4月15日(火)
この表紙につられて思わず買ってしまいましたよ。
西島さんが主役ですから、ドラマも拝見しましたが、多分原作を読んだほうが楽しめそうな感じだったので、改訂版が出ている3作目まで購入。
第1刷が1990年ですから、約四半世紀前の作品とは思えないほど斬新!携帯電話がなかったり、通信機器やコンピューターという点ではドラマとはずいぶん違ってくるとは思いますが、いやいや、やられました。面白かった。
公安の倉木警部、妻が新宿で起こった爆破事件に巻き込まれ死亡。事件の真相を調べるうちに、背景には政治が絡んでいることが明らかになってくる。はたして妻は殺されたのか。
一方で百舌と呼ばれる殺し屋は全く違う視点から同じ事件に結びつく。
この「百舌」の存在が絶妙。後半百舌の秘密が明かされていく場面は切なくてねー、だからって殺人鬼になっていいわけはないのですが…
公安VS政治、公安VS警視庁(または所轄)、組織VS個人といった警察小説のおきまりパターンではありますが、百舌という殺人鬼が(小説としては)とにかく魅力的。
ただラストは何人も死んで、かなり血なまぐさいので、実写のドラマではどうなっていくのでしょうか。
続けて2作目も読破。1年半後。
「そこまでやるか?」と突っ込みたくなるほどの政治的陰謀。対する公安も「そこまで仕事に身をささげるか?!」で応戦します。例えば倉木警部は悪の巣窟である精神病院に収容され、拷問ともいえるかなりひどい目にあうのですが、それも大物をおびき寄せるため、最初から承知だったとか。
ハードボイルドは読むと面白いんですよ。1作目を読み終わったときはすぐ次が読みたくて仕方ない。
けど、ドンパチ、ドンパチ、あんまり人が簡単に死んでいくので、2作目読み終わった今はいささかハードボイルド酔状態。
もー殺さないで!と思いつつも、あんまりに気になる終わり方だったんで、3作目も続けて読んでしまうことでしょう。
それにしても、私ったら逢坂剛さん、読まず嫌いだったのかしら?
たしか「カディスの赤い星」は読んだ記憶があるんだけど、ハードボイルド酔いが醒めたらそれも再読してみよう。