Qの読書な日々

大好きな本と、毛糸に囲まれる日々の独り言

星野道夫展

2016年10月21日 | ミステリ・サスペンス

10月21日(金)


高島屋、星野道夫展へ



隣で「大北海道展」をやっていたので、平日だというのにすごい人、人、人!

今日もやっぱりシニアに囲まれ、アラスカの大自然を満喫したのでした。

 

旅をする木 (文春文庫)
星野 道夫
文藝春秋

 星野道夫さんといえば、この一冊。(他のは読んでないのですが…)

展示してある写真の間にさらっと文章があるんですね。それがねえ、たまらなくギューッときました。

 

「ぼくたちが毎日を生きている同じ瞬間、もうひとつの時間が、確実に、ゆったりと流れている。

日々の暮らしの中で、心の片隅にそのことを意識できるかどうか、それは天と地の差ほど大きい。」

 

 私がこの先、アラスカでクジラの潮吹きをみたり、ヘラジカの大群に遭遇する可能性はかなり低い。

でも、日々の暮らしの中で、仕事の手を休めた時、雑踏を歩いている時、アラスカに流れているもうひとつの時間について思えばいいんだ。

 自分の想像力を使って、心の中に違う時間の流れを思えば、豊かな世界が広がっていくんだ。

ますます仕事中ボーっとしそうだ。

 

 

   
 
 

後妻業の女

2016年09月23日 | ミステリ・サスペンス

9月23日(金)

 私の感覚はだいぶシニアなんだな〜〜と今日も痛感…

今日(日付変わってしまいましたから、正確には昨日)は映画を観たのですが、周りはシニアばっかり。


後妻業ですからね〜、仕方ない。若いもんは今「君の名は。」に行くでしょう。

 でもね、私には後妻業の方がずーっと魅力的!大竹しのぶにトヨエツ!


大竹しのぶの悪女っぷりは実に痛快!そりゃね、悪い事ですよ、次々に夫を殺しちゃうんだから。

断じていけない事です。


いや〜でもね、大竹しのぶならだまされたいでしょ。だまされてるとわかってもきっと楽しいんだろうなぁ。

 色・金 欲の滑稽さ、人のしたたかさ、

それでいて本当に欲しいものは手に入らない切なさ


歳を重ねても、安穏な生活が待ってるわけじゃなさそうだ。

原作はこちらでしょうか?

インパクトある表紙ですねえ。

後妻業 (文春文庫)
黒川 博行
文藝春秋

楽園のカンヴァス

2014年11月23日 | ミステリ・サスペンス

11月23日(日)

楽園のカンヴァス (新潮文庫)
原田 マハ
新潮社

いやいや、面白かった。今日は自分の試合だっていうのに、夕べやめられなくて深夜になってしまった。

表紙を飾っている絵ルソーの「夢」にまつわるミステリなんでしょうか。こんなお話書かれたらまるっきり信じちゃう。名画にこんな素敵な家族の物語があったらって。

2000年、美術館の監視員でどうもシングルマザーの早川織絵が上司に呼び出される。ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンのご指名でルソー展のための交渉に当たれというのだ。

織絵の記憶は17年前の7日間に戻る。

スイスのコレクターに招かれ、ルソーの名作「夢」にそっくりの絵を見せられる。ティムと織絵が絵の真贋判定を任せられるが、その方法は7日間で古書を一章ずつ読むという不思議なものだった。

絵をめぐる駆け引きといいますか、ビジネスな面を垣間見ることができて、ふむふむです。が、そんなことよりも一つのこと、もの、にのめり込むすざましさと言いましょうか、この場合は「絵画」であり、「ルソー」なんですが、そのパッションに圧倒されます。

冒頭に書きましたが、これは家族の物語でもあります。誰も死なないミステリ、読んでよかった。


アルモニカ・ディアボリカ

2014年01月09日 | ミステリ・サスペンス

1月9日(木)

アルモニカ・ディアボリカ (ミステリ・ワールド)
皆川 博子
早川書房

年末に予告しましたが、早速読みました!

でも、人間て本当に勝手なもので(いや、私が特にそうなのかもしれないが)やはり最初の新鮮さがなくなってしまって、あの前作を読んでいる時の高揚した気持ちと同じにはなれなかったかなあ。

それに、前作ではかなり中心にいたダニエル先生がほとんど出てこなかったのが残念。ダニエル先生の解剖を主としてシリーズになっていくのかと思いきや、盲目の判事、ジョン・フィールディングさんの推理シリーズということだったんですねえ。

もちろん単行本を買って、損はなかったですよ。重厚な推理でした。

前作から5年、弟子を2人失ったダニエルは外科医として勤務。ある日「アルモニカ・ディアボリカ」と書かれた謎の死体が発見される。ジョンやダニエルの元弟子たちが謎をおっていくうち、前作で「死んで生きる」と言って別れた2人の弟子エドとナイジェルの名前が浮かび上がってくる。2人にはまだ謎があったのか。

精神的な病人を隔離する施設が出てくるのですが、18世紀ですから、つまりは正常な人でも権力者に都合の悪い者は狂人にされてしまったり、奴隷の問題ですとか、この背景をを推理小説として面白いと言っていいのかという部分はあるんですよ。

そこは、判事のサー・ジョンが大岡裁きといいますか、法に従いながらも弱きを助けるみたいな部分もあって、いくつもの謎がひとつになっていくラストは素晴らしいですね。

かつての弟子たちが新大陸に渡ってしまうのですが、続編はあるのでしょうか?

また読みたいものです。


開かせていただき光栄です

2013年12月29日 | ミステリ・サスペンス

12月29日(日)

残すところ後2日。これまでサボっていた分取り戻さなくてはならないので、真面目に書きます。

開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)
皆川 博子
早川書房

皆川博子さん、初めて読みました。

本格ミステリは、どうもおどろおどろしいイメージで(要は怖くて夜トイレに行けなくなるので)苦手なんですが、このお話は怨霊とか呪いは関係なく、むしろ18世紀の科学捜査といった趣でして、いやいや、これは一気読みです。

外科医のダニエルは医学の発展のためにも解剖が重要なことを訴え続けているが、まだまだ必要性が認識されておらず、時には墓あばきをしても死体を集めるほど。ダニエルの解剖教室で、不審な死体が発見される。弟子たちは何かを隠しているようだが、誰かをかばっているのか…

このダニエルさんが天才だけど、寝ても覚めても解剖のことばかりで見てくれも気にしない、何とも愛すべきキャラクターなのです。あまりに愛すべき人なので、この哀しい殺人が次々と起こってしまった…といっても過言ではありません。

対する治安判事、ジョン・フィールディングはなんと盲目で、彼の目の役割を果たす助手アンも魅力的なキャラクターです。

そして物語の重要な鍵を握るのは助手の中でもエドとナイジェル。これまた魅惑的なキャラでして、んー、つまりは恋仲だったということなのかなあ。

罪が幾重にも重なって、絡まって、でも大団円にはパチンとすべてが収まるところに収まる。まったくもって見事です。

そして最近続編が出版されました!「アルモニカ・ディアボリカ」昨日買ってきましたよ。2014年の幕開けは皆川さんになるか。それとも明日読んじゃうかも。