Qの読書な日々

大好きな本と、毛糸に囲まれる日々の独り言

しゃべれども しゃべれども

2012年05月27日 | 現代小説

5月27日(日)

湘南地方いいお天気の一日でしたが、掃除と昼寝で終わってしまった・・・

本も読み終わらず、ニット作品も仕上がらないので、ブログペースがあがらない今日この頃ですが、久しぶりに今日は素晴らしい作品読み終わりました。

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)
佐藤 多佳子
新潮社

いやあ、これ本当にいいですよ。

数年前に図書館で借りて読んだのですが、以来、いつか買ってもう一度読もうと思っておりました。

1997年の本の雑誌が選ぶベスト1小説だったそうです。

主人公は落語家今昔亭三つ葉、前座の上の二つ目というまだまだこれからの噺家さん。ひょんなことから、話すことにコンプレックスを持つ四人に落語の指導をするハメに。

ルックス、腕前はバッチリでも生徒の前で喋れないテニスコーチの従兄弟、綾丸良。転校してきていじめにあっているらしい小学生村林。美人だけど無愛想な十河。元プロ野球選手で口が悪い湯河原は、解説者として全く喋れない。

三つ葉さんが噺家として悩み、成長していく青春ストーリーであり、それぞれが一歩踏み出せるのかだせないのか葛藤するお話であり、恋愛もありで、とにかく悩んでばっかりだけど、そこは落語家、全く重苦しくない。

「自信って一体何なんだろうな。~何より、肝心なのは、自分で自分を”良し”と納得することかもしれない。”良し”の度が過ぎると、ナルシシズムに陥り、”良し”が足りないとコンプレックスにさいなまれる。だが、そんなに適量に配合された人間がいるわけなく、たいていはうぬぼれたり、いいけたり、ぎくしゃくみっともなく日々を生きている。」

”良し”っていい表現ですねえ。人はいくらいいと思ってくれても、自分が”良し”としないと進めない。無理した”良し”じゃダメだし、一部だけ”良し”でもダメだし。そんな中途半端な”良し”を抱えてみんな生きてるんだよなあ。

今日はこの本を読んだ事に”良し”としよう!


運動誘発性アレルギー?

2012年05月18日 | 日記

5月18日(金)

ここ数年間思い悩んだことについに決着がついた!気がする。

運動をすると(ママさんバレー)、じんましんが出てしまうことがあり、発症した時はかなりキツイ。

とはいっても、翌日になればケロッとなんでもないし、運動しなければ全く平気。

きっと、エビやカニの魚介類と運動の組み合わせが悪いんだと思い込んでいて、食べないようにしていたにもかかわらず、やっぱり出る。

最近は発症の頻度があがり、ジンマシンだけでなく、呼吸が苦しくなって貧血状態になってしまうこともあり、メンバーにも迷惑がかかるし、いやはやどうしようかと思っていた。

意を決して、昨日アレルギー科なるものに行ってみると、このタイプの原因に多いのは「小麦」。

小麦!

認めたくなかったけど、小麦は納得がいく。

天ぷら、パスタ、おまんじゅう、炊き込みご飯、うどん、カレーやシチューのルウ、お好み焼き、クッキー、いろいろなたれ類、醤油に入っているから煮物もだめ。

これからは運動前、白米しか食べられないってことだ。


奉仕するリーダーシップ 小川淳司監督はヤクルトに何をしたのか

2012年05月15日 | 自己啓発・ビジネス
奉仕するリーダーシップ 小川淳司監督はヤクルトに何をしたのか
児玉 光雄

二見書房

 

5月15日(火)

GWに神宮球場に行ったら、お弁当の横に売ってたので買ってみました。

小川監督が素晴らしいのは、ヤクルトの成績をみれば分かりますよねえ。

今年のヤクルトも出だしまずまずで、青木もいなくなり、由規もケガ、次々と主力戦車が離脱しても、代わりに出てきた地味な選手がきちんと活躍し、2位で交流戦に突入するとは実に素晴らしい。

「勝った手柄は選手に。負けた責任は自分が」「トップダウンではなく、フラットな人間関係」「率先して動くリーダー」

こういうところがプロ野球だけでなく、ビジネスの世界でも求められているリーダー像だということが書かれているわけです。

ヤクルトファンとしては、もっともっとエピソード満載でもよかったかなあ。


砂の女

2012年05月08日 | 現代小説
砂の女 (新潮文庫)
安部 公房
新潮社

5月8日(火)

この間片づけをしていたら発見した「砂の女」は平成元年の第27刷。装丁の絵が違い、ページも黄ばみ、そして字が小さい。

最近焦点が合い辛くなった私には、ちと厳しかったのですが、いやいや、改めて素晴らしい作品でした。

何といっても非常にスリリング。誰も死なないサスペンスというか、砂の恐ろしさ、不快さ、女と二人だけの緊迫感。

幻の昆虫を求めて砂丘を訪れた男が、砂の穴の中の一軒家に閉じ込められる。脱出を試みるが、ことごとく失敗、の人間に妨害される。女との奇妙な生活が続いていく。

全く理不尽で、何故だか理解できないことに苦しめられたときの人間の感情、怒り。怒ってもどうにもならないと悟ったときの順応。身近にいる女への愛情ともいえない感情(同情かな)。二人を眺めるの人々の狂気。

こんな短い小説の中にありとあらゆる感情が溢れ、人間を見せつけられたといいましょうか、アーティスティックでございました。

平成元年に買ったとすると、大学生のときに読んだんだねえ。

では、次は還暦の頃に再読しましょう。

 

 

 

 

 


きみはポラリス

2012年05月02日 | 現代小説
きみはポラリス (新潮文庫)
三浦 しをん
新潮社

5月2日(火)

GWだというのに、天気が悪いとは。でも今日は普通にお仕事ですから、お休みに囲まれ、かえって忙しい二日間。

さて、今をときめく三浦しをん。

恋愛小説で、しかも短編集、「ポラリス」といえば冬ソナのメロメロ感を彷彿させますが、これがなかなか読みごたえありました。

女の子に振られてばっかりの同級生をひそかに思う男の話「永遠に完成しない二通の手紙」

それを恋と呼べるのかわからないけれど、幼いころに車のシートに隠れていたらそのまま連れ去られ、その男が忘れられない「冬の一等星」

「友人の結婚式に出席するたびに、わずかに覚えた違和感。適齢期といわれる年齢で示し合わせたようにパタパタと結婚する。そこに私は美を見出さなかった。」(森を歩く)

文庫本の装丁も素晴らしいんだけど、これまた帯がどうもいただけない。

「最強の恋愛小説集」「恋は苦手、そんな人にこそ読んで欲しい!(27歳・会社員)」「こんな小説初めてです(38歳・会社員)」etc.

うーん、三浦さんは結構上質なものをキチンと書いてらっしゃるので、ハイティーン向けケータイ小説みたいな帯は嫌なんだけどなあ。