5月27日(日)
湘南地方いいお天気の一日でしたが、掃除と昼寝で終わってしまった・・・
本も読み終わらず、ニット作品も仕上がらないので、ブログペースがあがらない今日この頃ですが、久しぶりに今日は素晴らしい作品読み終わりました。
しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫) | |
佐藤 多佳子 | |
新潮社 |
いやあ、これ本当にいいですよ。
数年前に図書館で借りて読んだのですが、以来、いつか買ってもう一度読もうと思っておりました。
1997年の本の雑誌が選ぶベスト1小説だったそうです。
主人公は落語家今昔亭三つ葉、前座の上の二つ目というまだまだこれからの噺家さん。ひょんなことから、話すことにコンプレックスを持つ四人に落語の指導をするハメに。
ルックス、腕前はバッチリでも生徒の前で喋れないテニスコーチの従兄弟、綾丸良。転校してきていじめにあっているらしい小学生村林。美人だけど無愛想な十河。元プロ野球選手で口が悪い湯河原は、解説者として全く喋れない。
三つ葉さんが噺家として悩み、成長していく青春ストーリーであり、それぞれが一歩踏み出せるのかだせないのか葛藤するお話であり、恋愛もありで、とにかく悩んでばっかりだけど、そこは落語家、全く重苦しくない。
「自信って一体何なんだろうな。~何より、肝心なのは、自分で自分を”良し”と納得することかもしれない。”良し”の度が過ぎると、ナルシシズムに陥り、”良し”が足りないとコンプレックスにさいなまれる。だが、そんなに適量に配合された人間がいるわけなく、たいていはうぬぼれたり、いいけたり、ぎくしゃくみっともなく日々を生きている。」
”良し”っていい表現ですねえ。人はいくらいいと思ってくれても、自分が”良し”としないと進めない。無理した”良し”じゃダメだし、一部だけ”良し”でもダメだし。そんな中途半端な”良し”を抱えてみんな生きてるんだよなあ。
今日はこの本を読んだ事に”良し”としよう!