Qの読書な日々

大好きな本と、毛糸に囲まれる日々の独り言

人生のほんとう

2016年05月09日 | 書評、エッセイ

5月9日(月)

 GWが終わりました。大型連休ではないですが、それにしても今年はどこも行かなかったなあ。出かけたのは図書館だけ…

あとは、お借りしてた本、ちびちびと大事に読んでましたが、読み終わりました。

人生のほんとう
池田 晶子
トランスビュー

 池田さんが行った講義を本にまとめたそうで、「常識、社会、年齢、宗教、魂、存在」というテーマで全6回。

「哲学」ですから、いくら語り言葉、平易な言葉でも難しいっちゃ難しい。

 いろんなところに付箋は貼ってみましたが、凝縮するとこの二点を刻んでおきたいです。

一、色即是空

 「今現在ここに存在している現象(色)が、「すなわち」何ものでもない(空)である」

とお釈迦様がおっしゃったのか、仏教の教えだそうですが、人生も存在もすなわち「空」なのです。

 うーん、これはねえ、素晴らしい!

意味が分からないなりに、とてもしっくりきました。

この四文字が包含している物事の大きさ、広さ、それは世界の全てといってもいいわけですよね。

「色」であり、「空」である。「ある」けど「ない」。

表からみれば「ある」けれど裏には「ない」。結局は混沌としていて、謎は深まる…

 

二、自分さえ善ければ

 最終章「存在」の始まりは「人間が崩れてきた」とあり、無意識にカタストロフを望んでいるのではないかと言っています。

 ノストラダムスの大予言の影響でしょうか、「いつかは恐竜と同じように人類が滅びる日が来る」なんてことを真剣に考えるような子供でしたから、ふむふむと感じ入ります。

 エゴイズムが行き着くところまで行き着いて、破綻しつつある時代だそうですが、つまりは世の中がどんなに悪くなろうとも、自分だけが善く生きればいいじゃないかと。

うーむ。これまた痛快!

 「善く生きる」って深い。「私がしたいことだけをする。魂として善いことだけする。」

魂のレベルで善いことってなんだろうなあ?私にも考え続けることくらいは出来るかしら。

 「考える」こと。それも宇宙ほど大きく捉えたり、小さく捉えたり、歴史的に時間軸を通して考えたり、ぐるぐる考えて考えても生活はいっこうに変わらないかもしれないけれど、考えてから見える世界はちょっと違うのかもなぁ。

センセイ、結局「色即是空」ですね! 

 



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