2月14日(日)
悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3) | |
ピエール・ルメートル,橘 明美 | |
文藝春秋 |
ヴァレンタインデイにこの作品はどうよ?ですが、ピエール・ルメートル、凄いです。
昨秋読んだんだけど、今更でも記録しておこう。
まずは、も~この表紙の怖いこと!
二人の娼婦が異様な手口で殺される。かなりエグい現場ですが、どこか芸術的。
小説を模倣した殺人が次々と起こり、カミーユは知性と勘で対決していく。
模倣とは使い古された感もあるけど、キャラクターの斬新さや、事件とは関係ないようにみえる何気ないやりとりが
大きな事件につながっていく様はお見事としかいえない。
そう、これは「その女アレックス」より先に書かれたカミーユ警部のシリーズ。
アレックスを読んでいて、題名が「イレーヌ」ときたら、悲しい結末しかないのに。
カミーユ警部が愛する身重の妻を殺害されたのは、「アレックス」の冒頭から登場してるんですから。
それでも「まさか…」と先を読まずにはいられない。
うーん、でもラストが残忍すぎるかなあ。
きっとそこがこの作者のいいところなんだろうな。
落ち込んでる時には読むべきじゃない。でも間違いなく面白い。