10月15日(火)
たまげる程面白い!SFは苦手な私でも、とんでもなく楽しめました。
時代は多分数百年後。世界は崩壊し、地表は毒ガスに覆われている。
人々は地下144階建てのサイロのなかで暮らしており、建物の中で発電や作物の栽培も行われている。
ジュリエット(主人公で勝気な美女)が機械工から保安官に任命された途端、市長を始め不審な死が。陰謀にはめられたジュリエット。
これまで誰も戻ってこなかった「清掃」に出されることに・・・
ってな感じで進んでいきますが、もちろん主役の美女は死にません。毒ガスにも負けません。
そして秘密を暴き、見事に生還するのです!
「サイロ」という世界が非常に興味深い。外には出られない。完全にコントロールされた世界。
人口を調節するため、死者が出たときのみ妊娠できるカップルをくじ引きで決める。死者をも土に帰らせ、その土でできた畑の作物を食べる完全リサイクルだ。
しかし、なぜか144階全てが螺旋階段でしか昇降できない。
サイロという特殊な空間によって、未来の世界に説得力がある気がする。ポケモンにはポケモンの世界のルールがあるみたいに、サイロにはサイロの掟がある。
サイロに気持ちが入ってしまえば、あとはノンストップサスペンス。
ジュリエットがピンチをいくつも乗り越え、ちゃんと解決してくれる。
途中人が死にすぎるところがやや気になるが、極上エンタメでしょう。
続編もあるとのことで楽しみですが、解説によるとこの作品はいわゆるインディーズとのこと。
著者のヒュー・ハウイーさん、一気に億万長者!なのかなぁ。ネットってすごいわぁ。