と静の誕生の秘密なども明かされます~。

このアンドロイドたちは子どもの姿をしていますが、とても心が発達していて、人間を深く思いやります。兄弟として一緒に暮らした女性が結婚することになり、役目を終えて帰ってきたヒロ・勉強ばかりの生活をしている少年を心配するリル・誘拐された子どもの替え玉を引き受ける峯岐・悲しい過去を持ちながら、アンドロイドの密売人に心を開いていく明兎・・・。この漫画を読んでいると、人間のエゴというものを考えさせられます。

設定などちょっと複雑ですが、どの話も一編の映画を観たようにずっしりと心に残ります。絵も繊細で美しく、大人にぜひオススメの漫画です!新作は少し立ち読みしたのですが、絵が変わっているような印象を受けました。今、連載している漫画とは同じ雰囲気なんだけど、どうしても昔と比べてしまいます・・・。ストーリーの雰囲気は変わってないと思うのですが、読んでイメージが損なわれないか心配です。もう1つ大好きなのが「スロップマンションにお帰り」という作品なのですが、またいつか紹介したいと思いますっ。