3月30日(日)
嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え | |
岸見 一郎,古賀 史健 | |
ダイヤモンド社 |
これ、よかったです。
これまで読んだ自己啓発本も、各界で成功した方の成功談も
そうか!みんなアドラーの教えだったんだ!と、ストンときました。
アドラーの教えを説く「哲人」と悩める「青年」の対話形式。厳格な両親との関係にトラウマを感じている青年、哲人に「あなたは自分が不幸であることを選んでいる、変われないのではなく、変わらないと決心しているからだ。」と一蹴されます。
「変わらない」決心を「変わる」勇気に変えることで人は幸せになれると。
問答を繰り返しながらも青年は最後の最後まで懐疑的で、そこがちょっとくどい感じもしますが、スルッと読める割に深い言葉がたくさん出てきます。
特に印象的だったのは、「課題の分離」
自分にできるのは、自分の最善の道を選ぶこと。その選択によって他者はどういう評価を下すのか、これは他者の課題であって、自分にはどうすることもできない。他者の課題には介入せず、自分の課題には他者を介入させない。
ここだけを読むと、なんて冷たいんだ…と思うかもしれませんが、私としてはモヤモヤとしていたことが、簡潔な文章で目の前にあって、目からうろこ。
子どもを「叱ってはいけない、ほめてもいけない」もいいですねえ。
ほめるという行為には、能力ある人が、能力のない人に下す評価という側面がある。背後にある目的は、子どもを操作しようという気持ち。
「あらゆる人に対して、「同じではないけれど対等」という横の関係を築く。」これもいい。
ただねえ、これを実践できるかというとなかなか難しい問題。アドラーさんも、すべての悩みは「対人関係の悩み」といっていますが、一言言ってしまったり、言えなかったりでくよくよしてしまう日の多いことよ。
こういう本は手元に置いて、ふーっと思ったときに見返さないと人格は向上していきませんな。