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三越邦楽祭での一こま。
小唄振り「浜町河岸」です。
浜町河岸の名場面といえば?→『明治一代女』(川口松太郎作)新派の名作。
お梅さんが箱屋(お座敷に上がる芸者の三味線を箱に入れて運ぶ職業)の巳之吉を包丁で刺してしまうのがここ浜町。
この場面では大道具はガス灯と積石を用意します。これだけで“浜町河岸”のできあがり。向こうには隅田川が流れているのが見えますよね?季節は真冬ですから雪を降らせます。お梅さんがガス灯に寄りかかると上に積もっていた雪が頭にこぼれ落ちます。歌舞伎や新派のこういう名場面には必ず決まり物の道具がありますね。
三越劇場は今年80周年を迎えました。
舞台は国産ヒノキの見事な板が張ってありますが、幾多の名場面を乗せてきた板はいまではこのような状態。
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歴史を感じさせます。長く保存させたいですね。
現在ではこの上にベニヤ板を貼ってカバーしてあります。
今日はそのベニヤ板を新しいものに張り替えました。
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普段はさらにこの上に地絣という布を張って使用しています。
めったに見られない三越劇場の地舞台をご紹介しました。