平気なふりができない日

仕事に向かう途中、新しいブーツに慣れず歩きながら、ipodの音楽を聞き入っていたら、バタンと転んだ。
何に躓いたかもよく分からないけど、本当にコテンと…。
久しぶりに転んだせいか、なかなか起き上がれなかった。

周りには人が居なかったので、精神的なことは大丈夫だったけど、履いていたズボンは両膝破れており、血も出ていた。

自分のことを考えるならば、一旦家に戻って、傷を手当てして、
洋服も着替えるのが良策に思えた。

ただ、仕事のことを考えると時間もそんなに無かったので、
転んだことをなかったかのように平気なフリをして、
途中でユニクロにでも寄って新しいズボンに履き替えて
仕事先に向かおうとした。

歩いていたら、「ああ、今日はもともとは休日だったのになー」と
思ったら急に悲しくなってきた。

仕事に遅れることは分かっていたけれども、
思い切って引き返して家に戻った。
傷を手当てし、破れたズボンを履き替えた。

行く準備が出来て、ipodのイヤフォンを耳に入れたら、

「どうにかやってこられたけど　さけようのない石に躓いて　
　いつもみたいに起き上がれない　そんな日がついに来た
　ずっと平気なふりに頼って　嘘か本音かわからない」

という歌詞とともに音楽が流れて来た。

ちょうど今さっき私に起きたことだ。。。

先日買ったBUMP OF CHICKENのアルバムに入ってる「透明飛行船」という曲だというのに気づくまでに少し時間がかかる。


「大丈夫　もう一回　笑えるでしょう」


正直、足も痛いし、約束の時刻には着けないことは分かっていて、仕事に行く気にはなれなかったけれども、
なんだかその曲に背中を押されて、また玄関のドアを開けた。