ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

Romanticが止まらない

2011-10-05 | 海外子育て
(だいぶ追いついていたのに、また1週間遅れ がんばりまっする)



「ボク、学校の文学賞みたいのとった。」
学校から帰ってきた温(17歳)がお弁当箱を返しに来ながら一言。


文学賞????
(文学なんかしてたっけ?)


「へー。よかったね。おめでとう。なに書いたの?」
「クリエイティブ・ライティング(創作)で書いたのがよかったんだって。」
「もしかして、フランス人の名前がどうのこうのと言ってたアレ?」
「そうそう


日曜日の夕方に夕食の用意をしていると、
「ママ、これこそフランス語!っていう名前ってなに?」
と唐突に聞かれました。
「女の子の名前?それとも男の子?パスカルとかどう?男女どっちでもイケるけど。」



「それってロマンチック?」


「はぁ



温の口からロマンチックなんて単語が出るとは
相当ビックリしました。



「名前だけでロマンチックって、どういうこと?」
「ほら、ロミオとジュリエットみたいな、みんながロマンチックって思う名前。フランス版のロミオとジュリエットってなにかない?」
「知らないな~」
(1年しか住んでなかったから、ちょっとハードル高すぎだよ


「じゃ、フランス人らしい名前は?女の名前と男の名前と・・・・」
かなり妥協してきました。
「リュック、ディディエ、ジャン・フランソワ、二コラは男の子かな。女の子はアン・マリー、カトリーヌ、マルティン、ナタリーとか?ふたつの名前がつながったリエゾン・ネームがフレンチっぽいんじゃない?」
と、かつての友だちの名前を適当に挙げてみました。
「うん、リュックにしよう。」
と、ブツブツ言いつつ、温は部屋に戻っていきました。



それが数日後に文学賞




「美しい蝶よ、ボクと飛んでおくれ」
 
というタイトルで、これをフランス語で文中に挟んだ詩


「フランス語はフランス人の友だちに聞いたの。」
パピヨン・ベルねぇ





話は失恋した男の子が崖から海に飛び降りて終わるのですが、そこはクリエイティブ・ライティングですから、やっぱり仕掛けがないと・・・・・
ロマンチックな設定、やや凝った仕掛け、散りばめたフランス語が、
先生方のハートをガッチリつかんだよう
(英語圏の人はフランス語に「憧れ」と「コンプレックス」という複雑な想いを持っている人が多いように思います)



話の設定も、内容も、仕掛けもはっきり言って、
フランス語はまったく不要
ドイツ語でも、タガログ語でも、中国語でも構わなかったはず。


そこをあえてフランス語にしたのは、本人は意図していなかったとしても、
先生相手のマーケティング力だったのでは?


先生方、まんまと落ちましたから


最低600字以上という規定があったにもかかわらず、本来失格の400字ちょっとで認めてもらったばかりか、受賞までしてしまうとはねぇ。



こういう経験からでも、
ペンは剣より強し
を実感してもらえれば~と、親としては思ってしまいます。
(しかし、フランス語の名前は使われていませんでしたとさ)