1月4日(金)
今年もよろしくお願いします
なんと、元旦に川べりで我が市の鳥「カワセミ」をみました!
それってかなりラッキーです。いい一年になりそうだ!
さて、今年の一冊目、年末から年始にかけ、じっくり読みました。
冷血(上) | |
高村 薫 | |
毎日新聞社 |
冷血(下) | |
高村 薫 | |
毎日新聞社 |
素晴らしかったですよ。やっぱり合田さん、あなたは素晴らしい。
高村さんの政治家一族のシリーズは私には難しすぎて、新リア王なんかは読めなかった・・・情けなや・・・なのですが、
この「冷血」は久々に庶民の私でも読める作品でして、淡々と語られ、そして深い素晴らしさでありました。
クリスマス前に一家4人が殺され、キャッシュカードが奪われる。というと、ちょっと世田谷を思い出しますが、
この犯人はいたるところに痕跡を残し、やがては捕まる。
が、犯行の動機がはっきりしない。金が目当てではないのか、なぜその一家なのか。
人はなぜ人を殺すのか、そもそも感情とは何なのか、人は感情をどこまで言葉で表すことが出来るのか。
あっけなく殺された家族、死へとむかう日々を過ごす犯人たち、死へと送り出す側の刑事たち。
刻々と揺れ動いているはずの感情、それを表す術のない言葉。そこには本当に何もないのか。人を死に至らしめたのに、何の感情も沸かなかったのか。
言葉の裏にあるものを取り出そうとする刑事たちが、奮闘しますが、人とはなんと複雑な生き物なんでしょう。
人間の奥深くを覗き込んで、結局なんにも分からなくて絶望し、あるいはその多様性をみて、ちょっとほっとするような、嗚呼、それでもこんな作品に出会えてよかった。
今年もいい読書一年になりそうだ。