3月6日(日)
先日「ピダハン」というアマゾンの少数民族について書かれた本を取り上げましたが、Amazonで「ピダハン」について調べると必ずこの本もセットで紹介されています。
だもんで、文庫だしと思って購入。
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ヤノマミ (新潮文庫) |
国分 拓 | |
新潮社 |
NHKのドキュメンタリー番組で放送されたそうですね。
劇場版にもなっており、それがDVDにもなっているそうです。
実はこの本も読み終わったのが数ヶ月前なので、記憶がおぼろげなのですが、記録はすべき一冊です。
「ヤノマミ」とは彼らの言葉で人間を意味し、アマゾンの奥地に住む先住民。
30人から200人ほどで一つの集団を形成し、広大な森に分散して暮らしている。
NHKのディレクター等がおよそ150日間彼らと過ごした記録。
狩りや漁の様子(狩りにはほとんどついていけない)、集団を形成する家族構成、人物紹介、祭りなどなどが紹介されるが、おそらくもっとも印象的なのは後半に書かれている「子」について。
赤ん坊が人間としてこの世に生を受けるのか、はたまた精霊として森に帰るのかを決めるのは母親。
女は森で出産し、人間か精霊かをその場で決める。精霊だと思えば、つまりは(私の住む社会の言葉で言うと)その場で殺すのだ。
あとがきで著者は帰国後しばらく夜尿症があったと告白している。
衝撃的ではある。
生きるとはそういうことだ、なんていうこともできるかもしれない。
世界には、そうやって生きている人々がいる。
ただその事実を心に留めておこうと思う。