ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

映画「時をかける少女」

2010-09-30 | 映画・文化
映画「時をかける少女」と言っても、ここはNZですから今年公開された実写版ではなく、2006年のアニメ版の方です。

オークランド総領事館は毎月邦画の上映を行っているのですが(ありがたい)、今月は春休みということもあってかアニメでした。元々マンガおたくの温(16歳)だけは、すでに観たことがあったのですが、
「行こ、行こ!」
とういうワタクシの音頭とりで家族全員でGO~

83年の初代実写版「時をかける少女」(原田友世主演)を観ていた夫は、
「前作と全然違うなぁ。」
と言ってましたが、観ていても観ていなくても十分楽しめました。多分キングコングのように時を経て、何度も何度も映画化されることでしょう。

(まだ日本にいたのに、ワタクシがなぜ前作を観ていなかったのかはナゾ。当時は映画狂時代で年間軽~く100本以上の映画を観ていたのですが・・・)

主役:元気溌剌の、生きる力そのもののような少女
(次世代を生む性として少年より少女に生きる力を感じてしまいます。少年って映像上では、特攻隊のようにはかなく消えていく役に強烈な印象を覚えてしまうのは偏見か?)

舞台:大勢が集まるのに放課後になると別の顔を持つ学校
(「学校の怪談」を挙げるまでもなく、学校って不思議な空間ですよね?特に生活範囲の狭い子どもにとっては、格別な場所なのでは?社会に出て他所との比較ができる大人になればなおさらその特異性を感じるとか)

役柄:恋愛未満のゆるい三角関係
何かが起こる気配を濃厚に秘めた、危うい均衡の上に成り立つ束の間の関係。消えるべくして存在するようなひと時のインディアン・サマー。ほんのり甘く、温かく、やがて酸っぱく、苦く、いつかは優しく、懐かしくなる思い出のためにあるような時間 う~ん、青春ですなぁ


主人公の少女・真琴はひょんなことから、自由に時間を行き来できる特別な能力を持つことになり、最初はまさにやりたい放題

遅刻ってなんのこと?
テストはいつも満点!
妹に食べられたプリンだってしっかり自分で食べられるし、
カラオケで10時間歌っても基本料金~
気に入らないことがあったら、どんどん時間を巻き戻し、なかったことに。



いやぁ~、最高、最高
と、天下を取った気分の17歳
こんなスーパーパワーの前にあっては、「良識ってなんですか?」


しかし、時間はまっすぐ川のように流れていく3次元に暮らしている以上、それに合わないやりたい放題はたくさんの矛盾を生むことにも。

自分の失敗のツケを負わされる周りの人たちのいざかい。
知らないはずのことを知っているのを隠し切れず、
やり直した分、同じことを何回も経験する脱力感・・・


混乱で疲労困憊しているときに、
「タイムリープしてるだろう?」
と正体を見抜かれ・・・・・・


時間を行き来する矛盾の中で生きることの楽しさが可笑しさ変わり、やがて辛く、苦しいものに変わっていく過程がきっちり描かれているところにリアリティーがあり、ストーリーをしっかり支えていたように思います。
「ちょっと憧れるけど、やっぱり今の生活でいいや。」
と観客が自分で答えを出していくような、そんな展開


帰りのクルマの中では4人とも興奮冷めやらずで、
「一言言わせろ!」状態で蜂の巣をつついたような映画評。
同じ細田守監督の「サマーウォーズ」との比較もワイワイワイワイ。善(13歳)まで限られた日本語にたくさんの英単語を挟みながら、堂々と感想を言ってましたから
(よかったね、楽しめて!)

来月は「魂萌え!」(風吹ジュン主演)です。また、行こ、行こ!


何度も繰り返し出て来る天まで届く入道雲のシーン。

地上で何が起きていても全く動じない姿に永遠を感じてしまう方なので、
とても印象に残りました。


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