Qの読書な日々

大好きな本と、毛糸に囲まれる日々の独り言

漁港の肉子ちゃん

2015年04月19日 | 現代小説

4月19日(日)

肉子ちゃん、すごいタイトル&表紙がね、肉感的でよろしいんです。

漁港の肉子ちゃん (幻冬舎文庫)
西 加奈子
幻冬舎

西加奈子さん、直木賞取って、売れてますねー。全然読んでなかったもんで、慌てて一作読んでみました。

なるほど、これは西さん人気があって当然。読みやすい面白い。ストレートに涙腺に訴える作品です。

男にだまされっぱなしの肉子ちゃんこと菊子。娘の喜久子とともに流れ着いた漁港の焼肉屋。奔放で明るくて、ダサくて不器用、それでいて愛嬌たっぷりで憎めない肉子ちゃんと、難しい年頃の美人な娘の生活は、漁港の人々の温かさに支えられ過ぎていく。

娘キクりん、小学校高学年女子特有の人間関係に悩むところなんぞは「おーー女子とはこういうものよのう」と妙に納得してしまったり、ダサい肉子ちゃんに振り回されながらも、ところどころ肉子ちゃんの底抜けの愛情が見え隠れして、やっぱり憎めない。

この似ていない親子の出生の秘密がラスト明らかになる。そうだろうなと思ってはいたものの、これだけ深い愛情を示せる肉子ちゃんは、底抜けのバカのか、はたまた器の大きい人間なのか。些細なことにこだわるのがバカバカしくなるハッピーな一作でした。



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