9月30日(月)
9月も終わり。いろいろあったような、ないような。
車をぶつけ、心まで凹んだこと。
同窓会があり、優秀な我が同窓生たちが執筆、編集している本があると知ったこと。
早速購入し、読んでます。
こちらはその第一弾。角川書店にお勤めの編集者お勧めの新刊。
刑事マルティン・ベック 笑う警官 (角川文庫) | |
柳沢 由実子 | |
角川書店 |
最近、北欧ミステリ流行りだけど、こんな前からスウェーデンは面白かったんじゃない。
48年前に始まったシリーズが、全て新訳になるとのこと。
この「笑う警官」はシリーズ4作目ですが、エドガー賞を取った作品ということで、新訳版の一号になったようです。
40年以上前なので、もちろん携帯電話もコンピューターも捜査には出てきませんが、全然古い感じはしないです。
タイトルに「マルティン・ベック」とあるので、凄腕の警官かと思いきや、意外としみったれたおじさん刑事。
課長とか部長風を吹かせるタイプでもなく、あるいは日本と組織の感じが違うのか、皆が並列のチームっていう雰囲気。
さてさて、事件はバスの中で実に9人もの人間が殺され、そのうち一人は同僚の若手警察官。
彼がバスに乗り合わせたのはただの偶然なのか、スウェーデン警察史上初の大量殺人に挑む。
ってな感じなんですが、事件を解く鍵となっていくのは人間の性(さが)。
快楽を求める人間の底知れるエネルギーと危うさ、その悲しさ、
あるいは、金や地位、権力を守るためのエゴ、
人って切ないわぁ。
北欧だからかはわかりませんが、事件の湿度といいますか艶っぽい感じが絶妙です。
チームの人間関係もどうなっていくのか、全10作、楽しみが増えた。