Qの読書な日々

大好きな本と、毛糸に囲まれる日々の独り言

ラスト・チャイルド

2010年12月28日 | ミステリ(海外)
ラスト・チャイルド(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ジョン・ハート
早川書房

 

12月28日(火)

今年も残すところあと3日。あと何冊読めるかな?12月に入ってこのミス作品4作目です。

今日はビックカメラの日替わり限定品5名様限りの商品をゲットするために、8時には店に到着。が、通勤の人波だけで、いっこうに並ぶ気配なし。ドトールで少々時間をつぶし、9時からまた外で並んでおりました。ということで、凍える手で一気に下巻の後半読み進み、ビックカメラ前で完読。

先日「川は静かに流れ」を読みましたが、解説によると第一作目の「キングの死」から一貫してミステリでありながら「家族」を書いている作家さんであるとのこと。

「ラスト・チャイルド」残った子、ジョニーは13歳。双子の妹アリッさが誘拐されて一年。家を出、母は薬と酒に溺れ、家族は崩壊。でもジョニーはくじけない。楽しかった日々を、父と妹が帰ってくるのを信じ探し続ける。そして!新たな誘拐事件をきっかけに、事態は大きく動いていく。

決してハッピーな終わりではなく、むしろ全てが明かされてしまったが故に深く傷つくことになる。事件は起きてしまい、妹は帰ってこない。残された人々は罪を告白し、償わない限りは幸せにはなれないのだ。それでも子供たち、あるいは親子の再生のためにチャレンジする。最後に細い光が差し込むような希望を持てるラストが好き。

ただ、2作続けて読んでしまったので、なんとなく手の内が分かってしまった。初読みの感激が薄れてしまったのと、「川は~」のほうが若干好みだったかな。

 

 


川は静かに流れ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

2010年12月26日 | ミステリ(海外)
川は静かに流れ (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ジョン・ハート
早川書房

 

12月26日(日)

やー良かったですよ。こういうの好きです。

無実の罪で故郷を追われたアダム。親友の願いで5年ぶりに帰ってくると、新たな殺人とともに家族の秘密がひとつひとつ新たになっていく。

アダムはいい男なんでしょうねぇ。5年間ほうっておいたかつての恋人ロビンが、全てをなげうって戻ってくるんだもの。

私はアホだから、最後の最後まで犯人がわかんなかったです。いいどんでん返しでした。

さっそく次の「ラストチャイルド」も購入。


写楽

2010年12月23日 | ミステリ・サスペンス
写楽 閉じた国の幻
島田 荘司
新潮社

 

12月23日(木)

今日も暖かくていい天気でした。12月ももう終わりとは思えない・・・

さて、写楽、このミスで2位だったかな?面白かったです。

670ページが全く苦にならない。(途中写楽の謎について何回も同じことが繰り返されているのはちょっとでしたが)

写楽の謎で、サスペンスでこりゃ一体どうゆうお話なの?という出だし。江戸時代のものと思われる一枚の肉筆画。そこにはオランダ語で「鬼は外福は内」と書かれている。浮世絵の研究をする佐藤は、この絵から写楽の謎が解けるのでは?と悩むが、そんな折息子が回転ドアに巻き込まれ亡くなる事件が!

なんで、東大教授の片桐先生が協力してくれるのか、途中から佐藤家の問題は全く出てこないがどうなったのか、息子の死と写楽の謎の関係はなんだったのかなどなど、気になる部分もありますが、全体として「で、写楽って誰なの?」とページをめくるスピードがどんどんアップする面白さは絶品でした。あとがきにもありましたが、続編を期待します。


雪国

2010年12月18日 | 現代小説
雪国 (新潮文庫 (か-1-1))
川端 康成
新潮社

 

12月18日(土)

実際に購入したのは限定スペシャルカバー版で銀色の素敵な装丁です。

ガルシア・マルケスを読んでいるのですが、「そういえば日本にもノーベル文学賞はいるではないか!」と急に読みたくなり、さっそく購入。

1行目からその美しさに圧倒される。

きっと中学生ぐらいのときに読んだんだろうな。そんな子供のときじゃわかんなかったろうな、この素晴らしさは。

何といっても色彩が素晴らしい。濃深縹色(ふかはなだいろ)、玉蜀黍色、桑染色、檜皮色、あまりにも有名な冒頭の「夜の底が白くなった」、そしてラストの炎。

まあでも身勝手な男なんですよ。この島村さんは。親の金で遊んでるうえに、駒子の気持ちを知りながら葉子が気になり、どうしようもないと分かっていながら、また今年も雪国にむかうんだから。人の心の動きのやるせなさ、哀しさ、美しさ、いろんなものがつまって、これで300円台とは実に素晴らしい。


愛おしい骨

2010年12月15日 | ミステリ(海外)
愛おしい骨 (創元推理文庫)
キャロル・オコンネル
東京創元社

 

12月15日(水)

風邪をひいてしまい、昨日は寝込んでしまいました。おかげでこの本、読みきることができました!

素晴らしいです。

今年の「このミス」海外編の一位なので、期待して読みました。小さな田舎町に20年ぶりに帰ってきた主人公のオーレン。彼は20年前弟と一緒に森に出かけ、帰ってきたのはオーレンだけ。その弟が20年ぶりに骨となって帰って来たことが発端となり、町の人たちが抱えてきた秘密が少しづつほづれ、そして事件は解決するのか?

正直前半3分の2くらいまで、断片的な表現が多くて辛かった。2、3ページごとに場面が変わり、登場人物が切り替わるので、理解するのに戻ったり、読み返したりしないと???でした。

謎もひとつじゃないの。たくさんあるの。だから謎が解けていく山が3箇所くらいあるのですが、その山ごとにサプライズだし、感動アリです。事件は「愛ゆえ」にさらに複雑に哀しいことになっちゃったのです。

なので、読後感は爽快!こういう「愛」ある作品は好きです。