ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

家族で力を合わせれば

2011-11-18 | 海外子育て
「家族で力を合わせれば、帰国受験できると思わない?」



いきなり意味不明な夫
(よくあることですが・・・



どうやって家族で受験するのよ~


「善(14歳)の内申書に、
キミの小論文
ボクはアドミン全般で願書はバッチリ


「で、温(17歳)は?」
「英語力」
(そっ、それだけ?)



はぁ~
確かに帰国生受験は「まず書類審査、それに通ると面接」という学校が少なくなく、願書を出す段階で何を出せるかでかなりが決まりそうです。
(もちろん、独自の入学試験を課すところもあります)


善は西蘭家始まって以来の好成績で、通信簿に4と5しかない状態です。
(しいて言えば私の妹似でしょうか?山あり谷ありの私とは大違い。でも善は準備完ぺきでも、なぜか本番に弱いタイプ 温は準備はそこそこ、本番には強いタイプ 夫はとにかくラッキー
4人それぞれです~


夫はかなりの量になった書類を整理し、JP(Justice of the peace、治安判事)と呼ばれる無償で公証人サービスを提供してくれる人のところに行っては、原本とコピーが同じものである証明のサインをもらってきてくれ(パスポートなど原本を送れないもの)、志望校との連絡も一手に引き受けてくれました。
(他の人(=妻)がやると心配というか信用できないので、自分でやっているともいえます)


私は仕事で押せ押せだった中、何度も何度も温の小論文(志望動機など)を読んでは本人と話し合い、学校の英語の先生にも目を通してもらって、提出しました。英語なので表現の添削ではなく、どこまで内容を掘り下げて自分の本心に近づけるかを一緒に探りました。


温は半年ほど前にTOEFLを一度受けたら、120点満点中115点。
「もう1回受けてみる?」
と私が言うと、本人も夫も「これでいい」ということで、1回で終わりました。


アメリカ人も受けるアメリカ版センター試験SATに比べて、
英語力の証明書=外国人しか受けない
ということで、足元見られているのかTOEFLの受験料って高いんですよね~ そして受験会場もノースショアのみで、とっ、遠い


ということで、これが唯一の成績書。

「えっ?後にピッピがいる


これは写真立てに収まったピッピ




親は協力できても、受験は所詮独りの孤独なもの。
とことん自分と向き合い、考え、努力し、上手くいったり失敗したりする中で多くのことを学び、ある意味で17年前に初めて自分の足で記念すべき第一歩を踏み出したときに次ぐ、人生の次の一歩ではないかな~と思います。


「受験戦争」、「受験地獄」と受験には悪いイメージがつきものですが、NZのように受験のない社会、ある意味で自分をとことん試される機会のない社会が「天国」か?と言ったら、それとはほど遠いのが現実です。


現実社会では「理想」に近い、競争より平等を優先するあまり、この国の教育制度はブラックホールのような底なしの穴を抱えているように思います。(独自に競争を導入している少数の学校もありますが)


日本の受験制度は自分さえ見失わなければ、知識、努力、効率、時間や健康を含めた自己管理、事務手続き、仲間との連帯、教師や親への感謝など、学校の教科として学ぶこと以外の社会に出るために必要なことも含めて、多くのことを学べる貴重な体験ではないかと思います。


学校選びや学部選び、その先にある社会人生活を考えつつ、答えは出なくても、あの時点で自分なりに人生を考えに考えたことは、生まれて初めての体験でした。


温もまた、考えに考えて日本を選んだようです。


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