Qの読書な日々

大好きな本と、毛糸に囲まれる日々の独り言

安全という幻想 エイズ騒動から学ぶ

2015年10月18日 | 書評、エッセイ

10月18日(日)

サボっている間にすっかり秋。

読書ペースは上がらないのですが、細々とでも続けることがきっと大事。

安全という幻想: エイズ騒動から学ぶ
郡司 篤晃
聖学院大学出版会

自分が高校生とか、学生だとか、いわゆる青春時代に起こった事件というのは

とても記憶に残っている。(気がする)

私にとっては、湾岸戦争であり、オウム真理教であり、この「エイズ」だ。

 

「エイズ」の感染原因が分かってからも、その恐怖感だけがが一人歩きしていたし、

薬害問題に関しては、製薬会社と官僚や病院との癒着なんかが取り沙汰されていたのを覚えている。

 

これは、当時の厚生省生物製剤課長の郡司さんという方が書いた本。

 

この本だけを読んで、「これが真実だったんだ!」というのは一面的だけれど、

少くともテレビや政治に嘘がたくさんあったんだなあと思う。

 

医療は途上技術。間違いが起こることもあれば、まだまだわからないこともたくさんある。

薬は病に効くこともあれば、副作用もある。

 

マスコミは売名行為で嘘も尽くし、政治家は票集めにパフォーマンスする。

 

リスクを理解し、判断すること

政治やマスコミによってつくられたバイアスを見極めること

そのためには自分たちが、社会が成熟しなければならいこと

そんなことを改めて決意させる一冊でした。