Qの読書な日々

大好きな本と、毛糸に囲まれる日々の独り言

編物ともだち

2013年10月20日 | 手芸

10月20日(日)

昨日発売のこの編本、近くのショッピングモールの書店は2店ともなくて、駅前の大型書店まで行ってゲットしました!

Amazonでも一時的に在庫切れとの文字が…

 

編みものともだち
三國 万里子
文化出版局

中身をよく見たら買わなかったかもなあ。。。

ひとつひとつ素晴らしいんだけど、これを編んで着たい!っていう作品は今回はなかったなあ。

でも、いろんな知らなかったテクニックが載っていて、参考になるし、

眺めてるだけでも楽しいからOKとしよう。

さてさて、編み物シーズンが始まるぞう


こうしてお前は彼女にふられる

2013年10月19日 | 小説(海外)

10月19日(土)

ジュノ・ディアス 面白ーーーーい!!!

もっと読みたいんですが、遅筆な方だそうで、日本で翻訳されたのは3冊目。

前作は私が2011年のマイベストにあげた「オスカーワオの~」ですが、今回はオスカーワオの親友のユニオールが主人公の連作?短篇集です。

 

こうしてお前は彼女にフラれる (新潮クレスト・ブックス)
都甲 幸治,久保 尚美
新潮社

 

ユニオールは浮気性で女にとってひどい男だし、ガンで逝ってしまう兄のラファはいい男でもっとひどい。

ラファの最期の頃の狂気と、したたかなドミニカ女の「プラの信条」と

ラファを失った後、全然魅力的ではない年上の女性と関係を持つ「ミス・ロラ」が印象的。

 

次々と相手を変えるのは、ドミニカ男ゆえの性なのか、兄ラファを失った喪失感なのか、

ユニオールの恋愛は日本語では「イカれてる」と表現するんでしょう。

その中ににたまらなく「生きてる感」がつまってるんだなあ。

ジュノ・ディアスはいい。

 


ダブルハッピネス

2013年10月17日 | 書評、エッセイ

10月17日

3連休の間、たくさん読書できたのに、パソコンに向かうのがおっくうで、アップするのが、どんどん遅れてます。

先日、フェンシングの会場で見かけた杉山さんの本、ストレートのみ直球勝負な一冊でした。

ダブルハッピネス (講談社文庫)
杉山 文野
講談社


性同一性障害というのは、「金八先生」で上戸彩が学ランで中学に通ってから広く知られるようになったんだねー。

今のところ身近には同様な悩みを相談されたことがないけれど、

つまりは金子みすゞですよ。

みんなちがって、みんないい

本も実物も素敵な方でした


ウール

2013年10月15日 | 小説(海外)

10月15日(火)

たまげる程面白い!SFは苦手な私でも、とんでもなく楽しめました。

ウール 上 (角川文庫)
雨海 弘美
角川書店



時代は多分数百年後。世界は崩壊し、地表は毒ガスに覆われている。

人々は地下144階建てのサイロのなかで暮らしており、建物の中で発電や作物の栽培も行われている。

ジュリエット(主人公で勝気な美女)が機械工から保安官に任命された途端、市長を始め不審な死が。陰謀にはめられたジュリエット。

 これまで誰も戻ってこなかった「清掃」に出されることに・・・

ってな感じで進んでいきますが、もちろん主役の美女は死にません。毒ガスにも負けません。

そして秘密を暴き、見事に生還するのです!

 

「サイロ」という世界が非常に興味深い。外には出られない。完全にコントロールされた世界。

人口を調節するため、死者が出たときのみ妊娠できるカップルをくじ引きで決める。死者をも土に帰らせ、その土でできた畑の作物を食べる完全リサイクルだ。

しかし、なぜか144階全てが螺旋階段でしか昇降できない。

サイロという特殊な空間によって、未来の世界に説得力がある気がする。ポケモンにはポケモンの世界のルールがあるみたいに、サイロにはサイロの掟がある。

 

サイロに気持ちが入ってしまえば、あとはノンストップサスペンス。

ジュリエットがピンチをいくつも乗り越え、ちゃんと解決してくれる。

途中人が死にすぎるところがやや気になるが、極上エンタメでしょう。

続編もあるとのことで楽しみですが、解説によるとこの作品はいわゆるインディーズとのこと。

著者のヒュー・ハウイーさん、一気に億万長者!なのかなぁ。ネットってすごいわぁ。


ノーベル文学賞

2013年10月13日 | 現代小説

10月14日(月)

さわやかな秋晴れの一日でした!

今さらですが、今年のノーベル文学賞は下馬評通りアリス・マンローさんでしたね。82歳だとか。

春樹さんが受賞出来なかったので、日本ではたいしたニュースにならなかったようですが、

春樹さんもそのくらいの歳になれば頂けるのかしら?

気になってはいつつも、アリスさん読んだことなかったんですが、先日購入のこちらのなかに、一作入ってました。


美しい子ども (新潮クレスト・ブックス)
松家 仁之
新潮社

新潮クレストブックスの15周年記念、短篇小説ベストコレクションでございます。

アリス・マンローの作品は最後に掲載されている「Some Women 女たち」。

 

白血病で死にゆく男性(ブルース)を囲む女性4人。13歳の私、妻、男の継母、マッサージ師。

妻が仕事でいない間、13歳の私は人生初の仕事としてブルースの簡単な世話を引き受ける。

継母と、継母のマッサージをしにくるロクサーヌもブルースの世話をするのだが、

どうもブルースは快く思っていない様子。

女の嫉妬、勘違い、軽いジョーク、それでも死へと進んでいく残酷さ。

30ページ程度ですが、なかなか難解です。

 

ちなみに他の作品もたいへん良作なんですが、

買ってから失敗かなと思ったのは、既に読んだ作品が3作も入っていたから。

いい短篇小説って切ない。